Music From The Films Of Audrey Hepburn
映画「ティファニーで朝食を」でかかった名曲「ムーン・リバー (Moon River)」。映画の中でオードリー・ヘップバーンが吹き替えなしで歌っているのですが、その事実を知っている人は意外に少ないようです。おそらく、「ティファニーで朝食を」のサウンド・トラック盤にヘップバーンが歌ったバージョンが収録されなかったためでしょう。そのため、ムーン・リバーといえばアンディ・ウィリアムスというイメージが強くなってしまいました。
結局、ヘップバーン自身の歌声を CD で聞くには 1993 年の「Misic From The Films Of Audrey Hepburn」が発売されるまで待たなくてはなりませんでした。この CD は 2004 年に再販されていますが、Amazon の在庫は既になく、Amazon のマーケット・プレイスを通じて海外から輸入するしか入手する方法がありません。
このアルバムは、ヘップバーンが出演した映画のサントラを集めたものです。そして最後に一曲。「ティファニーで朝食を」からヘップバーン自身が歌った「ムーン・リバー」が収録されています。正直、このアルバムは「ムーン・リバー」を聴くために買って良いと思っています。他の曲は (当然名曲揃いですが) 普通のサントラで聞くことができますからね。しかし、「ムーン・リバー」は別です。この CD でしか聞けないのです。そしてこれがまた良いのです。
映画を見直して頂ければ分かると思いますが、ヘップバーンの歌う「ムーン・リバー」は素気なく、声も美声というわけではありません。しかし、その朴訥とした歌い方が何とも悲しみを誘います。上手に綺麗に歌いあげた「ムーン・リバー」よりも心に沁みるのです。「ムーン・リバー」という曲の良さを引き出して、歌手としての「味付け」をしていないのが良いのではないかと思います。
知人にヘップバーンの「ムーン・リバー」を聞かせたところ、歌が下手だというリアクションを返されました。確かにヘップバーンの歌い方は、アンディ・ウィリアムスやビリー・ホリデイほどに上手くはないでしょう。でも、この曲にそんな上手さが必要でしょうか? ギター一本で弾き語るように歌うヘップバーンは、「ムーン・リバー」の本当に美味しい所を引き出しているように思います。
蛇足
海外からこの CD を輸入して周りに自慢しようとしたのですが、ひょこっと入った中古 CD 屋で 2 枚も置いてあるのを見つけました。他の中古 CD 屋でも 1 枚見かけました。案外、中古盤で買えてしまうのかもしれません。もったいないことをすると思うと同時に、これでは自慢できないなぁと落ちこんでます。もしヘップバーンの「ムーン・リバー」に興味が湧きましたら、Amazon のマーケット・プレイスで買い物する前に、近所の中古 CD 屋さんを巡ってみると見つけることができるかもしれません。
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