2010-12-24

今夜 19:00 からの「This is it」が楽しみ

2010-12-24 (金) 19:00-23:00 に「金曜ロードショー」で「This is it」が放映されます。

普段テレビなど見ないので、スルーする気満々だったのですが、カイ士伝さんのエントリーを読んで考えを改めました。

本編そのものよりも (本編は BD 版を持っているので...)、「実際に公演されることの無かったTHIS IS ITの内容をバックダンサーや振り付け師が再現してしまおうというイベント」に興味津々です。

2010-12-23

オネゲルの交響曲第 2 番 (ミュンシュ、プラッソン)

今日の初め、なお&トラさん邸に訪問して色々音楽を聞かせてもらいました。色々な曲を聞くので、アルバムの中からお勧めを一曲、という聞き方をしたわけですが、一つだけ全曲通して聞かせてもらった曲がありました。それが、オネゲルの交響曲第二番です。

アルテュール・オネゲル (Arthur Honegger) はフランスの作曲家。1892 年生まれ、1955 年没。フランス 6 人組の一人です。ところで、フランス 6 人組って誰がいるんでしょうね? 名称は有名ですが、作曲家に誰が名を連らねているのか知りません。Wikipedia によると、次の 6 人だそうです:

  1. ルイ・デュレ (Louis Durey, 1888年-1979年)
  2. アルテュール・オネゲル (Arthur Honegger, 1892年-1955年)
  3. ダリウス・ミヨー (Darius Milhaud, 1892年-1974年)
  4. ジェルメーヌ・タイユフェール (Germaine Tilleferre, 1892年-1983年)
  5. フランシス・プーランク (Francis Poulenc, 1899年-1963年)
  6. ジョルジュ・オーリック (George Auric, 1899年-1983年)

うわぁ、マイナーな名前が並んでいますね。私はプーランク以外知りません。オネゲルも今回、なお&トラさんに初めて教えて頂いたようなものです。

閑話休題。

オネゲルの交響曲第二番です。この曲は、ベートーヴェンやモーツァルト、もしくはメンデルスゾーンやブラームスの様な交響曲とは随分と曲の感じが違います。同じ「交響曲」と言っても、時代の差を感じます。フランスというお国柄もあるのでしょうか、エスプリを感じる交響曲ですね。そういう意味では、ドビュッシーの管弦楽曲などに雰囲気が似ているかもしれません。

なお&トラさんのお宅で聞かせてもらったのは、シャルル・ミュンシュがパリ管を指揮した LP でした。ミュンシュらしく非常に華やかな演奏でした。そして面白く思ったのは、この交響曲、モーツァルトの協奏交響曲よろしく色々な管楽器がソロで活躍するシーンがあるのです。ミュンシュの指揮は、そのソロを見事に盛り上げていて、非常に面白いものでした。

オネゲル: 交響曲第 2 番 (1968)
オネゲル:交響曲第2番、他

と、ここまで物知り顔で書いてきましたが、実は曲を聞いた時、私は作曲家の名前も曲名も知りませんでした。帰宅後、改めてなお&トラさんに尋ねて教えてもらったのでした。

それで自分の CD 棚を漁ってみたところ、オネゲルの交響曲第二番を 2 枚持っていることを知りました:

  • ミュンシュ指揮パリ音楽院管弦楽団 (1942)
  • プラッソン指揮トゥールーズ市管 (1979)

せっかくなので、こちらの感想も書いておきます。

ミュンシュ指揮パリ音楽院管弦楽団 (1942)

20th Century Maestros

The 20th Century Maestros (40 枚組ボックス) からの一枚。分売はおそらくされていないと思われます。

オネゲルの交響曲第 2 番は 1941 年完成、1942 年 5 月 18 日初演だそうです。ライナー・ノートによると、このミュンシュの録音は 1942 年録音とのみ記されています。初演が 1942 年の 5 月ですから、初演後間もなく録音されたのでしょう (もしかしたら初録音だったのかもしれません)。

1968 年盤がステレオなのに対して、1942 年盤は当然モノラル録音です。でも、曲の色彩感がちゃんと出ているのは、流石ミュンシュです。管楽器がソロ演奏する部分は、他の音に埋もれてしまって、ちと分からないです (なお&トラさんのオーディオ・システムが凄いのでソロ演奏がちゃんと聞こえたのでは? という疑いもあり)。でも、勢いがあって良い演奏です。

プラッソン指揮トゥールーズ市管 (1979)

Musique Francaise

ミシェル・プラッソンのフランス音楽ボックス (37 枚組ボックス; 6 千円位) の CD31 に収録されているものです。分別ではオネゲルの交響曲全集 (2 枚組; 1200 円程) としているものとおそらく同一です。

Symphonies No 1-5

この演奏を聞いて、まず最初に驚くのは「管」がないことです。どうやら、オネゲルの交響曲第二番には、「弦楽のため」のバージョンと「弦楽とトランペットのため」のバージョンの 2 つがあるらしいのですね。そして、プラッソンが選んだのは「弦楽のための交響曲第二番」だったようです。

「管」がないだけで、曲の雰囲気が随分変わります。まるで別の曲の様です。

またミュンシュの演奏が勢いがあるのに対して、プラッソンの演奏は少し落ち着いている感じがあります。これは指揮者の違いもあるでしょうし、管楽器がないことの差でもあるのでしょう。ミュンシュの演奏を聞いた後だと、盛り上がりというか、パッションが足りないように感じます。でも、単体で聞いてみると静かで穏かな感じになります。

あとがき

最近は、「弦楽とトランペット」版と「弦楽」版とでは、別の曲と意識して聞く方が良いのではないかと思っています。つまり、「弦楽」版は比較的落ち着いて聞くもの。弦楽器の美しさを味わうもの。一方、「弦楽とトランペット」版は弦楽器と管楽器のコラボレーションを楽しむもの。曲風の鮮かさを味わうもの。という感じです。

というわけで、聞き比べというより 2 種類の「交響曲第二番」の違いを楽しむだけになってしまいました。

2010-12-22

BD 版 Les Misérables 25th Anniversary Concert 購入!!

先日、Amazon.co.uk で注文した「Les Misérables 25th Anniversary Concert」の Blu-ray ディスク版が届きました。

先のエントリーに書いた通り、英国の BD は日本ではリージョン・コードの違いのため再生できないことになっています。しかし、ネットで調べると英国の BD が日本でも再生できる例は多いとのこと。さて、レミゼの場合はどうなのか? 心配していたら OK だったとのコメントを頂きました。

少しの不安を抱えながら注文。本日、届いたので BD プレーヤーにかけたところ、問題なく再生ができました。

BD 購入

注文日は 2010-12-14 (火)。BD は 2010-12-22 (水) に届きました。約一週間で到着と考えて良いでしょう。

値段は 2,356 円。内訳は、本体 13.56 ポンド、配送料 3.58 ポンド、以上計 17.14 ポンド。これに現在のレートをかけたものになります。変換レートは変動がありますから、日本円は多少の誤差を考えて下さい。

BD パッケージ

イギリスからはエコな箱で届きました。郵便受けに入るサイズです。

[BD] Les Misérables 25th Anniversary Concert

中を空けてみると、納入書と BD パッケージが一つ入っています。こちらは、パッケージの表側です。

[BD] Les Misérables 25th Anniversary Concert

裏側はこんな感じ:

