2010-12-09

「Space Battleship ヤマト」を観てきました (ネタバレあり)

SPACE BATTLESHIP ヤマトを観てきました。タイトルにも書いた通り、ネタバレありで感想を書いて行きます。まだ観ていない方でネタバレ NG な方は、先には進まないで下さい。

総評

最近公開された「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」に比べるとマシでしたが、「日本人が初めて世界に挑む SF エンターテイメント」という謡い文句には到底達していない出来でした。

最も評価したいのは音楽。TV 版オリジナルの楽曲をオーケストラ仕立てに仕上げて、とても迫力のある音響になっています。TV 版の「歌」が一切用いられなかったのも良ポイントです。全盛期を過ぎた佐々木功に歌ってもらうのは荷が重いでしょうし (TV 版の佐々木功の歌声にはすごく張りがあって素晴らしい!!)、他の歌手がカバーしたら雰囲気が崩れてしまっていたでしょう。あえて「歌」の再録音もカバーも新楽曲も入れなかった判断には喝采を送りたいです (エンディング・テーマは劇中の曲じゃないので別に考えるとしてね)。

脚本・演出については不満が残ります。主な不満点は三つ。TV 版ヤマトを知っていないと破綻しているストーリー。見せ場の見せ方の下手さ。「ヤマト」よりも人間ドラマを中心にした展開。三点目は後述します。

まず一点目の「破綻しているストーリー」について。一例を挙げるると、何故インスカンダルへ行くのか? TV 版ではスターシャからのメッセージがありますが、実写版には「座標とエンジンの設計図」しかありません。それでひょこひょこエンジンを作ったり、14 万 8 千光年もの旅をしようとする人類側の神経が理解できない。そして、メッセージの一つも添付しないイスカンダル側の意図も分かんない。イスカンダルは何がしたいのさ? 座標を渡せば来てくれるとでも思うの? あまりにも不親切。そんでガミラスとイスカンダルが同じエネルギー生命体という設定。無理ありすぎ。地球に遊星爆弾を送り込んで、放射能汚染する必要ないじゃない! 放射能なくても生きれるじゃない!! 人類を全滅させなくても、エネルギー生命体なんだから人類の体を乗っとれば済む話じゃない!! エネルギー生命体のくせに星の一か所に集まって、小さな爆弾一つでジェノサイド (種全滅) されかかるとか危機管理能力低すぎ。そして「我々は全にして個、個にして全」とか王蟲ですか!? そのくせ反乱分子 (イスカンダル) がいるとか全然「個にして全」じゃないじゃないの!? ここら辺は、もう TV 版ファン向けの「意外性」脚本になってるだけで、初めて観る人には混乱しまくりになっていそう。

二点目の「見せ場」について。正直、盛り上がり所が少ないです。TV 版では「とりあえず切り札に波動砲」という流れですが (それはそれで批判の対象になってますけど)、実写版では「まず波動砲」という節操のなさ。この節操のなさが、ストーリーの起伏を小さくして盛り上がらなくしてしまっています。それから、ガミラス星の対空施設破壊シーン。コスモゼロによる自由落下での先導と、続くブラックタイガー隊およびヤマト自身による攻撃が何と言っても見せ場の一つでした。特に地表に向かって戦闘機と宇宙戦艦が突っ込むわけですが、(戦闘機はいいとして) 戦艦はそのまま行けば地表に激突します。そこをヤマトはワープで回避する。手に汗握るシーンなはずですが、このシーンのテンポが早すぎます。手を握る前に次の展開に入られて、かなり肩透かし。こういう演出はスター・トレックを見做らって欲しいものです (スポックを襲うミサイルを、ワープ直後のエンタープライズ号が撃ちおとすシーンは正に見どころ!)。

