2010-10-29

ワーグナー・オペラ大全集の詳細

先日、激安ワーグナー・オペラ全集 Amazon で予約受付中というエントリーを書きました。その時点では値段と CD の枚数 (43 枚!) だけしか分かっていませんでしたが、ようやく今日 HMV でも取り扱いが始まり詳細情報が出ました。詳しいことは HMV のページを参考にしてもらうこととして、概略のみエントリーにします。

概略

前エントリーで予想した通り、今回リリースされるボックスは 2008 年に Documents レーベルから発売されたものと同じでした。前エントリーで Membran と Documents は同系列のレーベルと書きましたが、Amazon では Membran レーベル、HMV では Documents レーベルからの発売となっています。ここら辺、混乱しているようですね。

2008 年のボックスと同じということで、収録内容は未完のオペラを除く「全てのワーグナー」のオペラとなります。つまり、以下の演目です:

  1. パルジファル (1951, mono)
  2. ニュルンベルクのマイスタージンガー (1951, mono)
  3. さまよえるオランダ人 (1944, mono)
  4. トリスタンとイゾルデ (1952, mono)
  5. ローエングリン (1953, mono)
  6. タンホイザー (1951, mono)
  7. ニーベルングの指環 [ラインの黄金, ワルキューレ, ジークフリート, 神々の黄昏] (1994-95, stereo)
  8. リエンツィ (1950, mono; 短縮版)
  9. 恋愛禁制 (1962, mono)
  10. 妖精 (1998, stereo)

「ニーベルングの指輪」と「妖精」のみデジタル録音で、それ以外は全てモノラルの古い録音です。

「パルジファル」の指揮者はクナッツーシュブッシュ。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の指揮者はカラヤンです。この二つの録音は、バイロイト音楽祭が第二次大戦後に再開された記念の年の演奏を録音したものです。余談ですが、バイロイト音楽祭再開の第一演目は有名なフルトヴェングラーの「バイロイトの第九」ですね。

「さまよえるオランダ人」の指揮はクレメンス・クラウス。「トリスタンとイゾルデ」の指揮はフルトヴェングラー。この二つの録音と、「リエンツィ」のみセッション録音で、他は全てライヴ録音です。

「ローエングリン」の指揮はカイルベルト。カイルベルトの名演として有名ならしいです。

「タンホイザー」の指揮はロベルト・ヘーガー。最近気になってるソプラノ、リタ・シュトライヒが牧童役で出ているのが個人的なポイントです。

「ニーベルングの指輪」の指揮はノイホルト。Bella Musica レーベルからのライセンス供給盤で、1994,1995 年にライヴ録音されています。指揮者の知名度は (この全集の中では) 一つ落ちますが、録音が新しいのが良いですね。

「リエンツィ」の指揮はツィリッヒ。寡聞にして初めて聞く指揮者です。

「恋愛禁制」の指揮はヘーガー。これはセッション録音かライヴ録音か情報がありませんでした。

「妖精」の指揮はエトヴェシュ。イタリアのダイナミック・レーベルからのライセンス供給盤。「妖精」がワーグナー最初のオペラ、「恋愛禁制」がワーグナー 2 作目のオペラとのことです。

あとがき

有名所のオペラは、「ニーベルングの指輪」を除き全てモノラル。そして「ニーベルングの指輪」の指揮者はあまり有名でない!? (知らないだけ?)。値段が安いだけにフムフムという内容です。最新の録音に慣れた耳には辛いかもしれません。ただし、録音の古さを気にしなければ、「パルジファル」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「トリスタンとイゾルデ」「ローエングリン」などは歴史的名盤として数えられるものですし、めったに聞けないマイナーなオペラも聞けるということで、かなりお買い得なセットと言えそうです。

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