[BD] Les Misérables 25th Anniversary Concert

パッケージを開けると、BD が一枚入っているだけでした。説明書もパンフも入っていません。

[BD] Les Misérables 25th Anniversary Concert

BD 詳細

BD には 2 時間 51 分の本編と 5 分程の特典映像が入っていました。

本編は、映画館で公開されたものと同一でした。つまり、コンサートが始まる前のざわざわの中から照明が落ちて ACT I が始まるところから、ACT II のエンディング、そしてその後のアンコール全てです。特典映像は映画館で本編開始前にかかった映像でした。25 周年を迎えるまでの歩みをフラッシュバックで流した映像です。本編後より本編前に見る方がテンションが高くなって良いかもしれません。

本編のビデオは 1080p High-Definition (1.78:1 のワイドスクリーン)。音声は英語で二種: DTS-HD Master Audio 5.1ch と Dolby 2.0ch。字幕は英語とドイツ語のみ。日本語字幕はありません。チャプター・リストは、「曲名」がチャプター名の代わりになっています。

なお、特典映像は映像が 1080i High-Definition、音声が 2.0ch で入っています。

再生環境

使った再生環境が特殊なのでは? と疑う方もあるでしょう。私が使っている BD プレーヤーは Marantz BD8002 です。値の張る BD プレーヤーですが、ブルーレイ再生装置としては極めて普通なものです (リージョン・フリーなプレーヤーとか海外のプレーヤーを使っているわけではない... という意味で「普通」です)。

あとがき

映画館では、不覚にも寝てしまって全編を見ることができませんでしたが、今回の BD 版でようやく全編を見ることができました。映画館より小画面だし、映画館より音響的に弱い所もありますが、かなり楽しめました。正月に、実家で大音量でもう一度観ようと思っています :)

「モノ=ポリ」が文化庁芸術祭レコード賞を受賞

MONO=POLI (モノ=ポリ)

先日、本ブログで紹介した多重録音で「カノン」を歌った意欲的な作品「モノ=ポリ」が、文化庁芸術祭のレコード部門にて優秀賞を受賞しました (惜しくも大賞は逃したようです)。

私は「文化庁芸術祭」という芸術祭を今回初めて知ったのですが、芸術祭 (文化庁) - Wikipedia によると歴史のある賞のようですね。そんな賞に、自分のお気に入りの CD が受賞したというのは嬉しいことです。

MONO=POLI (モノ=ポリ)
Various 松平敬
MONO=POLI (モノ=ポリ)
曲名リスト
1. [1]作者不詳(イギリス):夏のカノン(1260頃)
2. [2]作者不詳:アレ〈歌え〉ルヤ(13世紀)
3. [3]作者不詳(イギリス):ねんころりん、私は可愛らしい、上品な姿をみた(14-15世紀)
4. [4]作者不詳:ローマは喜び歓喜の声をあげよ(12-13世紀)
5. [5]ダンスタブル(ca.1390-1453):聖なるマリア
6. [6]-[8]ジェズアルド(ca.1560-1613):マドリガル曲集第6巻より(1611出版)/麗しき人よ、あなたが去ってしまうのなら/ああ、なんとむなしく、私はため息をつくのか/私は、ただ呼吸する
7. [9]J・S・バッハ(1685-1750):8声のカノン BWV 1072(1754出版)
8. [10]モーツァルト(1756-1791):心より愛します KV 348(382g)(1782)
9. [11]グリーグ(1843-1907):めでたし、海の星(1893)
10. [12]ストラヴィンスキー(1882-1971):アヴェ・マリア(1934/49)
11. [13]シェーンベルク(1874-1951):《3つの風刺》 より 分かれ道にて Op. 28-1(1925)
12. [14]ケージ(1912-1992):《居間の音楽》より 昔話(1940)
13. [15]リゲティ(1923-2006):ルクス・エテルナ(1966)
14. [16]松平 敬(1971- ):モノ=ポリ(2009)
15. [17]-[18]ブライアーズ(1943- ):マドリガル集第2巻より(2002)/私は、この地上に天使のような姿を見た/おお、あてどない歩みよ、おお、うつろいやすく、しかし確固とした思いよ
16. [19]ベリオ(1925-2003):もし私が魚なら(2002)
17. [20]ケージ:声のためのソロ2[4ヴァージョンの同時演奏](1960)
18. [21]シェーンベルク:千年を三度 Op. 50A(1949)
19. [22]-[24]ドビュッシー(1862-1918):シャルル・ドルレアンの3つの歌(1898/1908)/I. 神よ!なんたる眼の保養/II. 太鼓の音が鳴りひびき/III. 冬よ、御身が憎らしい
20. [25]ブラームス(1833-1897):おお、なんとなだらかに(1970頃)
21. [26]パーセル(1659-1695):主よ、わが祈りをききたまえ(1680頃)
22. [27]パレストリーナ(ca.1525-1594):主よ、今こそあなたは
23. [28]ジョスカン・デ・プレ(ca.1440-1521):ミサ《ダ・パーチェム》より アニュス・デイ
24. [29]作者不詳(スペイン):3人のムーア娘(15-16世紀)
25. [30]作者不詳(スペイン):手に手をとって(15-16世紀)
26. [31]マショー(ca.1300-1377):我が終わりは我が始まり

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HMV が 5日間限定(〜12/27日) CD 2 枚でポイント 15 倍キャンペーン実施中

HMV が 12/22 (水) 16:00〜 12/27 (月) いっぱいまで、15 倍ポイント・キャンペーンを行ないます。

HMV は今までに何度も期間限定の「ポイント 15 倍キャンペーン」を開いてきましたが、今回は特にその縛りが緩いです:

  • 対象は CD (含 SACD, SHM-CD, Blu-spec CD, Hi Qualytiy CD)
  • 2 枚以上購入すること

ダイヤモンド会員は更に倍の 30 倍ポイントとなります。

CD を 2 枚以上買っていても、DVD 等のポイントは 15 倍にならないので注意。

今までの HMV の「15 倍ポイント」の条件は次の様なものでした: 「CD 4 枚以上」・「一万円以上の買い物」。これらの条件に比べると、今回はちょっとした買い物でもポイントが 15 倍になるので嬉しいところです。ハイフェッツ全集のような大きな買い物をしてみるのも試みとしては良いのではないでしょうか。

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2010-12-18

風邪ひきさん

風邪をひきました。喉が痛くて、頭がボーっとして、体がダルいです。重いものを食べると吐きそうなので、ゼリー状のもので食いつないでいます。下痢にはなっていないようです。

明日帰省する予定でしたが、23 日に延ばしました。

皆さんも、お気を付けて下さい。

Nöel (Joan Baez)

クリスマスが近づいてきました。最近、繰り返し聞くクリスマス・アルバムはジョーン・バエズ (Joan Baez) の「Nöel」というアルバムです。鎌倉スイス日記さんのブログで紹介されていたので買ってみたのですが、本当に素晴らしい。

ジョーン・バエズと言えば、1960 年代の代表的なフォーク・シンガー。反戦歌を多く歌ったことでも有名です。しっとりも歌えるけれど、どちらかというとアップテンポの似合う「ポップス」系シンガーというのが私の印象です。