最後に演技について。日常ドラマの演技を戦争映画に持ち込んだ異和感を持ちました。沖田艦長の演技は、とにかくモゴモゴしていて TV 版に見られる「歴戦の古参艦長」の貫禄がありません。佐度先生は従軍医としての緊張感がなく、まるで市民病院のお医者さんを乗せたよう。そう思うと、お酒ばっかり呑んでいたけれど、TV 版の佐度先生は何気に何事にも動じない軍医でした (誤診はしたけど :p)。森雪は生活班長兼レーダー担当から艦載機乗りに設定が変わっていましたが、感情を出し過ぎ。これは脚本も悪いのかな? 主人公の古代進は大根なので困ります。演技が良かったのは真田さん (柳葉敏郎) と島大介 (緒形直人) の二人だけかなぁ。特に柳葉さんの演技は TV 版の真田さんが乗り移ったかのような演技でしたが、TV 版おなじみの新兵器開発も頭のキレの良さも見せるシーンがなく残念。というか、真田さんを特攻部隊に入れて殺しちゃう脚本ダメでしょ。真田さんはそんなキャラじゃない。島さんに至っては、ほとんど見せ場がない。憐れ! 古代と島の配役、逆の方が良かったんじゃないかしらん。デスラーなんか (涙)。

ヤマトの面白さ

脚本における三点目、「ドラマ的展開」について詳述します。

そもそも、TV 版のヤマトは戦闘シーンを軸に人間ドラマを描いた作品でした。

まず、沖田艦長のカリスマ性。反射衛星砲の正体を握むため死んだフリしたり、太陽フレアを波動砲で撃ち抜いたり、あえて硫酸の海に潜って波動砲を撃ったりと見せ場が沢山でした。古代進はコスモタイガーに乗ってエース・パイロットぶりを発揮したり、艦長代理時代のドメル将軍との戦いは熱いものがありました。島大介はワープの時くらいしか出番がありませんでしたが、実直な仕事ぶりが良かったです。真田さんは、「こんなこともあろうかと」とか「あれは○○だ!」とかヤマト唯一の知恵袋振りを随所に見せてくれていました。

また、物語が進むにつれガミラス側のドラマが展開されたのも忘れてはなりません。デスラー総統発案の罠では、敗れたデスラーが素直に兜を脱ぐ姿が敵ながら見事でしたし、数度に渡るドメル将軍との死闘はヤマト側・ガミラス側相方にドラマを生み出しました。

戦闘シーンにおける知恵比べ、ディスカッションがキャラクターを立たせていたのですね。

ところが実写版では戦闘シーンがサラリと終わってしまうので、キャラクターが立ちません。脚本自体が艦内のドラマを主軸に、間に戦闘シーンを挟む形で構成されているのです。これは TV 版とは全く逆の構成です。更にガミラス側のドラマがないので、一人将棋の様に一方的なドラマ展開になっています。TV 版ファンからすると「ヤマト」なのに「ヤマト」らしくない映画になってしまいました。TV 版に無縁な人にとっては、ドラマと戦闘の配分は良いのかもしれませんが、ストーリー展開がムチャクチャなので混乱してしまうのではないでしょうか?

またガミラス星上陸後のシーンが長かったのも良くなかったと思います。そもそも、上陸するとヤマトの艦橋クルーの活躍がなくなるわけですから。ただでさえ影の薄い島さん、相原さん、南部さんの登場シーンが減りました。代わりに、加藤・山本・斉藤・アナライザーといった本来脇役中の脇役にスポットが当たるようになりました。「ヤマト」の映画としてはバランスが悪すぎませんかね? あと、上陸時の戦闘シーンが「マトリックス・レボリューション」に似ていて悲しかったです。

落ち穂拾い

  • 徳川機関長の「波動エンジン出力低下、なれど航行は可能なり」が聞けて良かった
  • 沖田艦長の「地球か・・・何もかもみな懐しい」がなくて残念この台詞はあったとのご指摘を受けました。情報ありがとうございます。
  • 波動エンジンを載せた「デスラー艦」が出なくて残念
  • 冥王星基地がなかったので、遊星爆弾はヤマトがガミラスに着くまで、地球に降りそそいでいたのでは?
  • 最大の武器「波動砲」の砲口を塞がれているのに、何も対処しない真田さん (涙)
  • 魚雷ミサイル、煙突ミサイル、ロケット・アンカーが使われず残念
  • 艦内で人工重力を発生させていたら「下」は常に一定なのに、通常重力下にある様な描写があって SF 的に残念
  • ミサイルまでの距離が 60 km とか聞こえたんだけど、聞き間違えだよね? 1 秒もしない内に当たっちゃうよ

