手嶌葵さんは、映画「ゲド戦記」で「テルーの唄」を歌った歌手さんです。手嶌さんはアルバム「The Rose 〜 I Love Cinemas 〜」で、好きな映画曲のカバーをしています。
The Rose~I Love Cinemas~
手嶌葵
曲名リスト
1. The Rose(1979/米 映画「ローズ」より)
2. Moon River(1961/米 映画「ティファニーで朝食を」より)
3. Calling you(1987/西独 映画「バグダッド・カフェ」より)
4. Raindrops Keep Falling On My Head(1969/米 映画「明日に向って撃て!」より)
5. Over the rainbow(1939/米 映画「オズの魔法使」より)
6. Beauty And The Beast(1991/米 映画「美女と野獣」より)
7. What Is A Youth?(1968/英・伊 映画「ロミオとジュリエット」より)
8. Alfie(1966/英 映画「アルフィー」より)
9. The Rose(extra ver.)
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手嶌さんは、ハスキー・ヴォイスでしっとりと歌い上げるタイプ。声がかすれ気味なのが、何ともたまりません。
最初の「ローズ」のピアノの入りからゾクッとします。手嶌さんは歌唱力があるので、ピアノ一つでも十分音楽を楽しむことができます。特に「ローズ」への思い入れは強いらしく、(私は初めて聞いたのですが) とても印象に残りました。
二曲目の「ムーン・リバー」、五曲目の「オーバー・ザ・レインボー」は定番中の定番。対抗馬が沢山あるので、手嶌さんの歌唱をベストと呼ぶのはためらいが... 私の思い入れを言えば「ムーン・リバー」はオードリー・ヘップバーンの歌唱が、「オーバー・ザ・レインボー」はジュディ・ガーランドの歌唱が一番好きですかねぇ。
さて本題。本アルバムの目玉について。目玉は 2 つ。
一つ目は「美女と野獣」から「Beauty And The Beast」。まるで妖精の世界から流れ出たような、小音量で歌われて。私は耳をそばだてながら聞いてしまいます。その美しいこと。映画版のしっかりした歌唱はディズニーの「美女と野獣」でしたが、手嶌さんの場合、ジャン・コクトーの原作の世界に迷い込んだ錯覚を覚えます。
二つ目は「ロミオとジュリエット」から「What Is A Youth?」。いわゆるニーノ・ロータの「ロミオとジュリエット」のテーマ曲と呼ばれるものです。映画を見ていない方のために書きますが、この曲はロミオとジュリエットが初めて出会う時に吟遊詩人によって歌われます。そして、映画の中で、編曲されて何度も繰り返して演奏されます (See also ロミオとジュリエット (1968 年版; サントラ) を聞く)。皆さんが知っている「ロミオとジュリエット」のテーマは実は編曲されたものが多く、ジョシュ・グローバンもアルバム「アウェイク」にこの曲を入れていますが、編曲版を採用しています。
ところが、手嶌さんはオリジナル (吟遊詩人が歌ったバージョン) を歌っています。吟遊詩人の張りがあってビブラートのかかった歌唱も、それはそれは素晴らしいものです。一方、手嶌さんは一つ一つの言葉を噛みしめるように、哀愁をこめて歌い上げます。もう、どちらが良いかなど問うのが難しいほど、オリジナルも手嶌さんも素晴らしい!
もしアルバムを手に取る機会があったら、是非聞いてみて下さい。映画好きなら、きっと満足頂けるはずです。
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