ところがこの「Nöel」は全く趣きが違います。ポップス調・フォーク調ではなくクラシック調にまとめられているのです。まず選曲から渋い。一曲目から「O Come, O Come, Emmanuel (来たれ、エマニュエル)」。作曲者不詳の古〜い伝統的なクリスマス・ソングです。残る曲も、最近のポップなクリスマス・ソングを避けて積極的にトラディッショナルなクリスマス・ソングを選曲しています。しかも全曲バエズが歌うのではなく、何曲かはインストゥルメンタルです。バエズを前面に出したクリスマス・アルバムというよりも、非常に質の高いクリスマス・アルバムの歌手としてバエズが選ばれたのではないかと思う程、アルバムの完成度が高いです。

このアルバムの編曲者兼指揮者はピーター・シッケル (Peter Schickele) という人です。私はこの人を知らないので、鎌倉スイス日記さんの記事を引用します。

(前略) なんとピーターシッケレと組んでクリスマス・ソング集を録音していたとは、最近まて゛知らなかった。

ピーター・シッケルは1935年生まれのアメリカの作曲家で、あのP.D.Q.バッハの「発見者」である。あの知的エンターテイメントを行った本人がこんな素敵なアルバムのアレンジャー・指揮者として名前を連ねていたことに驚いた次第である。

鎌倉スイス日記 : (新)冬の夜の慰めに… -01. ジョーン・バエズのクリスマスの歌 より引用

特に感銘を受けた曲を数曲挙げておきます。

まずはシューベルトの「アヴェ・マリア」。バエズはファルセット風に歌っています。彼女の魅力はファルセットよりも地声の方にあると思うので、あまり嬉しくありません。ミスマッチ。これなら、一音上げて歌うより、彼女本来の声域で歌う方がマシ、と思った私が浅はかでありました。聞き進めると、ゾクゾクと鳥肌が立つのです。特に手を加えた歌唱でもないのに、心に響くのです。正直、初めて鳥肌ものの「アヴェ・マリア」に出会いました。ヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第 5 番 アリアといい、バエズはクラシック曲を歌った時に尋常じゃない歌唱をしますね。クラシックのソプラノ歌手やアルト歌手ら、本職の歌い方ではないのに不思議なことです。

次は「Contique de Noël」という曲。作曲者はアドルフ・アダン (Adolphe Adam, 1803-1856)。「Contique de Noël」という曲名よりも英語名「O Holy Night」で親しまれている曲です。バエズは、フランス語でも英語でもなく、ドイツ語でこの曲を歌い上げています。ハープの響きが歌と良くマッチしていています。

最後は「What Child Is This」という曲。イギリス民謡としてお馴染の「グリーンスリーブス」にクリスマスの歌詞を付けたもの。Wikipedia をよると、1865 年にウィリアム・チャタートン・ディックスという人が歌詞を付けたそうです。いや、こんな曲があるなんて知りませんでした。ちょっとアップテンポな曲調にバエズの歌唱が良く合っています。

他にも、「The Little Drummer Boy」「Silent Night」「The First Noël」といった有名な曲も見事。残念なのは、私が大好きな「荒野の果てに」がインストゥルメンタルで入っていたことでしょうか。バエズの歌が聞きたかったです。

感想

クリスマス・トラディッショナルを本格的に、でもクラシック歌手が歌う程には肩肘はらずに歌った素晴らしいアルバムです。ポップス調のクリスマス・ソングに飽きた時に、もしくはクラシック調のクリスマス・アルバムに疲れた時に、とても癒されるアルバムだと思います。もちろん、何も考えず CD 棚から取り出す一枚としてもおススメです

ref

Noel
Joan Baez
Noel
曲名リスト
1. O Come, O Come, Emmanuel
2. Coventry Carol
3. Good King Winceslas (instrumental)
4. The Little Drummer Boy
5. I Wonder As I Wander
6. Bring A Torch, Jeannette, Isabella (instrumental)
7. Down In Yon Forrest
8. The Carol Of The Birds
9. Angels We Have Heard On High (instrumental)
10. Ave Maria (german)
11. Mary's Wondering
12. Deck The Halls (instrumental)
13. Away In A Manger
14. Adeste Fidelis (instrumental)
15. Cantique De Noel (german)
16. What Child Is This
17. Silent Night
18. The First Noel
19. We Three Kings (instrumental)
20. Virgin Mary
21. Good Christian Kings (instrumental)
22. Burgundian Carol
23. Away In A Manger (french)

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2010-12-17

BD 版 Les Misérables 25th Anniversary Concert を注文!

先日、「Les Misérables 25th Anniversary Concert」の DVD 版と BD 版が Amazon.co.uk で出ている (けれど、日本の機器での再生は無理そう) とのエントリーを書きました。

ところが「この BD 版を購入して日本でも再生できた」とのコメントを頂きました。ありがたいことです。

果たして自分の持ってる BD プレーヤーで再生できるかどうかは分からないのですが、このコメントに勇気をもらって BD 版を注文してみました。

ディスクが届くのはおよそ 2 週間後。後になって気がついたのですが、2 週間後には帰省していて荷物を受け取れません。発送先を変更しようと思いましたが、すでに発送済で変更は不可能でした。というわけで、帰省から戻ってきた後、おそらく 1 月半ばにこの BD 版のレビューが出来るのではないかと思います。乞うご期待。

8 声のカノン BWV.1072 (J. S. バッハ)

J. S. バッハ作曲の 8 声のカノン (BWV.1072) が面白い。カノンとは大雑把に言って輪唱と理解してもらってかまいません。従って、「8 声のカノン」とは、一つのメロディーを 8 回輪唱することになります。

バッハの 8 声のカノン (BWV.1072) の面白いところは、曲が「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ファ・ミ・レ」というメロディーしか持っていないことです。音符の数が 8 つですから、ドの音をすぐ次の演奏者が追いかけ、そしてまた次の演奏者が追いかけ... ということが繰り返されます。8 人全員が演奏すると、もうメロディーが消えてしまって、フワーっとした何とも言えない空間が現れます。よくもまあ、こんな単純な発想を思いついたものだと感心しきりです。しかし、カノンが成功した時の何とも言えない音の空間 (あえてメロディーとは呼びません) は独特のものがあり、一種の陶酔感に浸れます。バッハの天才あっての曲と言えましょう。

流石にマイナーな曲で、CD の数が少ないです。私は 2 枚の CD を聞いたことがあります。

ヘンスラー版 バッハ大全集

ヘンスラー版バッハ大全集では、CD133 の 17 曲目に収録されています。ライナー・ノートによると、3 挺のヴァイオリンと 1 挺のヴィオラによるオーバー・ダビング (多重録音) で録音されているそうです。弦の響きが何とも言えない雰囲気を醸し出します。

Johann Sebastian Bach, Helmuth Rilling : Complete Bach Set 2010 - Special Edition (172 CDs & CDR) [Import from Germany]

[Amazon], [HMV]

モノ=ポリ

この CD は「カノン」の曲ばかり集めた曲集です。1260 年頃の古いカノンから始まって、最新のカノン (リゲティとかベリオとかケージとか) を折り返し、最後は 1300 年生まれのマショーの「我が終わりは我が始まり」で終わるという構成です。なかなか凝った選曲・構成ですね。バッハのカノンは 9 曲目に収録されています。

「モノ=ポリ」の面白いところは、松平敬というバリトン歌手が多重録音で全てのカノンを歌っていることです。声というものは一人一人違っていますから、どんなに綺麗なハーモニーを作ってもピタリと一致することはありません。そのゆらぎがまた合唱曲の魅力でもあるわけですが、「カノン」に関しては全く同一人物の歌う「ゆらぎのなさ」が逆に曲に透明感を与えて、とても心地が良いのです。