楽曲は良かったので、サントラは買おうか悩み中。

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」ORIGINAL SOUNDTRACK
サントラ
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」ORIGINAL SOUNDTRACK
曲名リスト
1. SPACE BATTLESHIP ヤマト Opening Title
2. 薄汚れた男
3. 希望の船
4. 波動砲発射
5. ガミラス艦隊
6. 帰還
7. ガミラスロイド
8. 命令
9. 敵艦隊消滅
10. 一瞬の静寂
11. 慰め
12. 美しい青い星
13. 危機
14. 信念
15. 新たな歴史を
16. コスモゼロ発進
17. 放射能除去装置の真実
18. 託された未来
19. 地球
20. デスラーの報復
21. 守りたいもの
22. 最期の敬礼

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江東シティオーケストラ 第 33 回公演に行く予定

友達に誘われて、江東シティオーケストラの第 33 回公演に行くことになりました。

江東シティオーケストラは 20~30 歳中心の若い区民オーケストラ。団員構成は社会人が中心とのこと。嬉しいことに、全席自由で入場無料。気軽にクラシック音楽を楽しめそうです。

第 33 回公演の演目は以下の通り:

  • シューマン: 交響曲第 4 番
  • ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第 2 番
  • ヨハン・シュトラウス II 世: 「こうもり」序曲

指揮は新井義輝。ピアノ独奏は中桐望。

楽しみ。楽しみ。ラフマニノフのピアノ協奏曲はよく知っていますが、シューマンの交響曲第四番はあまり聞いたことがありません。う〜ん。シューマンの交響曲って苦手なんですよね。これを機会にちょっと予習がてら、聞いてみようと思います。

2010-12-07

DVD & BD for Les Misérables 25th Anniversary Concert

先日、ミュージカル「Les Misérables」の 25 周年記念コンサートが一週間限定で映画館公開されました。

映画が終わってから気付いた方、映画館に行ったけど (私のように) 不覚にも寝てしまった方 (泣)、行きたかったけどスケジュールの合わなかった方、そして、映画館で見たけどもう一度見たい方。朗報です。DVD 版と Blu-ray 版が Amazon.co.uk でリリースされています (日本・アメリカではまだリリースされていません)。

DVD 版が £12.93、BD 版が £15.93 です (送料別)。

注意事項

DVD 版で気を付けなければいけないのは、リージョン・コードとフォーマットです。リージョン・コードの違う DVD は再生することができません。日本のリージョン・コードは 2。アメリカは 1。そしてイギリスは 2。幸いなことに日本とイギリスのリージョン・コードは同じです。というわけで、Amazon.co.uk で DVD を買う限り、リージョン・コード問題は起きません (ホッ)。もう一つ、フォーマットの違いについて。日本は NTSC、欧州は PAL を採用しています。日本の DVD プレーヤーは一般に PAL に非対応なので再生することができません。ただし、PC の DVD プレーヤーは NTSC/PAL の両方に対応しています。なので、PC 経由での視聴であれば「可能」です。かなり厳しい制限ですが、見れるだけマシでしょうか。

BD 版にもリージョン・コードがあります。日本とアメリカのリージョン・コードは A。イギリスは B。従って、イギリス発売の BD はリージョン・コードが違うので再生できません。ただし、こちらの記事によるとリージョン・コードが B であっても日本で再生できることがあるらしいです。

私が調べた限りでは、少くともこの BD が日本で再生できるという情報は手に入りませんでした。誰か人柱になった人がいたら、コメント下さい。

一番良いのは、日本版 BD が早く発売されることですね。。。一体何時になるのかしらん?

2010-12-03

スキャットマン・ジョンを偲ぶ

スキャットマン・ジョン。本名ジョン・ポール・ラーキン (John Paul Larkin)。1995 年に「スキー・バ・ボッ・バ・ドッ・ボッ」というボイス・パーカッションとも取れる早口で歌った「Scatman」という曲で各国のチャート No.1 を飾った男。

彼は、たった二枚のアルバムを残して音楽シーンから姿を消してしまいました。何故、消えたのか?

