リーピング [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21
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ウィッチマウンテン / 地図から消された山でサラ役を演じた女の子アンナソフィア・ロブ (AnnaSophia Robb) が美少女で演技が上手だったので、アンナソフィア・ロブ出演作品を借りています。本作「リーピング」もその一作です。本作のアンナソフィアも素晴らしゅうございました。というわけでレビューです。
あらすじ
少女 (アンナソフィア・ロブ) が兄の死亡現場に居た。兄の死亡直後から、出エジプト記にある「十の災い」をなぞるように怪現象が起こる、というのもの。「十の災い」を Wikipedia でおさらいしてみます。
- 水を血に変える
- 蛙を放つ
- ぶよを放つ
- 虻を放つ
- 疫病を流行らせる
- 腫れ物を生じさせる
- 雹を降らせる
- 蝗 (いなご) を放つ
- 暗闇でエジプトを覆う
- 長子を皆殺しする
主人公キャサリン (ヒラリー・スワンク) は、キリスト教の元宜教師にして、現在は「神の奇跡」を科学的に解明する科学者。キャラクターの立場が、インディ・ジョーンズにそっくりです。インディ・ジョーンズが考古学者なのに対して、キャサリンは専門の科学者というところが違いでしょうか。
物語は、キャサリンの許に調査依頼が来るところから始まります。「十の災い」の一つ目らしき奇跡が起こった。調査して欲しい、と。興味を示さないキャサリン。依頼者は続けます。「兄の死から始まった事件の原因を、その妹が負おうとしている。少女が非常に危険な立場にある」キャサリンはその言葉に心を動かされ、助手を連れて町へ向かいます。
調査を続ける途中にも止まらない「十の災い」。町を出かける前に、昔の友人から警告された「悪魔崇拝」のシンボル。当の少女は無口。町民は少女の家族は悪魔崇拝者だと言う。「災いを止めるために、少女を殺さなくては」。信仰という名の上の殺人。キャサリンは少女を守りたいと思う。しかし、判明してゆく事実はどんどんと少女に不利な事ばかり。少女の家の中で見つかる悪魔崇拝の証拠。赤く染まった川の水の成分結果は「血」! 少女を殺そうと銃を持って集まった町民たちに、少女を守るやうに現れる蝗の大群。神は何のために「十の災い」を起こしたのか? (イスラエルの) 民を救うためではなかったのか? 誰を守るための災いなのか? 災いを引き起こしているのは、神ではなく、悪魔なのか?! キャサリンは少女を殺すため、ナイフを握る。
感想
アンナソフィア・ロブの演技が素晴らしい。何がすごいって、ほとんどしゃべらないんですよ。普通の子とは違うなってイメージと近寄り難さを出していて、ヒラリー・スワングの演技もあるのですが、映画の序盤では少女を救わなきゃと強く思うんですね。そう、幸薄な少女という姿を見事に演じているのです。
ところが、蝗の大群を従えるあたりから、雰囲気が一転。あれです。オーメン II のダミアン少年が「言葉」なしで演技しているというか、オーメンの子供が少女に成長したというか。もう悪魔の子そのものです。「ローズマリーの赤ちゃん」が好きな人にはたまらない展開です。
脚本が良く出来ていて、見事に騙されました。伏線の張り方も見事。神を信じなかったキャサリンを信仰の道に戻す結末も上質。ホラー映画ながら、「エクソシスト」「オーメン」と並ぶ上質の映画でした。
蛇足
映画の特典として、「十の災い」を現在の科学者がどのように解析しているかを説明したドキュメンタリーが入っています。この解析は映画の中で軽くキャサリン自身が説明していることなのですが、それをもう少し詳しく説明したものです。15 分あります。要は「火山」が原因で、赤潮が起きて、生態系が崩れて... その連鎖だよ。ということなのですが、よくまとまった短編ドキュメンタリーでした。もし BD を借りることがあったら、どうぞこちらの特典も併せてご覧になることをお勧めします。
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