実際、バッハの 8 声のカノンに関しても、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ファ・ミ・レ」という音が合わさる様は弦楽版よりも純粋で至純です。

MONO=POLI (モノ=ポリ)
Various 松平敬
MONO=POLI (モノ=ポリ)
曲名リスト
1. [1]作者不詳(イギリス):夏のカノン(1260頃)
2. [2]作者不詳:アレ〈歌え〉ルヤ(13世紀)
3. [3]作者不詳(イギリス):ねんころりん、私は可愛らしい、上品な姿をみた(14-15世紀)
4. [4]作者不詳:ローマは喜び歓喜の声をあげよ(12-13世紀)
5. [5]ダンスタブル(ca.1390-1453):聖なるマリア
6. [6]-[8]ジェズアルド(ca.1560-1613):マドリガル曲集第6巻より(1611出版)/麗しき人よ、あなたが去ってしまうのなら/ああ、なんとむなしく、私はため息をつくのか/私は、ただ呼吸する
7. [9]J・S・バッハ(1685-1750):8声のカノン BWV 1072(1754出版)
8. [10]モーツァルト(1756-1791):心より愛します KV 348(382g)(1782)
9. [11]グリーグ(1843-1907):めでたし、海の星(1893)
10. [12]ストラヴィンスキー(1882-1971):アヴェ・マリア(1934/49)
11. [13]シェーンベルク(1874-1951):《3つの風刺》 より 分かれ道にて Op. 28-1(1925)
12. [14]ケージ(1912-1992):《居間の音楽》より 昔話(1940)
13. [15]リゲティ(1923-2006):ルクス・エテルナ(1966)
14. [16]松平 敬(1971- ):モノ=ポリ(2009)
15. [17]-[18]ブライアーズ(1943- ):マドリガル集第2巻より(2002)/私は、この地上に天使のような姿を見た/おお、あてどない歩みよ、おお、うつろいやすく、しかし確固とした思いよ
16. [19]ベリオ(1925-2003):もし私が魚なら(2002)
17. [20]ケージ:声のためのソロ2[4ヴァージョンの同時演奏](1960)
18. [21]シェーンベルク:千年を三度 Op. 50A(1949)
19. [22]-[24]ドビュッシー(1862-1918):シャルル・ドルレアンの3つの歌(1898/1908)/I. 神よ!なんたる眼の保養/II. 太鼓の音が鳴りひびき/III. 冬よ、御身が憎らしい
20. [25]ブラームス(1833-1897):おお、なんとなだらかに(1970頃)
21. [26]パーセル(1659-1695):主よ、わが祈りをききたまえ(1680頃)
22. [27]パレストリーナ(ca.1525-1594):主よ、今こそあなたは
23. [28]ジョスカン・デ・プレ(ca.1440-1521):ミサ《ダ・パーチェム》より アニュス・デイ
24. [29]作者不詳(スペイン):3人のムーア娘(15-16世紀)
25. [30]作者不詳(スペイン):手に手をとって(15-16世紀)
26. [31]マショー(ca.1300-1377):我が終わりは我が始まり

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ちなみに、この CD のレビューがオーディオ・ベーシックの連載「高音質ディスク聴きまくり」にちょこっとだけ載っています。興味を持たれたら、立ち読みしてみてはいかがでしょうか。

AUDIO BASIC (オーディオベーシック) 2011年 01月号 [雑誌]
B004BG3EAM

2010-12-16

江東シティオーケストラの第 33 回公演に行ってきました

12 月 11 日 (土) に江東シティオーケストラの第 33 回公演に行ってきました。

コンサート・プログラムは以下の通り:

  1. ヨハン・シュトラウス II 世: 「こうもり」序曲
  2. ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第 2 番
  3. 休憩
  4. シューマン: 交響曲第 4 番
  5. アンコール

アンコール曲は J. シュトラウス II 世の「雷鳴とポルカ」だったと思いますが、確信はありません。

感想

技術レベルは市民オーケストラとして並。先日聞いた神奈川フィルのようなプロのオーケストラには流石に負けます。でも、音楽の楽しみ方って技術云々だけじゃないですよね。どんな曲をやるのかな? どう演奏するのかな? あの演奏者は上手かったね。盛り上がり部分が良かったね。演奏会前は期待と予想で楽しみ、演奏後は演奏会の感想を友達と語り合う。そういう楽しみ方を含めて、「演奏会」なんじゃないかと思います。

今回の演奏会で言えば、私はシューマンの交響曲第 4 番をほとんど聞いたことがなかったので、演奏会のために CD 棚を漁って予習をしました。お蔭で、シューマンの交響曲第 4 番が好きになりました。

演奏会後の語らいでは、友人曰く「ラフマニノフのピアノ協奏曲第 2 番の第一楽章で盛り上がるところが盛り上がらず不完全燃焼」とのこと。それに対して私は、「ラフマニノフ本人の演奏だと実はサラリと流しているので違和感はないよ」と答えました。時間があったら、CD を何枚か聞き比べをしたいところです。

そういうわけで、前後を含めて今回の「演奏会」を楽しんだのでした。

ラフマニノフ:自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番
ラフマニノフ(セルゲイ)
ラフマニノフ:自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番
曲名リスト
1. ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 I.Moderato;Allegro
2. ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 II.Adagio sostenuto
3. ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 III.Allegro scherzando
4. ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30 I.Allegro ma non tanto
5. ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30 II.Intermezzo:Adagio
6. ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30 III.Finale:Alla breve

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ハリー・ポッターと死の秘宝 前編

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

Space Battleship ヤマト」の演技が個人的にはいま一つの出来だったので、口直しに「ハリー・ポッターと死の秘宝 前編」も観てきました。映画を一日に二本観るのは久しぶりなことです。ハリポタはやっぱり演技が上手ですね。安心して見れます。

今回のハリー・ポッターはシリーズ最終節にして、シリーズ初の前・後編公開。いわば総決算的な意味合いで、過去の登場人物もポンポンと出てきます。マッド・アイ・ムーディを筆頭に、双子のウィーズリー兄弟、フラー・デラクール、ドローレス・アンブリッジ、リーマス・ルーピン、そしてドビー。いずれも過去の物語で大活躍 (?) した面々です。皆さん憶えていますかね? 忘れていたら、パンフをどうぞ。

ハリー・ポッター・シリーズというと、「賢者の石」から始まって原作がどんどん厚くなっていったことで有名です。しかし、映画の方は本と同じペースで上映時間を伸ばすわけにもいきません。結果、シリーズ後半になればなるほど削られるエピソードが増えました。

今回、二部構成することによって、上映時間の制限が緩くなりました。ストーリーが原作に限りなく近くなっています。原作ファンにとっては非常にありがたいことです。

物語は原作と同じく、闇の勢力が強くなり、ハリー達はますます孤立無縁に。信頼する仲間も、傷つき、あるいは命を落としてゆきます。絶望が映画全体を包みこむ感じ。前編は、「未来に希望などないのではないか?」という不安に対比するように、美しい海岸で墓を作るシーンで終わります。原作ファンとしてはたまらなく嬉しい演出ですね。下手な味付けのない映画化が進んでいるからです。