スキャットマン・ジョンは 1942 年生まれ。小さい頃からいわゆる「どもり」症な人でした。しかし、その「どもり (吃音症)」を逆手に取ったスキャット唱法を開発。1995 年、52 歳にしてファースト・アルバム「スキャットマンズ・ワールド (Scatman's World)」をリリース。続く 1996 年、セカンド・アルバム「エヴリバディ・ジャム (Everybody Jam!)」を発表します。しかし、1998 年に喉頭癌を患い、1999 年 12 月 3 日、肺癌で世を去ります。

今日がスキャットマン・ジョンの命日であることを、HMV の Tweet で知りました。

今日はスキャットマン・ジョンの命日。彼は空前のヒットを飛ばす前アル・ジャロウやリッキー・リー・ジョーンズ等と競演したJAZZピアニストだったそうです。そんな姿も見てみたかった

Twitter / @HMVジャパン株式会社: 今日はスキャットマン・ジョンの命日。彼は空前のヒット ... より引用

そんな彼を偲んで、今、スキャットマン・ジョンの 2 枚のアルバムを取り出して聞いています。

蛇足

本エントリーを書くため Wikipedia を参照していたら、スキャットマン・ジョンは 1999 年に 3rd アルバムをリリースしていたみたいです。といっても、喉頭癌のためほとんどを女性ボーカルが歌ったようですが。

ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン
スキャットマン・ジョン
ベスト・オブ・スキャットマン・ジョン
曲名リスト
1. スキャットマン
2. スキャットマンズ・ワールド
3. オンリー・ユー
4. スキャットマンボ
5. ハーデスト・ワールド
6. スキャットミュージック
7. 1.2.3...GO
8. エヴリバディ・ジャム!
9. SU SU SU SUPER キ・レ・イ(RADIO EDIT)
10. プリプリ・スキャット(RADIO EDIT)
11. 気分はジャジー
12. レット・イット・ゴー
13. マンボ・ジャンボ
14. 恋のチッカディー・ソング(アルバム・ヴァージョン)
15. 君にUターン
16. メッセージ・トゥ・ユー
17. ビー・サムワン
18. テイク・ユア・タイム
19. ソング・オブ・スキャットランド
20. ラヴ・ミー・テンダー(L.A.UNPLUGGED MIX)

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スキャットマンズ・ワールド スキャットマンII

チャーリーとチョコレート工場 (Charlie and the Chocolate Factory)

チャーリーとチョコレート工場 [Blu-ray]

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ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21
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ウィッチマウンテン / 地図から消された山でサラ役を演じた女の子アンナソフィア・ロブ (AnnaSophia Robb) が美少女で演技が上手だったので、アンナソフィア・ロブ出演作品を借りています。本作「チャーリーとチョコレート工場」もその一作です。

あらすじ

世界最大手のチョコレート工場が閉鎖されて数十年。労働者は全員解雇されたはずなのに、営業は継続され、店にはチョコレートが並んでいる。そんな不思議なチョコレート工場の主ウィリー・ウォンカが、5 人の子供達を工場に招待するという。

選ばれた 5 人の少年・少女は

  • チョコレート大好きな少年
  • 大金持ちで何でも欲しがる少女
  • 強くて何でも一番になりたがる少女
  • 天才だけどチョコレート嫌いな少年
  • 主人公チャーリー

アンナソフィア・ロブ

今回のアンナソフィア・ロブは、「強くて何でも一番になりたがる少女」。ぶっちゃけ、主人公チャーリー以外、他人に心遣いできる子供が居ない設定です。なので、今回のアンナソフィア・ロブはぶっきらぼうで嫌味な少女の役を演じていました。演技が上手いせいか (?)、いや〜な女の子役でしたねぇ。

それを言うと、他の 3 人の少年・少女も、いや〜な男の子・女の子を上手く演じていました。逆にそれで主人公チャーリーが引き立つわけで、みんな演技が上手かったですね。

アンナソフィア・ロブとしての活躍度はほとんどなかったです。「ジャンパー」より長く出演していたのが良かったかな。

感想

まず物語が素晴らしい。原作は読んだことがないのですが、「チャーリーとチョコレート工場」というと、どこの図書館にも入っている有名な児童文学です。作者はロアルド・ダール。

