「魔女の宅急便」シリーズの 3 作目です。13 歳で魔女として一人立ちしたキキも、コリコの町に来て 4 年目。16 歳になりました。前作で母親のコキリさんから教わった「くしゃみの薬」もコリコの町でなくてはならない存在になりました。
魔女の宅急便〈その3〉キキともうひとりの魔女 (福音館文庫)角野 栄子 佐竹 美保
福音館書店 2006-10-20
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今回のキキは、12 歳の少女ケケの存在によってかき回されます。彼女は自分を魔女だと言い、コリコの町に、キキの生活に入ってきます。次第にキキは、魔女としてのアイデンティティー、ジジともケンカして、とんぼさんとの仲も上手く行かず、コリコの町での居場所もなくなっていく様に感じます。
タカミ カラさん
三作目でお気に入りのエピソードは「3 タカミ カラさん」です。まだケケの存在が前面に出ていない初めの頃のエピソードです。
歌手のタカミ カラさんはスランプで太ってしまい、もう歌手をやめようと考えていました。しかし、キキは、そんなカラさんの歌が好きでした。コリコの町にやって来た時、ラジオからかかって来た曲もタカミ カラさんの歌だったのです。そんなカラさんに元気になってもらおうと、カラさんをある杉並気に連れて行きます。そこで歌うと、なんだか気持ちが落ち着くからです。カラさんは杉並気で歌って、調子を取り戻した様でした。「宅急便」のお仕事ではないけれど、「魔女」のお仕事をした心に優しいエピソードで好きです。
あとがき
今作は、ケケというライバルを登場させたためか、少し消化不良な感じがありました。特に父親に関するエピソードや、ケケの「魔法」? などなど伏線を回収しきれなかった様に思います。う〜ん、謎を謎のまま残していくのが魔女流なのかもしれません。
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