HMV にて『ロード・オブ・ザ・リング・シンフォニー』ライヴ録音、待望のCD化との情報が流れました。
2001年より順次公開され、日本でも話題となった映画「ロード・オブ・ザ・リング」三部作。アカデミー賞、グラミー賞、ゴールデングローブ賞など映画音楽界の賞を総なめした一連の音楽を作曲者のハワード・ショア自ら編曲し、『ロード・オブ・ザ・リング・シンフォニー』として6楽章構成の交響曲にまとめあげました。三部作それぞれの音楽を満遍なく網羅しており、2時間で三部作の流れを一望できる仕上がりとなっています。
『ロード・オブ・ザ・リング・シンフォニー』 ヴィッキ&21thセンチュリー交響楽団(2CD)【CD】-ハワード・ショア 発売国:USA|クラシック|音楽|HMV ONLINE より引用
定価 4,505 円。オンライン会員特価 2,800 円。発売予定日 2012 年 3 月 12 日。
心躍りすぐにでも予約しようとしたのですが、念のため Amazon もチェック。そしたら、びっくり。Amazon ではこの CD が 2011 年 9 月 13 日に発売済というではありませんか?! つまり、3/12 まで待たなくてもすぐに買えちゃう。しかも、値段は 2,349 円。HMV よりも安い!!!
というわけで、今、Amazon で注文した CD を聴きながらこの記事を書いています。
Lord of the Rings Symphony
Howard Shore
Howe Records 2011-09-13
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内容
全 6 楽章の交響曲形式。ライナー・ノートは各楽章が更に細かなシーンの連がりになっていると書いていますが、トラックは区切られていません。1 楽章 1 トラック形式です (お気に入りのメロディーにパッと飛べないのが痛い)。各楽章のシーンは以下の通り:
- 第1楽章 (予言—ホビット庄の社会秩序—過去の影—マッシュルームへの近道—古森—闇夜の短剣)
- 第2楽章 (数々の出会い—指輪は南へ—暗闇の旅-カザド=ドゥムの橋—ロスロリアン—ガンダルフへの哀悼—ロリアンへの別れ—大河—一行の離散)
- 第3楽章 (石の基盤—スメアゴルならし—ローハンの騎士たち—黒門不通—夕星姫—白の乗り手—木の鬚—禁断の池)
- 第4楽章 (角笛城—進めエオルの家の子ら—アイゼンガルドへの道—ゴラム・ソング)
- 第5楽章 (望みと想い—白の木—ゴンドールの執政—キリス・ウンゴル—アンドゥリル)
- 第6楽章 (全ての終わり—王の帰還—灰色港—イントゥ・ザ・ウェスト)
第 1,2 楽章が「旅の仲間」、第 3,4 楽章が「二つの塔」、第 5,6 楽章が「王の帰還」。CD は 2 枚組で、1 枚目に第 1,2 楽章、2 枚目に第 3-6 楽章を収録しています。第二部・第三部のエンディング・テーマ「ゴラム・ソング」と「イントゥ・ザ・ウェスト」は入っていますが、第一部のエンディング・テーマ「メイ・イット・ビー」は入っていません。代わりに「一行の離散」の少年合唱が入っています。
録音は 2011 年 2 月 12,13 日にスイスのルツェルンで開かれたライブ録音。
指揮者はルードヴィヒ・ヴィッキ (Ludwig Wicki)。スイスはルツェルン生まれの指揮者。ライナー・ノートによると「映画音楽が好きで将来の夢はエンリコ・モリコーネ・オーケストラで演奏すること。しかし、彼の道はローマへとは続かなかった」そうです。スイスでクラシック音楽の指揮者としてのキャリアを築きます。
1999 年、ヴィッキは映画音楽に特化したオーケストラ 21st Century Orchestra を創設。そして、手兵オケを率いてロード・オブ・ザ・リング・シンフォニーの演奏に携わることになったのでした。スイスの指揮者・演奏家って、スイス国内での活躍が多くって日本には CD がほとんど入って来ないんですよね。なので、時々、とんでもない実力者が隠れていることもあって困ります。ヴィッキの実力は... このアルバムだけでは分かりませんけどね。
交響曲には合唱の他にソプラノが一人。ソプラノはケイトリン・ラクス (Kaitlyn Lusk) が担当。この人の情報も特になし。
音楽は良いです。オーケストレーションが仕上がっていることと、一連の曲を繋がり良く編曲している点がサントラ盤より優れています。指揮も十分文句なし。オケも指揮者の求めにちゃんと応えています。呼吸が合っている感じがしますね。流石に指揮者自身が創設し育てたオーケストラなだけあります。合唱団 (少年合唱団含む) のコーラスもとても奇麗です。
ゴラム・ソングとイントゥ・ザ・ウェストは、エンディング・テーマのオリジナル歌手が歌っているわけではないのですが、違和感を持ちません。オリジナルのゴラム・ソングが持っている妖しい悲しさはありませんが、長い交響曲の中で全体にマッチする歌い方になっていると思います。