2009-11-24

サウンド・オブ・ミュージック 35 周年記念盤と 40 周年記念盤

先日、映画「サウンド・オブ・ミュージック (The Sound of Music)」の 50 周年記念サントラ盤が予約開始になっているとのエントリーを書きました。実は間違いで、ブロードウェイ・キャスト版の 50 周年記念盤でした

ファンの方は、我先に買いたいと思われることでしょう。しかし、ちょっと待って下さい。

実は、サウンド・オブ・ミュージックのサントラで記念盤が出るのは初めてのことではありません。私が持っているだけで、35 周年記念盤と 40 周年記念盤があります (以降 35 周年盤・40 周年盤と表記)。何が困るといって、35 周年盤には収録されているのに、40 周年盤に収録されていない曲。逆に 40 周年盤に収録されているのに 35 周年盤に収録されていない曲があることです。また、記念盤によっても特徴が違います。

本エントリーでは、(まだ内容を確認できていない) 50 周年記念盤は置いておいて、35・40 周年記念盤の特徴について紹介しましょう。

35 周年記念盤

The Sound of Music
35th Anniversary Soundtrack
The Sound of Music
曲名リスト
1. Prelude/The Sound of Music
2. Overture/Preludium (Dixet Dominus)
3. Morning Hymn/Alleluia
4. Maria
5. I Have Confidence
6. Sixteen Going on Seventeen
7. My Favorite Things
8. Do-Re-Mi
9. Sound of Music
10. Lonely Goatherd
11. So Long, Farewell
12. Climb Ev'ry Mountain
13. Something Good
14. Processional/Maria
15. Edelweiss
16. Climb Ev'ry Mountain (Reprise)

1. Prelude/The Sound of Music [Contains some music not used in orig. sound
2. I Have Confidence
3. Sixteen Going on Seventeen [Contains some music not used in orig. sound
4. My Favorite Things [Contains some music not used in orig. soundtrack]
5. Edelweiss [Not on Original Soundtrack Album]
6. Grand Waltz [Not on Original Soundtrack Album]
7. Laendler [Not on Original Soundtrack Album]
8. Processional Waltz [Not on Original Soundtrack Album]
9. Climb Ev'ry Mountain [Contains some music not used in orig. soundtrack]
10. Something Good [Contains Some Music Not Used in Original Soundtrac]
11. Sixteen Going on Seventeen (Reprise) [Includes Additional Verse ...]
12. Edelweiss (Reprise) [Contains Some Music Not Used in Original ...]
13. Chase [Not on Original Soundtrack Album]
14. Escape/Climb Ev'ry Mountain (Reprise)/Finale [Contains Some Music ...]
15. Richard Rodgers Speaks

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35 周年盤は 2 枚組でリリースされました。一枚目は、一般にリリースされている普通のサントラ盤です。16 曲収録しているバージョンですね。これはオリジナル盤と呼びましょう。二枚目は特典盤です。

35 周年盤の目玉は、何と言ってもこの特典盤です。この特典盤には、オリジナル盤には収録されていなかったフル・バージョンの楽曲が収録されています。

例えば、1 曲目に収録されているプレリュード。オリジナル盤を何度も聴いている方なら、映画を見た時に妙に思うはずです。音楽がそろそろ盛り上がると思っている所で盛り上がりません。何故? オリジナル盤は、映画本編よりも曲を短く編集しているのです。だから、サントラばかり聞いている耳には映画版が長く感じるのですね。というか、実際に長いんです。特典盤には、編集されていないオリジナルのプレリュードが収録されています。時間を比べてみましょう。オリジナル盤 2 分 44 秒に対して、特典盤 3 分 28 秒です。

3 曲目。有名な「Sixteen Going On Seventeen」。ロルフとリーズルが歌う曲ですが、途中、二人が踊り出しますよね? その間、「Sixteen Going On Seventeen」の曲は BGM へと形を変えます。オリジナル盤では、この踊っている間の曲がバッサリとなくなっています。従って、フル・バージョンはこの特典盤でしか聞けません。

もう一つ行きましょう。4 曲目の「My Favorite Things」。マリアが最初に歌ってあげているのは女の子達です。途中、男の子達が乱入します。そして、着がえたリーズルも加わります。このタイミングがオリジナル盤では少し編集されています。また、曲の後半はピアノから始まるオーケストラ・パートになったのを覚えているでしょうか? これらもオリジナル盤では削除された部分です。

