2006-01-26

群青学舎 (入江亜季)

コミックビームという月刊マンガ雑誌があります。そちらで読切連作として発表されている「群青学舎」というマンガが面白い。作者は入江亜季。どれくらい面白いかというと、立ち読みをしてこれはブログに書かなければと思ったほどに面白い。

「群青学舎」は学舎 (まなびや) を軸に、毎号、設定を変える趣向です (というか、だそうです)。以前このブログで招介した「週刊 石川雅之」と同じタイプですが、更にテーマを学舎に絞った感じですね。2006 年 2 月号現在、4 つの作品が掲載されています。

私が読んだのは最新号 (2006/02) の「花と騎士」という作品です。時代背景は中世でしょうか。姫君を拐かそうとする他国の公爵というお話。十数ページしかないのに、非常によくプロットが練られています。話に無駄がないというか、読者に媚びを売らないというか。ちょっと説明不足な感もあって、読み返してしまうのですが、その度に新しい発見を見つけてしまい、緻密な計算の元にストーリーが組み立てられているのに気づかされます。

最初、はてな? と思う作品で、読者に読み返したいと思わせる。そういう短編は、作品に力があってのことなのだと思います。

これ程読み返した作品は、「週刊 石川雅之」の「彼女の告白」以来です (分かる人には分かる!)。

萩尾望都に似た絵柄なのも、私の心をくすぐるのかも。

単行本が出たら、買いの一冊。皆さんも、コミックビーム、手に取ってみて下さい!

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2006-01-21

超人ロック ネットへ...

あの「超人ロック」が、ネットで連載を始めるそうです。

「超人ロック」と言えば、日本が誇る超能力 SF マンガの傑作です。最初の作品が書かれたのが 1967 年 (ゴルゴ 13 の連載開始は 1968 年)。「ニンバスと負の宇宙」という題名で、作者の聖悠紀氏は 17 歳だったと聞きます。無論デビュー前で、今で言う同人誌 (当時は肉筆回覧誌と呼んだそうです) として書かれましたが、当時、印刷機に手が出せるはずもなく、作者が筆を入れた生原稿をヒモで綴じ、回し読みをしていたそうです (ビブロス文庫の後書きで、デビュー前の萩尾望都が「ニンバス」を読むために大阪まで行った様子を書いていますね)。

扉絵に「SF ファンと そうでない人に」と書かれて始まった「超人ロック」の歴史は、掲載誌を変えながら 30 年以上の歳月を数え、ついにウェブ媒体で結実するようです。

そう、超人ロックは掲載誌をよく変えました。渡り歩いた雑誌のうち、「月刊 OUT」「ランデヴー」「少年 キング」「コミックバーガー」「MEGU」は姿を消し、健在なのは「MAGAZINE ZERO」と「YOUNG KING OURS」のみ。雑誌形態コミックス「超人ロック Special」が最後の砦となるかと思いましたが、ついに休刊。

超人ロック最大の超能力は、掲載雑誌を休刊に追いこむことだ という陰口もあります。思い返せば、「YOUNG KING OURS」に連載が決定した時、私の知らせに友人の返事は

ああ、アワーズも、また...

でありました。

超人ロックがネットの世界に降り立つ 2006 年。どんな事態が引き起こされるでしょうか。ちょっとドキドキです。最後に、超人ロックからライガー教授の言を引用してエントリーを閉じさせて頂きます。

宇宙を救うには、こうするしかなかった。

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