ウィッチマウンテン / 地図から消された山にてサラ役を演じた女の子アンナソフィア・ロブ (AnnaSophia Robb) が美少女で演技が上手だったので借りてみた DVD です。アンナソフィア・ロブの演技も上手いのですが、それ以上に作品にのめり込めさせられてしまいました。
原作
少し調べてみたのですが、この作品には原作があるのですね。原作はキャサリン・パターソンによる児童文学で、ニューベリー賞他複数の賞を受賞しています。ちなみに「テラビシア」はナルニア国物語に出てくる島「テレビンシア」から命名されたそうです。
テラビシアにかける橋 (偕成社文庫)
キャサリン パターソン 小松 咲子
偕成社 2007-03
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「テラビシアにかける橋」は 1985 年に一度映画化されています。私が見たのは、2007 年の二度目の映画化版でした。
あらすじ (ネタバレあり)
主人公のジェスは、大家族の中にあって少し立場の弱い存在。空想の世界をスケッチブックに描くのが好きな少年です。物語はジェスの隣の家に作家夫婦とその子供レスリー・パークが引っ越してきます。レスリーは空想の世界を言葉に、詩に、物語にするのが好きな少女。二人は小川を越えた森の先で、「テラビシア」という想像の国を作ります。
しかし二人の幸せな日々は唐突な終わりを迎えます。ジェスは絵の才能を先生に認められ、美術館につれて行ってもらえることになりました。ジェスはレスリーを誘おうとしますが、結局止めて先生と二人で美術館に行きます。貧しいジェスにとって初めての美術館でした。美術館から帰って来たジェスに待っていたのは、レスリーの訃報でした。
ジェスはテラビシアへ繋がる橋をかけます。二度とレスリーに不幸を起こさないために。レスリーの悲劇を乗り越えるために。ジェスは妹を招き、新しいテラビシアの女王として迎え入れます。
感想
レスリー役をアンナソフィア・ロブが演じています。もう、ロブが愛可いいとかそんなのどうでもいい。演技が素晴らしいんです。想像の世界に入って物語を作り、テラビシアという空想の世界を作る少女。ちょっと不思議な女の子だけれども、ジェスと気が合い内気な彼を強くしていく。そんなジェスに感化されて、友達を作ることの出来なかったレスリー自身も上級生から相談を受けるようになる。
そんな彼女が死んでしまう。
なんというショックか!
ロブの演技が素晴らしい由に、その悲劇性が強く浮きぼりにされます。
国語の授業中、レスリーの死に無作法に触れられてジェスが友達を殴りつけるシーン。先生はジェスを叱りつけるのかと思いや、「私が夫を亡くした時、周りの人は忘れることだと言った。でも、そんなことはできなかった。レスリーは素晴らしかった。私がこれほど悲しいのだもの。あなたは相当なものでしょう」。心が締めつけられるような言葉。
レスリーの死後、レスリーの父親から「娘は君を愛していた」と告白される。「前の学校では友達を作ることができなかった」と、彼女が少し変わっていたこと。「君が唯一の友達だったと」言っていたと伝えられる。何故、レスリーがジェスに心を開いたのか? 何故、二人は周りから浮いていたのか。二人とも想像の世界を開く目を持っていたから。そんな伏線が回収されるとともに、唯一の理解者を亡くしてしまったことを知らされるジェス。何故、美術館に誘わなかったのかと後悔するジェス。時は巻き戻らない。時は残酷。
ここら辺のエピソードは涙を誘うように演出されているわけもないのに、すごく心を打つ。私は心を叩きのめされた思いでした。
ジェスはレスリーの死を乗り越えますが、私がレスリーの死を乗り越えるには時間がかかりそうです。こうやって心の奥を打つのですから、「テラビシアにかける橋」は名作なのでしょうね。
テラビシアにかける橋 <プレミアム・エディション(2枚組)> [DVD]
ポニーキャニオン 2008-06-27
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