特典盤はオリジナル盤の修正 (?) ばかりではありません。オリジナル盤では収録されなかった曲も入っています。皆さんご存じの「エーデルワイス」。オリジナル盤では、音楽祭で歌ったバージョンしか収録されていません。詰まったトラップ大佐に寄りそうようにマリアが、そして子供達が歌い、会場中が合唱する感動的なシーンですよね。でも、「エーデルワイス」は映画の中で 2 回歌われました。子供達に請われてトラップ大佐が歌い始め、リーズルが加わり二人輪唱っぽくなるとても家庭的なエーデルワイスです。こちらの「エーデルワイス」はオリジナル盤では収録されていませんでした。この「エーデルワイス」が聞けるのも、特典盤だけです。

つまり、特典盤に入っているのは、映画バージョンそのままに戻したバージョンの楽曲と、オリジナル盤に収録されていなかった曲がメインになります。

最後に一曲。「Sixteen Going On Seventeen」の二回目の曲 (これもオリジナル盤に収録されていません)。こちらには、「映画ですら使われなかった幻のバース (導入詩)」が収録されています。正確には、「映画で使おうと録音までしたけど、結局、映画ではカットしてしまった」幻のバースが聞ける。というところでしょうか。

35 周年盤の特典盤には、マニア垂涎のサントラ楽曲が満載です。

40 周年記念盤

The Sound of Music [Original Motion Picture Soundtrack] [40th Anniversary Special Edition]
Richard Rodgers
The Sound of Music [Original Motion Picture Soundtrack] [40th Anniversary Special Edition]
曲名リスト
1. Prelude and the Sound of Music
2. Overture and Preludium (Dixit Dominus)
3. Morning Hymn/Alleluia
4. Maria
5. I Have Confidence
6. Sixteen Going on Seventeen
7. My Favorite Things
8. Do-Re-Mi
9. Sound of Music
10. Lonely Goatherd
11. Edelweiss
12. Laendler
13. So Long, Farewell
14. Entr'acte [#]
15. Climb Ev'ry Mountain
16. My Favorite Things (Reprise) [#]
17. Something Good
18. Processional and Maria (The Wedding)
19. Sixteen Going on Seventeen (Reprise)
20. Do-Re-Mi (Reprise) [#]
21. Edelweiss (Reprise)
22. So Long, Farewell (Reprise) [#]
23. Climb Ev'ry Mountain (Reprise)
24. Finale [#]
25. Robert Wise Interview [*]
26. Richard Rodgers Interview [*]
27. Charmian Carr Interview [*]

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40 周年盤。これは難しい。

ベースになっているのは、オリジナル盤です。つまり、プレリュードも編集版。「Sixteen Going On Seventeen」も「My Favorite Things」も、編集されたバージョンを使っています。

40 周年盤の特徴は、オリジナル盤をベースに、オリジナル盤に収録されなかった曲を追加していることです。追加された楽曲名を挙げましょう。「Edelweiss (一回目)」「Laendler」「Entr'acte」「My Favorite Things (二回目)」「Sixteen Going on Seventeen (二回目)」「Do-Re-Mi (二回目)」「So Long Farewell (二回目)」「Finale」。

このうち、「Edelweiss (一回目)」と「Laendler」、「Sixteen Going on Seventeen (二回目)」「Finale」は 35 周年盤で収録されていました。代わりに「The Grand Waltz」、「Processional Waltz」、「Chase」が抜けています。といっても、「The Grand Waltz」「Laendler」「Processional Waltz」「Entr'acte」「Finale」はオーケストラ曲なので、気にする必要はないでしょう。

目玉となるのは、「My Favorite Things (二回目)」「Do-Re-Mi (二回目)」「So Long Farewell (二回目)」の三曲です。これは 35 周年盤にも収録されていなかった曲たちです。特に「Do-Re-Mi (ド・レ・ミの唄)」の二回目! これはもう絶品で、何故、今までサントラ化されてなかったのかと小一時間... え〜と、この話は別のエントリーに譲りましょう。

まとめ

35 周年盤は、映画オリジナルに則した楽曲を収録するも、「完全盤」を目指すなら収録洩れがあるもったいない作品。

40 周年盤は、「歌曲」についてはほぼ全てを収録するも、オリジナル・サントラ盤をベースにしている (映画版のオリジナル楽曲が聞けない) もったいない作品。

結局、二つ買うしかないのですね。

というわけで、50 周年記念盤のエントリーに続きます。

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