監督と音楽は、ティム・バートンとダニー・エルフマンのコンビ。この二人の作品では「シザーハンズ」や「バットマン ('89)」といったダーク・ファンタジーが有名です。そんな二人が子供向けの作品を作れるのでしょうか? 実はこのコンビ、クリフ・コロンバス (代表作「ホーム・アローン」「ハリー・ポッターと賢者の石」) に負けない位い子供向けの作品が得意。特にちょっと暗いけどミュージカル・テイストあふれた作品を作らせたらピカ一なんです。その代表作が「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」。今回の「チャーリーとチョコレート工場」も彼らの良の面が前面に出て来た素晴らしい作品に仕上がっています。音楽も良いので、サントラを買おうか思案中。

さて、この映画のもう一人の看板である「ウィリー・ウォルカ」氏についても一言。広い工場の中、人付き合いを断ち、新作のチョコレートを作り続ける人。いわゆる変人。こういう役をやらせると、抜群に上手いのがジム・キャリーなんですよね。と思って途中まで観ていたんですが、どうも顔が違う。調べてみたら違いました。ウォルカ役はジョニー・デップでした。あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」でキャプテン・ジャック・スパロー役をやった人ですね。そういえば、この映画はティム・バートンとジョニー・デップが組んだことが話題になった映画でした。すっかり忘れてた。で、流石ジョニー・デップ。性格俳優ですね。挙動不審なウォルカ役が見事にハマっていました。

最後にウィリー・ウォルカ氏の父親役。なんと、クリストファー・リー様です。ロード・オブ・ザ・リングのサルマン! スター・ウォーズのドゥークー伯爵! 古くは元祖ドラキュラ伯爵!! ウィリー少年のトラウマの原因になった人物。いやぁ、こんな人が歯医者で父親で厳しく躾をしたら、トラウマにもなりますよ。というか、ウィリー少年と対話するリー様の声にシビレてしまいます。本当、いい声しているなぁ。

そんなわけで、もう配役も音楽も演出もバッチリで素晴らしい児童文学の映画化に成功した作品として楽しめました :)

2010-12-02

SAW 6

「SAW 6」を見ました。

流石に「SAW」一作目の衝撃は、シリーズ 6 作目ともなるとありませんね。むしろ、SAW 一作目が異作だったのかもしれません。残りのシリーズは、ZIGSAW が残した謎を追い、ZIGSAW の心の闇を追いかけるサスペンスに終止しているように思います。そう考えると、今回の SAW 6 も面白かったです。

ZIGSAW という主人公をシリーズ 3 作目で失ってなお、謎とドラマを追い続ける「SAW」シリーズは異色なサスペンス映画ですね。

現在、SAW the Final が公開中ということですが、この手の恐いサスペンス物 (ホラー物?) は大画面・大音響で見たくない派なので、DVD 化されるのを待ちます :p

ソウ6 アンレイテッド・エディション [Blu-ray]

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角川映画 2010-03-19
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なお & トラさん邸オーディオ・オフ会 (第 2 回) でかけた CD について

2010 年 11 月 17 日、なお&トラさん邸に再びお邪魔しました。初めてなお&トラさん宅でオーディオ・オフ会を開いたのが 11 月 7 日なので、10 日ぶりの再訪問となります。

前回は、LP 中心で音楽を聞いたのですが、今回は CD も聞けるよう調節しておくよ、とのこと。喜んで数枚の CD を持参しました。とはいえ、前回のオフ会でなお&トラさん邸では LP プレーヤーの方が CD プレーヤーより数段上の音が鳴ることを知っていたので迂闊な CD は持っていけません。折角の機会なのですから、自分も楽しめ、かつ相手も LP では楽しめないような CD を持っていこうと思いました。

つまり、最近の録音で LP が出ていないとか、LP は存在するけど買おうとするとバカ高い値段になってしまうような物を選んで持っていきました。幸い、持っていった CD に興味を持って下さったらしく、写真なぞを撮っていたので、拙い知識ではありますが簡単に CD の説明をしようと思います。

なお&トラさん邸でかけた CD は以下の 6 枚です。

なお&トラさん邸で聞いた CD

Music From The Films Of Audrey Hepburn

オードリー・ヘップバーンが出演した映画のメインテーマを集めた CD です。このアルバムからは、最後の曲「Moon River」を聞きました。このムーン・リバーは映画の中でオードリー・ヘップバーン自身が歌ったもので、オリジナルのサントラには収録されていません。1993 年になって初めて、この CD で世に出たものです。なので、LP でこのバージョンのムーン・リバーを聞いた人も居ないのではないでしょうか。

