映画「サウンド・オブ・ミュージック」で「ド・レ・ミの唄 (リプライズ)」が絶品という話を書きました。
特に「Do-Re-Mi (ド・レ・ミの唄)」の二回目! これはもう絶品で、何故、今までサントラ化されてなかったのかと小一時間... え〜と、この話は別のエントリーに譲りましょう。
今回は、この「Do-Re-Mi reprise」(ド・レ・ミの唄 二回目) について書いてみます。
おさらい
映画を観た人は、ド・レ・ミが映画中 2 回歌われていることを「見て」いるはずなのですが、不思議と 1 回目のド・レ・ミしか憶えていません。
1 回目というのは、マリアが子供達を連れ出して音楽の練習をする時のものです。「ド」から始まって「シ」まで歌います。その後、子供達に「ド・レ・ミ」を使ってメロディーを作ることを教えるのでしたね。「ソ〜ド〜ラ〜ファ〜、ミ〜ド〜レ〜」と。「それで何の意味があるの?」と聞かれて「一つの音符に一つの言葉をあてはめるのよ」と続くのでした。
さて問題は 2 回目の「ド・レ・ミ」です。大低の人は、「二回も歌ったっけ?」と返します。
2 回目の「ド・レ・ミ」は音楽祭で歌われました。少し前後の筋を書きましょう。
ナチスの影が濃くなってきたため、トラップ一家は故国オーストリアからの亡命を決意します。それは折しも、音楽祭の日でした。車を出しそうとした所に現れたのは、ナチスの人間。執事が裏切っていたのです。「こんな夜にどちらにお出掛けかな?」と問うナチス。困った家族は「音楽祭へ行くところです」と答えます。そして場面は音楽祭へ。
いきなり、「ソ」から歌い始めています。マリアがメロディーを歌うと、子供達が追いかけるように輪唱っぽく続きます。「ラ」も同じです。そしてすぐに「シ」のメロディー (Tea, a drink with jam and bread) が終わります。その後、「ソ〜ド〜ラ〜ファ〜、ミ〜ド〜レ〜」と続くのでしょうか? いえいえ、トラップ大佐が「シ」のメロディーを追いかけます。その後、「シ」の歌詞の一部が繰り返されるのです。この時の声部の混じり具合の美しいこと! 一旦オーケストラが間奏を奏でると「with A B C」と曲は続きます。はい。Jackson 5 の「ABC」よりも前に、ド・レ・ミは「ABC」と歌っていたのです。最後は「drink with jam and bread」の繰り返しで終わります。そして拍手。
この後、トラップ大佐がエーデルワイスを歌います。大佐がオーストリアを去るから。そういう意味での「お別れ」の歌ですね。そして、「So long Farewell」。子供達が一人ずつ舞台から去って行きます。
音楽祭の結果発表。優勝はトラップ・ファミリー・シンガーズに決まります。
さて問題。トラップ一家は何を歌って優勝したのでしょうか? エーデルワイスはお別れの曲です。いわばアンコール曲です。So long Farewell も同じ。音楽祭的には余興的な曲です。では何が? そうです。トラップ一家は「ド・レ・ミの唄」合唱曲バージョンでもって音楽祭を優勝したのです。「ソ〜ド〜ラ〜ファ〜、ミ〜ド〜レ〜」の入らない、本当に「ド」から始まって「シ」まで終わる「ド・レ・ミの唄」で音楽祭を制したのですよ。実際とても良い曲に仕上がっています。
Do-Re-Mi reprise の素晴らしさ
1 回目のド・レ・ミも素晴らしいです。でも、それはそれとして 2 回目 (reprise) の良さを言えば一点。合唱曲としてまとまり良さに尽きるでしょう。特に、少年少女の声部がきれいに混ざり合うところ。これは 1 回目のド・レ・ミにない要素です。そして素晴らしい出来です。
この Do-Re-Mi reprise が 40 周年記念盤でしか聞けないというのはもったいない話です。
Full version はあるのか?
ところでこの Do-Re-Mi reprise。「ソ」から始まるところが実に残念です。できれば「ド」から歌って欲しかったものです。
でも、「ソ」から歌い始めるって変じゃないですか?
私が監督だったら、「ド」から歌ってもらって全部録音した後、映画用の編集でもって「ソ」からのバージョンにします。ロバート・ワイズ監督も同じことをしたと思うのは的外れでしょうか? これは仮定の話ですが、どこかに「ド」から歌った映画未使用フィルムが残っているのではないでしょうか? もしも存在するならば。。。是が非にでも聞いてみたい。そう強く強く思うのです。
The Sound of Music [Original Motion Picture Soundtrack] [40th Anniversary Special Edition]
Richard Rodgers
曲名リスト
1. Prelude and the Sound of Music
2. Overture and Preludium (Dixit Dominus)
3. Morning Hymn/Alleluia
4. Maria
5. I Have Confidence
6. Sixteen Going on Seventeen
7. My Favorite Things
8. Do-Re-Mi
9. Sound of Music
10. Lonely Goatherd
11. Edelweiss
12. Laendler
13. So Long, Farewell
14. Entr'acte [#]
15. Climb Ev'ry Mountain
16. My Favorite Things (Reprise) [#]
17. Something Good
18. Processional and Maria (The Wedding)
19. Sixteen Going on Seventeen (Reprise)
20. Do-Re-Mi (Reprise) [#]
21. Edelweiss (Reprise)
22. So Long, Farewell (Reprise) [#]
23. Climb Ev'ry Mountain (Reprise)
24. Finale [#]
25. Robert Wise Interview [*]
26. Richard Rodgers Interview [*]
27. Charmian Carr Interview [*]
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このアルバムの中でmy favorite songを特に好きです。
返信削除まさにすきな曲の曲のタイトルが私の好きな曲なのです。
ジャズではコルトレーンのカバーが名演奏なので
挿入しておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=0I6xkVRWzCY&translated=1
fujikiseki さん、こんにちは。
返信削除my favorite things、良い曲ですよね。
コルトレーンの名演、ありがとうございます。古くても、良い演奏ですね。