童夢 (大友克洋) 貸したお返しに、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」を借りることができました。手塚マンガの有名どころ (アトム、ブラック・ジャック、火の鳥、三つ目がとおる etc...) は押さえていたのですが、「アドルフに告ぐ」は未読です。
しかし、読みだしたら、やはり面白い手塚マンガ。一晩で全 5 巻を読み終わりました。
冒頭、男が墓の前に立ち、「三人のアドルフに関わる物語を語ろう。私はこの物語の狂言廻しである」と述べます。最初は、「おや、アドルフ・ヒトラーは実は三つ子だったという設定なのかな」なんて思いましたが、大間違い。ナチスのアドルフ・ヒトラー、ドイツ人と日本人のハーフのアドルフ・カウフマン、そしてユダヤ人で日本に住むアドルフ・カミル。この三人の物語でした。もちろん、ナチスのユダヤ人狩りを軸に三人の運命が交差するわけです。
お話の筋書きや資料は、Wikipedia をどうぞ。
「アドルフに告ぐ」は「週刊文春」に連載されていたとのこと。短編作品などに見られる手塚のシリアスな展開、戦争への非判を混ぜ合わせつつ、テンポよく物語が進んでいきます。少年マンガという縛りがないのが、良い方向に働いていそうです。それから、手塚マンガの二大悪役、アセチレン・ランプとハム・エッグが大活躍なのも嬉しかったですね。あと、ひょうたんつぎをほとんど見かけなかったのが残念かな。
アドルフに告ぐ (1)
手塚 治虫
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