後編はもっと暗い道をハリー達が通り、最後の戦いに至るわけですね。前編を見る限り、後編の仕上がりにも 120% の期待が持てる出来でした。

2010-12-09

「Space Battleship ヤマト」を観てきました (ネタバレあり)

SPACE BATTLESHIP ヤマトを観てきました。タイトルにも書いた通り、ネタバレありで感想を書いて行きます。まだ観ていない方でネタバレ NG な方は、先には進まないで下さい。

総評

最近公開された「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」に比べるとマシでしたが、「日本人が初めて世界に挑む SF エンターテイメント」という謡い文句には到底達していない出来でした。

最も評価したいのは音楽。TV 版オリジナルの楽曲をオーケストラ仕立てに仕上げて、とても迫力のある音響になっています。TV 版の「歌」が一切用いられなかったのも良ポイントです。全盛期を過ぎた佐々木功に歌ってもらうのは荷が重いでしょうし (TV 版の佐々木功の歌声にはすごく張りがあって素晴らしい!!)、他の歌手がカバーしたら雰囲気が崩れてしまっていたでしょう。あえて「歌」の再録音もカバーも新楽曲も入れなかった判断には喝采を送りたいです (エンディング・テーマは劇中の曲じゃないので別に考えるとしてね)。

脚本・演出については不満が残ります。主な不満点は三つ。TV 版ヤマトを知っていないと破綻しているストーリー。見せ場の見せ方の下手さ。「ヤマト」よりも人間ドラマを中心にした展開。三点目は後述します。

まず一点目の「破綻しているストーリー」について。一例を挙げるると、何故インスカンダルへ行くのか? TV 版ではスターシャからのメッセージがありますが、実写版には「座標とエンジンの設計図」しかありません。それでひょこひょこエンジンを作ったり、14 万 8 千光年もの旅をしようとする人類側の神経が理解できない。そして、メッセージの一つも添付しないイスカンダル側の意図も分かんない。イスカンダルは何がしたいのさ? 座標を渡せば来てくれるとでも思うの? あまりにも不親切。そんでガミラスとイスカンダルが同じエネルギー生命体という設定。無理ありすぎ。地球に遊星爆弾を送り込んで、放射能汚染する必要ないじゃない! 放射能なくても生きれるじゃない!! 人類を全滅させなくても、エネルギー生命体なんだから人類の体を乗っとれば済む話じゃない!! エネルギー生命体のくせに星の一か所に集まって、小さな爆弾一つでジェノサイド (種全滅) されかかるとか危機管理能力低すぎ。そして「我々は全にして個、個にして全」とか王蟲ですか!? そのくせ反乱分子 (イスカンダル) がいるとか全然「個にして全」じゃないじゃないの!? ここら辺は、もう TV 版ファン向けの「意外性」脚本になってるだけで、初めて観る人には混乱しまくりになっていそう。

二点目の「見せ場」について。正直、盛り上がり所が少ないです。TV 版では「とりあえず切り札に波動砲」という流れですが (それはそれで批判の対象になってますけど)、実写版では「まず波動砲」という節操のなさ。この節操のなさが、ストーリーの起伏を小さくして盛り上がらなくしてしまっています。それから、ガミラス星の対空施設破壊シーン。コスモゼロによる自由落下での先導と、続くブラックタイガー隊およびヤマト自身による攻撃が何と言っても見せ場の一つでした。特に地表に向かって戦闘機と宇宙戦艦が突っ込むわけですが、(戦闘機はいいとして) 戦艦はそのまま行けば地表に激突します。そこをヤマトはワープで回避する。手に汗握るシーンなはずですが、このシーンのテンポが早すぎます。手を握る前に次の展開に入られて、かなり肩透かし。こういう演出はスター・トレックを見做らって欲しいものです (スポックを襲うミサイルを、ワープ直後のエンタープライズ号が撃ちおとすシーンは正に見どころ!)。

最後に演技について。日常ドラマの演技を戦争映画に持ち込んだ異和感を持ちました。沖田艦長の演技は、とにかくモゴモゴしていて TV 版に見られる「歴戦の古参艦長」の貫禄がありません。佐度先生は従軍医としての緊張感がなく、まるで市民病院のお医者さんを乗せたよう。そう思うと、お酒ばっかり呑んでいたけれど、TV 版の佐度先生は何気に何事にも動じない軍医でした (誤診はしたけど :p)。森雪は生活班長兼レーダー担当から艦載機乗りに設定が変わっていましたが、感情を出し過ぎ。これは脚本も悪いのかな? 主人公の古代進は大根なので困ります。演技が良かったのは真田さん (柳葉敏郎) と島大介 (緒形直人) の二人だけかなぁ。特に柳葉さんの演技は TV 版の真田さんが乗り移ったかのような演技でしたが、TV 版おなじみの新兵器開発も頭のキレの良さも見せるシーンがなく残念。というか、真田さんを特攻部隊に入れて殺しちゃう脚本ダメでしょ。真田さんはそんなキャラじゃない。島さんに至っては、ほとんど見せ場がない。憐れ! 古代と島の配役、逆の方が良かったんじゃないかしらん。デスラーなんか (涙)。

ヤマトの面白さ

脚本における三点目、「ドラマ的展開」について詳述します。

そもそも、TV 版のヤマトは戦闘シーンを軸に人間ドラマを描いた作品でした。

まず、沖田艦長のカリスマ性。反射衛星砲の正体を握むため死んだフリしたり、太陽フレアを波動砲で撃ち抜いたり、あえて硫酸の海に潜って波動砲を撃ったりと見せ場が沢山でした。古代進はコスモタイガーに乗ってエース・パイロットぶりを発揮したり、艦長代理時代のドメル将軍との戦いは熱いものがありました。島大介はワープの時くらいしか出番がありませんでしたが、実直な仕事ぶりが良かったです。真田さんは、「こんなこともあろうかと」とか「あれは○○だ!」とかヤマト唯一の知恵袋振りを随所に見せてくれていました。

また、物語が進むにつれガミラス側のドラマが展開されたのも忘れてはなりません。デスラー総統発案の罠では、敗れたデスラーが素直に兜を脱ぐ姿が敵ながら見事でしたし、数度に渡るドメル将軍との死闘はヤマト側・ガミラス側相方にドラマを生み出しました。

戦闘シーンにおける知恵比べ、ディスカッションがキャラクターを立たせていたのですね。

ところが実写版では戦闘シーンがサラリと終わってしまうので、キャラクターが立ちません。脚本自体が艦内のドラマを主軸に、間に戦闘シーンを挟む形で構成されているのです。これは TV 版とは全く逆の構成です。更にガミラス側のドラマがないので、一人将棋の様に一方的なドラマ展開になっています。TV 版ファンからすると「ヤマト」なのに「ヤマト」らしくない映画になってしまいました。TV 版に無縁な人にとっては、ドラマと戦闘の配分は良いのかもしれませんが、ストーリー展開がムチャクチャなので混乱してしまうのではないでしょうか?