詳しいことは過去エントリーに書いてあるので、興味があればお読み下さい。

Music From The Films Of Audrey Hepburn
Music From The Films Of Audrey Hepburn

ロミオとジュリエット (サントラ)

有名な「ロミオとジュリエット」のサントラです。2 曲目の「Romeo's Foreboding And The Feast At The House Of Capulet」を聞きました。ロミオが宿敵カプレット家の仮面パーティーにこっそりと忍び込んだら、ジュリエットに初めて出会い二人が恋に落ちてしまうシーンです。

二人が出会う前後、吟遊詩人によって歌われるのが「What is a Youth」。俗に言う、ニーノ・ロータの「ロミオとジュリエットのテーマ」です。この曲には多くのカバーがありますが、多くが「What is a Youth」のオリジナル・メロディーをカバーしたものではありません。ある程度年配の方なら、このテーマ曲をご存じでしょうけど、オリジナル・メロディーは違うんだよ! と聞かせたくて持っていきました。

Romeo & Juliet
Nino Rota
Romeo & Juliet
曲名リスト
1. Prologue (Prince)
2. Romeo's Foreboding And The Feast At The House Of Capulet
3. The Balcony Scene
4. Romeo & Juliet Are Wed
5. The Death Of Mercutio And Tybalt
6. Farewell Love Scene (Juliet's Bedchamber)
7. The Likeness Of Death
8. In Capulet's Tomb (Death Of Romeo & Juliet)
9. All Are Punished

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The Rose

手嶌葵による映画音楽のカバー・アルバムです。7 曲目の「What is a Youth」を聞きました。手嶌葵と言われてハテナと思う方も多いと思いますが、あのジブリ映画「ゲド戦記」で「テルーの唄」を歌った歌手さんです。

サントラ盤と手嶌葵カバー盤の「What is a Youth」聞き比べになりました。実は、私はこのアルバム「The Rose」で「What is a Youth」を初めて聞き、今まで聞いてきた「ロミオとジュリエットのテーマ」とは違うメロディーが入ったことに驚いたのです。そしてサントラ盤を買い、映画を見たのでした。

サントラ盤は Glen Weston という人が歌っていて、何とも吟遊詩人らしい素晴らしい演奏です。それが良い。ですが、サントラ盤はロミオがパーティーに忍び込むシーンから初まって、人の喧騒、etc. のあと数分してからようやく曲が始まります。待ち時間が長くてしょうがありません。

一方、手嶌葵盤はこの「The Rose」で最高の歌唱であると同時に、オリジナルのメロディーを崩さず、大満足な仕上がりです。サントラ盤と比べると、ちょっとポップな感じでしょうか。時間がない時とかによく手嶌葵盤を聞きます。

流石に「The Rose」の LP 盤はないでしょう。サントラ盤の LP は見つかるかもしれませんが、この聞き比べがしたかったので (ちょっと自分のルールを破って) 持っていきました。

The Rose~I Love Cinemas~
手嶌葵
The Rose~I Love Cinemas~
曲名リスト
1. The Rose(1979/米 映画「ローズ」より)
2. Moon River(1961/米 映画「ティファニーで朝食を」より)
3. Calling you(1987/西独 映画「バグダッド・カフェ」より)
4. Raindrops Keep Falling On My Head(1969/米 映画「明日に向って撃て!」より)
5. Over the rainbow(1939/米 映画「オズの魔法使」より)
6. Beauty And The Beast(1991/米 映画「美女と野獣」より)
7. What Is A Youth?(1968/英・伊 映画「ロミオとジュリエット」より)
8. Alfie(1966/英 映画「アルフィー」より)
9. The Rose(extra ver.)

