ベル☆スター強盗団は、南北戦争直後の時代を描いたガンマン・マンガです。
あらすじ
主人公マイラ・ベル・シャーリーは、幼い頃 (5・6 歳?) に南軍ゲリラへ参加。小さな戦果を挙げるものの、以来銃は握らなくなってしまいます。しかし、噂は噂を呼び、気がつけば無法者マイラ・ベルが誕生。悪運は重なり、仕事をもらいに行った先で強盗団とハチ合わせ。担当のカーボ連邦保安官補に強盗団の一味と間違われ、賞金首になってしまいます。そこで逃げこんだ先が、サム・スター一家。
サム・スターはチェロキー (インディアン) とのハーフで、町でははじき者。そして、鉄道会社の罠にかかって 77 万ドルと 13 セントの借金を背負わされています。マイラ・ベルはサム・スターと恋に落ち、ベル・スターに。そして、77 万ドルの借金を返すため、80 万ドルの金を運ぶという列車強盗を計画します。
これがベル☆スター強盗団のあらすじです。このシンプルな西部劇に、サム・スターの二人の妹たち、怪しいの銀行家ティモンズ、南軍ゲリラ時代に因縁のあるガランド少佐、謎のガンマン・マクベイン、そしてベル・スターを追うカーボ。こういった面々のエピソードが絡まり合って極上のエンターテイメント作品に仕上がっています。
ベル☆スタア強盗団 3 (ジェッツコミックス)
白泉社 2008-08-29
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ガンマン・マンガのはしり?
ところで、ガンマンのマンガって少ないと思いませんか? 主人公が剣士や忍者やエスパーといったマンガは多いですが、「ガンマン」というのは少ないと思います。
これは勝手な想像なのですが、弾丸というのは一直線に飛んで行く上、スピードが早いので、マンガでガンマンの対決を表現するのは難しいのではないかと。「対決」シーンがなければ、マンガの醍醐味が薄れます。それが「ガンマン」を主人公にしたマンガが少なかった理由だと思うのです。
そして、ベル☆スター強盗団はこの不利な条件で、おそらく最初に「ガンマン」を主人公に描いたマンガだったと思います。
成功のカギは、魅力的なキャラクター。後半へと盛り上がるプロット。嵐のように飛び交う弾丸。そして対決シーンを主眼に置くのではなく、対決シーンへ直前のヒリヒリした緊張感をマンガのクライマックスに持って来ているところ。でしょうか。
ベル☆スター強盗団が終了したのは、1998 年。
このマンガがあったからこそ、「ブラックラグーン」(広江礼威)、「ヨルムンガンド」(高橋慶太郎)、「PEACE MAKER」(皆川亮二) といったガンマン・マンガが後続として始まったと思うのは、私の思い上がりかもしれません。
本当のマイラ・ベル・シャーリー
多くの西部劇と同じように、このマンガも多くの脚色が入っています。マイラ・ベル・シャーリーやサム・スターは実在の人物で、彼らが結婚したのも事実です。しかし、このマンガが描くほどハデに列車強盗をしたことはなかったでしょう。
ベル☆スター強盗団に興味を持ったなら、本当のマイラ・ベル・シャーリーを追ってみるのも面白いかもしれません。
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