またガミラス星上陸後のシーンが長かったのも良くなかったと思います。そもそも、上陸するとヤマトの艦橋クルーの活躍がなくなるわけですから。ただでさえ影の薄い島さん、相原さん、南部さんの登場シーンが減りました。代わりに、加藤・山本・斉藤・アナライザーといった本来脇役中の脇役にスポットが当たるようになりました。「ヤマト」の映画としてはバランスが悪すぎませんかね? あと、上陸時の戦闘シーンが「マトリックス・レボリューション」に似ていて悲しかったです。

落ち穂拾い

  • 徳川機関長の「波動エンジン出力低下、なれど航行は可能なり」が聞けて良かった
  • 沖田艦長の「地球か・・・何もかもみな懐しい」がなくて残念この台詞はあったとのご指摘を受けました。情報ありがとうございます。
  • 波動エンジンを載せた「デスラー艦」が出なくて残念
  • 冥王星基地がなかったので、遊星爆弾はヤマトがガミラスに着くまで、地球に降りそそいでいたのでは?
  • 最大の武器「波動砲」の砲口を塞がれているのに、何も対処しない真田さん (涙)
  • 魚雷ミサイル、煙突ミサイル、ロケット・アンカーが使われず残念
  • 艦内で人工重力を発生させていたら「下」は常に一定なのに、通常重力下にある様な描写があって SF 的に残念
  • ミサイルまでの距離が 60 km とか聞こえたんだけど、聞き間違えだよね? 1 秒もしない内に当たっちゃうよ

楽曲は良かったので、サントラは買おうか悩み中。

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」ORIGINAL SOUNDTRACK
サントラ
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」ORIGINAL SOUNDTRACK
曲名リスト
1. SPACE BATTLESHIP ヤマト Opening Title
2. 薄汚れた男
3. 希望の船
4. 波動砲発射
5. ガミラス艦隊
6. 帰還
7. ガミラスロイド
8. 命令
9. 敵艦隊消滅
10. 一瞬の静寂
11. 慰め
12. 美しい青い星
13. 危機
14. 信念
15. 新たな歴史を
16. コスモゼロ発進
17. 放射能除去装置の真実
18. 託された未来
19. 地球
20. デスラーの報復
21. 守りたいもの
22. 最期の敬礼

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江東シティオーケストラ 第 33 回公演に行く予定

友達に誘われて、江東シティオーケストラの第 33 回公演に行くことになりました。

江東シティオーケストラは 20~30 歳中心の若い区民オーケストラ。団員構成は社会人が中心とのこと。嬉しいことに、全席自由で入場無料。気軽にクラシック音楽を楽しめそうです。

第 33 回公演の演目は以下の通り:

  • シューマン: 交響曲第 4 番
  • ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第 2 番
  • ヨハン・シュトラウス II 世: 「こうもり」序曲

指揮は新井義輝。ピアノ独奏は中桐望。

楽しみ。楽しみ。ラフマニノフのピアノ協奏曲はよく知っていますが、シューマンの交響曲第四番はあまり聞いたことがありません。う〜ん。シューマンの交響曲って苦手なんですよね。これを機会にちょっと予習がてら、聞いてみようと思います。

2010-12-07

DVD & BD for Les Misérables 25th Anniversary Concert

先日、ミュージカル「Les Misérables」の 25 周年記念コンサートが一週間限定で映画館公開されました。

映画が終わってから気付いた方、映画館に行ったけど (私のように) 不覚にも寝てしまった方 (泣)、行きたかったけどスケジュールの合わなかった方、そして、映画館で見たけどもう一度見たい方。朗報です。DVD 版と Blu-ray 版が Amazon.co.uk でリリースされています (日本・アメリカではまだリリースされていません)。

DVD 版が £12.93、BD 版が £15.93 です (送料別)。

注意事項

DVD 版で気を付けなければいけないのは、リージョン・コードとフォーマットです。リージョン・コードの違う DVD は再生することができません。日本のリージョン・コードは 2。アメリカは 1。そしてイギリスは 2。幸いなことに日本とイギリスのリージョン・コードは同じです。というわけで、Amazon.co.uk で DVD を買う限り、リージョン・コード問題は起きません (ホッ)。もう一つ、フォーマットの違いについて。日本は NTSC、欧州は PAL を採用しています。日本の DVD プレーヤーは一般に PAL に非対応なので再生することができません。ただし、PC の DVD プレーヤーは NTSC/PAL の両方に対応しています。なので、PC 経由での視聴であれば「可能」です。かなり厳しい制限ですが、見れるだけマシでしょうか。

BD 版にもリージョン・コードがあります。日本とアメリカのリージョン・コードは A。イギリスは B。従って、イギリス発売の BD はリージョン・コードが違うので再生できません。ただし、こちらの記事によるとリージョン・コードが B であっても日本で再生できることがあるらしいです。

私が調べた限りでは、少くともこの BD が日本で再生できるという情報は手に入りませんでした。誰か人柱になった人がいたら、コメント下さい。

一番良いのは、日本版 BD が早く発売されることですね。。。一体何時になるのかしらん?

2010-12-03

スキャットマン・ジョンを偲ぶ

スキャットマン・ジョン。本名ジョン・ポール・ラーキン (John Paul Larkin)。1995 年に「スキー・バ・ボッ・バ・ドッ・ボッ」というボイス・パーカッションとも取れる早口で歌った「Scatman」という曲で各国のチャート No.1 を飾った男。

彼は、たった二枚のアルバムを残して音楽シーンから姿を消してしまいました。何故、消えたのか?

スキャットマン・ジョンは 1942 年生まれ。小さい頃からいわゆる「どもり」症な人でした。しかし、その「どもり (吃音症)」を逆手に取ったスキャット唱法を開発。1995 年、52 歳にしてファースト・アルバム「スキャットマンズ・ワールド (Scatman's World)」をリリース。続く 1996 年、セカンド・アルバム「エヴリバディ・ジャム (Everybody Jam!)」を発表します。しかし、1998 年に喉頭癌を患い、1999 年 12 月 3 日、肺癌で世を去ります。

今日がスキャットマン・ジョンの命日であることを、HMV の Tweet で知りました。

今日はスキャットマン・ジョンの命日。彼は空前のヒットを飛ばす前アル・ジャロウやリッキー・リー・ジョーンズ等と競演したJAZZピアニストだったそうです。そんな姿も見てみたかった

Twitter / @HMVジャパン株式会社: 今日はスキャットマン・ジョンの命日。彼は空前のヒット ... より引用

そんな彼を偲んで、今、スキャットマン・ジョンの 2 枚のアルバムを取り出して聞いています。

蛇足

本エントリーを書くため Wikipedia を参照していたら、スキャットマン・ジョンは 1999 年に 3rd アルバムをリリースしていたみたいです。といっても、喉頭癌のためほとんどを女性ボーカルが歌ったようですが。

ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン
スキャットマン・ジョン
ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン
曲名リスト
1. スキャットマン
2. スキャットマンズ・ワールド
3. オンリー・ユー
4. スキャットマンボ
5. ハーデスト・ワールド
6. スキャットミュージック
7. 1.2.3...GO
8. エヴリバディ・ジャム!
9. SU SU SU SUPER キ・レ・イ(RADIO EDIT)
10. プリプリ・スキャット(RADIO EDIT)
11. 気分はジャジー
12. レット・イット・ゴー
13. マンボ・ジャンボ
14. 恋のチッカディー・ソング(アルバム・ヴァージョン)
15. 君にUターン
16. メッセージ・トゥ・ユー
17. ビー・サムワン
18. テイク・ユア・タイム
19. ソング・オブ・スキャットランド
20. ラヴ・ミー・テンダー(L.A.UNPLUGGED MIX)