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モーツァルトのレクイエム (Christoph Spering)

この CD の面白いところは、二種類のレクイエムを収録しているところです。モーツァルトのレクイエムは未完に終わり、第子のジュスマイヤーが補完したことは良く知られていますが、本 CD はジュスマイヤー補完版 (一般のモーツァルトのレクイエム) と、ジュスマイヤーが補完する前のモーツァルト自身の筆によるレクイエムが収録されています。

これも流石に LP は出ていないでしょう。

聞いたのは、モーツァルト自筆版のラクリモーサとアーメン・フーガです。モーツァルトがラクリモーサの途中で絶筆となったことは有名です。井上太郎の「わが友モーツァルト」(p.76) から二行引用しましょう:

八小節目でペンは永遠に止まる。

低音部旋律は奇しくも、彼が晩年に傾倒したバッハの名を音で描いていた。

ジュスマイヤー版を聞いていると、八小節目がどこなのか分かりません (楽譜でも読めないとね)。しかし、Spering 版では音楽が唐突に止まるのです。闇の中に消えて行くような、深淵を覗くような虚無感。これを聞いてもらいました。

もう一つ。アーメン・フーガは 1961 年に発見されたもので、ラクリモーサの最後にモーツァルトが付け加えるはずだったもの、と言われています。たった 16 小節しかありませんが、至極の美しさなので一緒に聞いてもらいました。この曲も、フーガとして未完。曲が途中で終わった時の悲しさは、比類がありません。

Requiem (Sussmayr & Orig Unfinished Version)
Wolfgang Amadeus Mozart
Requiem (Sussmayr & Orig Unfinished Version)
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Eterna Collection

ギュンター・ラミン (Günter Ramin) のバッハ・ボックスです。カンタータで 9 枚、ヨハネ受難曲で 2 枚、オルガン演奏で 1 枚、計 12 CD から成ります。3 枚目の 1 つ目のカンタータ「すべてはただ神の御心のままに (Alles nur nach Gottes Willen, BWV.72)」の第一曲から第三曲までを聞きました。

セント・トーマス教会はバッハがカントール (音楽監督?) を務めた教会です。ラミンはバッハから数えて 12 代目のカントールになります。正にバッハの正統ですね。ラミンの第子には、同じくバッハ演奏で有名なカール・リヒター、ヘルムート・ヴァルヒャなどがいます。

さて、この三曲目が凄い。第二曲の静かなアリオーソから動のアリアへ! 曲の構成はアルト (ボーイ・ソプラノ!) とヴァイオリンが交互に歌い、クライマックスに二つの旋律が一緒に奏でられ二声の対位法になるというもの。ところが、このヴァイオリン部分。なんと 2 丁のヴァイオリンと通奏低音による 3 声のカノン (もしかしてフーガ?) になっているのです。つまりクライマックスは、アルトとヴァイオリンの二声の対位法に更に 3 声のカノンが含まれるという構成。もう、バッハの凄まじさに圧倒されるばかりです。

Cantatas Passion Organ Works
Johann Sebastian Bach

B0007OP694
Berlin Classics 2008-10-25
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現在、Amazon では在庫切れ。HMV では取り寄せできるようです。

The Art of Youra Guller

最後の一枚は幻のピアニスト、ヨウラ・ギュラー (Youra Guller) のアルバム。曲はバッハの「幻想曲とフーガ BWV.542」です。

私がこの CD を手に入れた頃、ヨウラ・ギュラーの CD はたった 2 枚しか存在しない。しかも、全て廃盤という状況でした。もう本当に幻のピアニストでした。最近は、放送録音などが発掘され、複数の CD が発売されるようになりました。ファンとしては嬉しい限りです。LP で買うと、きっと高いんでしょうねぇ。

バッハの「幻想曲とフーガ BWV.542」は本来オルガンの曲ですが、ギュラーはリスト編曲のピアノ版を弾いています。その演奏の素晴らしいこと!! リストの人生はこの編曲をするためだけにあったのではないかと思うほどです (言い過ぎ :p)。ギュラーのピアノはフーガに入ってから、更に輝きを増します。

Art of Youra Guller (Prelude & Fugue/Ballade 4)
Claude-Béninge Balbastre

B0000037BU
Nimbus Records 1992-12-02
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あとがき

今回紹介した CD は全部お気に入りの CD です。オードリー・ヘップバーンのムーン・リバー以外エントリーにしていませんが、いずれ単独のエントリーで一曲ずつ紹介したいと思っています。

追記 (2011-07-02)

本エントリーで紹介した CD の単独エントリーを書きました。気になる CD がありましたら、どうぞお読み下さい。