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スキャットマンズ・ワールド スキャットマンII

チャーリーとチョコレート工場 (Charlie and the Chocolate Factory)

チャーリーとチョコレート工場 [Blu-ray]

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ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21
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ウィッチマウンテン / 地図から消された山でサラ役を演じた女の子アンナソフィア・ロブ (AnnaSophia Robb) が美少女で演技が上手だったので、アンナソフィア・ロブ出演作品を借りています。本作「チャーリーとチョコレート工場」もその一作です。

あらすじ

世界最大手のチョコレート工場が閉鎖されて数十年。労働者は全員解雇されたはずなのに、営業は継続され、店にはチョコレートが並んでいる。そんな不思議なチョコレート工場の主ウィリー・ウォンカが、5 人の子供達を工場に招待するという。

選ばれた 5 人の少年・少女は

  • チョコレート大好きな少年
  • 大金持ちで何でも欲しがる少女
  • 強くて何でも一番になりたがる少女
  • 天才だけどチョコレート嫌いな少年
  • 主人公チャーリー

アンナソフィア・ロブ

今回のアンナソフィア・ロブは、「強くて何でも一番になりたがる少女」。ぶっちゃけ、主人公チャーリー以外、他人に心遣いできる子供が居ない設定です。なので、今回のアンナソフィア・ロブはぶっきらぼうで嫌味な少女の役を演じていました。演技が上手いせいか (?)、いや〜な女の子役でしたねぇ。

それを言うと、他の 3 人の少年・少女も、いや〜な男の子・女の子を上手く演じていました。逆にそれで主人公チャーリーが引き立つわけで、みんな演技が上手かったですね。

アンナソフィア・ロブとしての活躍度はほとんどなかったです。「ジャンパー」より長く出演していたのが良かったかな。

感想

まず物語が素晴らしい。原作は読んだことがないのですが、「チャーリーとチョコレート工場」というと、どこの図書館にも入っている有名な児童文学です。作者はロアルド・ダール。

監督と音楽は、ティム・バートンとダニー・エルフマンのコンビ。この二人の作品では「シザーハンズ」や「バットマン ('89)」といったダーク・ファンタジーが有名です。そんな二人が子供向けの作品を作れるのでしょうか? 実はこのコンビ、クリフ・コロンバス (代表作「ホーム・アローン」「ハリー・ポッターと賢者の石」) に負けない位い子供向けの作品が得意。特にちょっと暗いけどミュージカル・テイストあふれた作品を作らせたらピカ一なんです。その代表作が「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」。今回の「チャーリーとチョコレート工場」も彼らの良の面が前面に出て来た素晴らしい作品に仕上がっています。音楽も良いので、サントラを買おうか思案中。

さて、この映画のもう一人の看板である「ウィリー・ウォルカ」氏についても一言。広い工場の中、人付き合いを断ち、新作のチョコレートを作り続ける人。いわゆる変人。こういう役をやらせると、抜群に上手いのがジム・キャリーなんですよね。と思って途中まで観ていたんですが、どうも顔が違う。調べてみたら違いました。ウォルカ役はジョニー・デップでした。あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」でキャプテン・ジャック・スパロー役をやった人ですね。そういえば、この映画はティム・バートンとジョニー・デップが組んだことが話題になった映画でした。すっかり忘れてた。で、流石ジョニー・デップ。性格俳優ですね。挙動不審なウォルカ役が見事にハマっていました。

最後にウィリー・ウォルカ氏の父親役。なんと、クリストファー・リー様です。ロード・オブ・ザ・リングのサルマン! スター・ウォーズのドゥークー伯爵! 古くは元祖ドラキュラ伯爵!! ウィリー少年のトラウマの原因になった人物。いやぁ、こんな人が歯医者で父親で厳しく躾をしたら、トラウマにもなりますよ。というか、ウィリー少年と対話するリー様の声にシビレてしまいます。本当、いい声しているなぁ。

そんなわけで、もう配役も音楽も演出もバッチリで素晴らしい児童文学の映画化に成功した作品として楽しめました :)

2010-12-02

SAW 6

「SAW 6」を見ました。

流石に「SAW」一作目の衝撃は、シリーズ 6 作目ともなるとありませんね。むしろ、SAW 一作目が異作だったのかもしれません。残りのシリーズは、ZIGSAW が残した謎を追い、ZIGSAW の心の闇を追いかけるサスペンスに終止しているように思います。そう考えると、今回の SAW 6 も面白かったです。

ZIGSAW という主人公をシリーズ 3 作目で失ってなお、謎とドラマを追い続ける「SAW」シリーズは異色なサスペンス映画ですね。

現在、SAW the Final が公開中ということですが、この手の恐いサスペンス物 (ホラー物?) は大画面・大音響で見たくない派なので、DVD 化されるのを待ちます :p

ソウ6 アンレイテッド・エディション [Blu-ray]

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角川映画 2010-03-19
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なお & トラさん邸オーディオ・オフ会 (第 2 回) でかけた CD について

2010 年 11 月 17 日、なお&トラさん邸に再びお邪魔しました。初めてなお&トラさん宅でオーディオ・オフ会を開いたのが 11 月 7 日なので、10 日ぶりの再訪問となります。

前回は、LP 中心で音楽を聞いたのですが、今回は CD も聞けるよう調節しておくよ、とのこと。喜んで数枚の CD を持参しました。とはいえ、前回のオフ会でなお&トラさん邸では LP プレーヤーの方が CD プレーヤーより数段上の音が鳴ることを知っていたので迂闊な CD は持っていけません。折角の機会なのですから、自分も楽しめ、かつ相手も LP では楽しめないような CD を持っていこうと思いました。

つまり、最近の録音で LP が出ていないとか、LP は存在するけど買おうとするとバカ高い値段になってしまうような物を選んで持っていきました。幸い、持っていった CD に興味を持って下さったらしく、写真なぞを撮っていたので、拙い知識ではありますが簡単に CD の説明をしようと思います。

なお&トラさん邸でかけた CD は以下の 6 枚です。

なお&トラさん邸で聞いた CD

Music From The Films Of Audrey Hepburn

オードリー・ヘップバーンが出演した映画のメインテーマを集めた CD です。このアルバムからは、最後の曲「Moon River」を聞きました。このムーン・リバーは映画の中でオードリー・ヘップバーン自身が歌ったもので、オリジナルのサントラには収録されていません。1993 年になって初めて、この CD で世に出たものです。なので、LP でこのバージョンのムーン・リバーを聞いた人も居ないのではないでしょうか。

詳しいことは過去エントリーに書いてあるので、興味があればお読み下さい。

Music From The Films Of Audrey Hepburn
Music From The Films Of Audrey Hepburn

ロミオとジュリエット (サントラ)

有名な「ロミオとジュリエット」のサントラです。2 曲目の「Romeo's Foreboding And The Feast At The House Of Capulet」を聞きました。ロミオが宿敵カプレット家の仮面パーティーにこっそりと忍び込んだら、ジュリエットに初めて出会い二人が恋に落ちてしまうシーンです。

二人が出会う前後、吟遊詩人によって歌われるのが「What is a Youth」。俗に言う、ニーノ・ロータの「ロミオとジュリエットのテーマ」です。この曲には多くのカバーがありますが、多くが「What is a Youth」のオリジナル・メロディーをカバーしたものではありません。ある程度年配の方なら、このテーマ曲をご存じでしょうけど、オリジナル・メロディーは違うんだよ! と聞かせたくて持っていきました。

Romeo & Juliet
Nino Rota
Romeo & Juliet
曲名リスト
1. Prologue (Prince)
2. Romeo's Foreboding And The Feast At The House Of Capulet
3. The Balcony Scene
4. Romeo & Juliet Are Wed
5. The Death Of Mercutio And Tybalt
6. Farewell Love Scene (Juliet's Bedchamber)
7. The Likeness Of Death
8. In Capulet's Tomb (Death Of Romeo & Juliet)
9. All Are Punished

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The Rose

手嶌葵による映画音楽のカバー・アルバムです。7 曲目の「What is a Youth」を聞きました。手嶌葵と言われてハテナと思う方も多いと思いますが、あのジブリ映画「ゲド戦記」で「テルーの唄」を歌った歌手さんです。

サントラ盤と手嶌葵カバー盤の「What is a Youth」聞き比べになりました。実は、私はこのアルバム「The Rose」で「What is a Youth」を初めて聞き、今まで聞いてきた「ロミオとジュリエットのテーマ」とは違うメロディーが入ったことに驚いたのです。そしてサントラ盤を買い、映画を見たのでした。

サントラ盤は Glen Weston という人が歌っていて、何とも吟遊詩人らしい素晴らしい演奏です。それが良い。ですが、サントラ盤はロミオがパーティーに忍び込むシーンから初まって、人の喧騒、etc. のあと数分してからようやく曲が始まります。待ち時間が長くてしょうがありません。

一方、手嶌葵盤はこの「The Rose」で最高の歌唱であると同時に、オリジナルのメロディーを崩さず、大満足な仕上がりです。サントラ盤と比べると、ちょっとポップな感じでしょうか。時間がない時とかによく手嶌葵盤を聞きます。

流石に「The Rose」の LP 盤はないでしょう。サントラ盤の LP は見つかるかもしれませんが、この聞き比べがしたかったので (ちょっと自分のルールを破って) 持っていきました。

The Rose~I Love Cinemas~
手嶌葵
The Rose~I Love Cinemas~
曲名リスト
1. The Rose(1979/米 映画「ローズ」より)
2. Moon River(1961/米 映画「ティファニーで朝食を」より)
3. Calling you(1987/西独 映画「バグダッド・カフェ」より)
4. Raindrops Keep Falling On My Head(1969/米 映画「明日に向って撃て!」より)
5. Over the rainbow(1939/米 映画「オズの魔法使」より)
6. Beauty And The Beast(1991/米 映画「美女と野獣」より)
7. What Is A Youth?(1968/英・伊 映画「ロミオとジュリエット」より)
8. Alfie(1966/英 映画「アルフィー」より)
9. The Rose(extra ver.)

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モーツァルトのレクイエム (Christoph Spering)

この CD の面白いところは、二種類のレクイエムを収録しているところです。モーツァルトのレクイエムは未完に終わり、第子のジュスマイヤーが補完したことは良く知られていますが、本 CD はジュスマイヤー補完版 (一般のモーツァルトのレクイエム) と、ジュスマイヤーが補完する前のモーツァルト自身の筆によるレクイエムが収録されています。

これも流石に LP は出ていないでしょう。

聞いたのは、モーツァルト自筆版のラクリモーサとアーメン・フーガです。モーツァルトがラクリモーサの途中で絶筆となったことは有名です。井上太郎の「わが友モーツァルト」(p.76) から二行引用しましょう:

八小節目でペンは永遠に止まる。

低音部旋律は奇しくも、彼が晩年に傾倒したバッハの名を音で描いていた。

ジュスマイヤー版を聞いていると、八小節目がどこなのか分かりません (楽譜でも読めないとね)。しかし、Spering 版では音楽が唐突に止まるのです。闇の中に消えて行くような、深淵を覗くような虚無感。これを聞いてもらいました。

もう一つ。アーメン・フーガは 1961 年に発見されたもので、ラクリモーサの最後にモーツァルトが付け加えるはずだったもの、と言われています。たった 16 小節しかありませんが、至極の美しさなので一緒に聞いてもらいました。この曲も、フーガとして未完。曲が途中で終わった時の悲しさは、比類がありません。

Requiem (Sussmayr & Orig Unfinished Version)
Wolfgang Amadeus Mozart
Requiem (Sussmayr & Orig Unfinished Version)
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Eterna Collection

ギュンター・ラミン (Günter Ramin) のバッハ・ボックスです。カンタータで 9 枚、ヨハネ受難曲で 2 枚、オルガン演奏で 1 枚、計 12 CD から成ります。3 枚目の 1 つ目のカンタータ「すべてはただ神の御心のままに (Alles nur nach Gottes Willen, BWV.72)」の第一曲から第三曲までを聞きました。

セント・トーマス教会はバッハがカントール (音楽監督?) を務めた教会です。ラミンはバッハから数えて 12 代目のカントールになります。正にバッハの正統ですね。ラミンの第子には、同じくバッハ演奏で有名なカール・リヒター、ヘルムート・ヴァルヒャなどがいます。

さて、この三曲目が凄い。第二曲の静かなアリオーソから動のアリアへ! 曲の構成はアルト (ボーイ・ソプラノ!) とヴァイオリンが交互に歌い、クライマックスに二つの旋律が一緒に奏でられ二声の対位法になるというもの。ところが、このヴァイオリン部分。なんと 2 丁のヴァイオリンと通奏低音による 3 声のカノン (もしかしてフーガ?) になっているのです。つまりクライマックスは、アルトとヴァイオリンの二声の対位法に更に 3 声のカノンが含まれるという構成。もう、バッハの凄まじさに圧倒されるばかりです。

Cantatas Passion Organ Works
Johann Sebastian Bach

B0007OP694
Berlin Classics 2008-10-25
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現在、Amazon では在庫切れ。HMV では取り寄せできるようです。

The Art of Youra Guller

最後の一枚は幻のピアニスト、ヨウラ・ギュラー (Youra Guller) のアルバム。曲はバッハの「幻想曲とフーガ BWV.542」です。

私がこの CD を手に入れた頃、ヨウラ・ギュラーの CD はたった 2 枚しか存在しない。しかも、全て廃盤という状況でした。もう本当に幻のピアニストでした。最近は、放送録音などが発掘され、複数の CD が発売されるようになりました。ファンとしては嬉しい限りです。LP で買うと、きっと高いんでしょうねぇ。

バッハの「幻想曲とフーガ BWV.542」は本来オルガンの曲ですが、ギュラーはリスト編曲のピアノ版を弾いています。その演奏の素晴らしいこと!! リストの人生はこの編曲をするためだけにあったのではないかと思うほどです (言い過ぎ :p)。ギュラーのピアノはフーガに入ってから、更に輝きを増します。

Art of Youra Guller (Prelude & Fugue/Ballade 4)
Claude-Béninge Balbastre

B0000037BU
Nimbus Records 1992-12-02
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あとがき

今回紹介した CD は全部お気に入りの CD です。オードリー・ヘップバーンのムーン・リバー以外エントリーにしていませんが、いずれ単独のエントリーで一曲ずつ紹介したいと思っています。

追記 (2011-07-02)

本エントリーで紹介した CD の単独エントリーを書きました。気になる CD がありましたら、どうぞお読み下さい。