2012-04-30

城の眼 〜 藝術の集う喫茶店

香川県は高松市にある喫茶店「城の眼」に行って来ました。このお店は色々な藝術が集まったお店として有名です。ブログ 純喫茶コレクション に書いてあった説明を読んで、この喫茶店の凄さを知りました。同ブログの記事から、概当部分を引用します。

香川を代表する建築家・山本忠司氏が建築。

店内は彫刻家の空充秋氏。

BGMは音楽評論家の秋山邦晴氏によるもので、香川建物図鑑にも掲載され、石のスピーカも有名。

純喫茶コレクション 香川・高松・喫茶 城の眼 より引用

看板と外観です。

城の眼 城の眼

扉を開いて入店すると、落ち着いた雰囲気の喫茶店が待っていました。入り口からは石の壁が見えます。奥の席に座って振り返ると、入り口を挟む様に「石のスピーカー」が鎮座していました。

城の眼 城の眼

写真は左のスピーカーと右のスピーカーです。石に模様が入っているのが印象的です。オーディオには詳しくないのでよく分かりませんが、昔のスピーカー・ユニットを石の中に納めてあるのでしょうか。遠目の席に座りましたが、スーッと音が届いてきました。BGM として流れている曲は ―― 私が行った時は ―― クラシック音楽でした。とても、ゆったりした空間を石の壁とスピーカーが演出している様に思いました。

はまち刺身定食 at びんび屋

昨日、明石海峡大橋を通って香川へ里帰りしました。途中、徳島で食事に寄るのは馴染みの定食屋「びんび屋」です。

お店に着いたのは 17:00 前だったでしょうか。夕食の時間としては少し早いですが、駐車場は既にほぼ満杯でした。写真は徳島から香川へ向かう道から見たびんび屋の看板です。

びんび屋

一つ空きを見つけて駐車。車を下りて店前に行けば、短い行列が出来ていました。時間が早かったおかげか、スムーズに行列は解消して店内へ。注文したのは「はまち刺身定食」。

びんび屋 - はまち刺身定食

名物の「大きなお椀に入ったわかめ汁」も健在です。そして、とれたて、身の締まったはまちを堪能です。この歯応えのある刺身が、びんび屋の美味しさ。定食一つで、私は満腹です。

びんび屋

帰る前に、わかめを買いました。びんび屋でわかめを買うのは、もはや恒例行事です。写真は、びんび屋の前から瀬戸内海を望んだもの。以前に比べて、良い写真が撮れました :) 漁船の見える瀬戸内海。良い感じです。

2012-04-28

鏡―ゴースト・ストーリーズ 感想 〜 珍しい児童文学のホラー短編集

鏡―ゴースト・ストーリーズ

「鏡―ゴースト・ストーリーズ」は、ちょっと変わった短編集です。オリジナルは、1996 年の国際児童図書評議会世界大会で出版されたアンソロジーです。このアンソロジーにはちょっとした制限が付いていました。

  • 一つの国から一人の作家 (世界大会用なので)
  • 対象年齢は十二歳
  • 題材はホラー (短編)

オリジナル版には 11 の短編が収録されましたが、日本語版ではその中から六編を選んで訳出しています。

さあ、作家陣が豪勢です。日本からは「魔女の宅急便」の角野栄子 (邦題は彼女の作品「鏡」から取っています)。アメリカからは「闇の戦い」シリーズのスーザン・クーパー (life@aka の最初のエントリーはスーザン・クーパーでした!! 「闇の戦い」シリーズ第三作目の「灰色の王」でニューベリー賞受賞)。ニュージーランドからはマーガレット・マーヒー (「目覚めれば魔女」でカーネギー賞受賞)。私の好きな作家さんがこぞって参加しているではありませんか!!

題材がホラーなだけに、後味も普通の児童文学とは違います。そもそも、児童文学でホラーって珍しいですよね。それはさておき。マーヒーの作品は短編ながら大人向けよりも怖かったり、角野さんの作品も最後の最後でようやく光が見える仕上がりになっています。また、それぞれの国の文化がそのまま表現されているので、一冊読むと色んな国を見てきたような気分になります。どうせなら、6 編といわず全 11 編を訳出してくれれば良かったのに... とちょっと恨み事を言ってみたりして。

本書で初めて知ったカナダの作家、キット・ピアスン。なかなか面白かったです。日本にも本が訳されているようなので、図書館で探してみるつもりです。新しい作家との出会いというのも、アンソロジーならではですね。

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2012-04-27

スカイ・メモリーズ (パット・ブリッソン) を読む 〜 心に遺す財産を描く児童文学

スカイ・メモリーズ―母と見上げた空 (あかね・ブックライブラリー)
パット ブリッソン ウェンデル マイナー

425104181X
あかね書房 1999-07
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

パット・ブリッソンのスカイ・メモリーズ。たった 69 ページの短い児童文学です。でも、扱っているものはとっても深い。命です。

ある日、母は娘に心をひきつける「空」を心の中に残そう、と言います。写真という物体ではなく、心に残そうと。美しい空だけじゃなくて、嫌な感じの空にも何か良いものはないかしら。そう言って人生の厳しさ、辛さから良い所を見つけようとする。母と娘は手をつなぎ、心の中でシャッターを切ります。

しかし、そんな母は癌に冒されます。日に日に弱ってゆく母。現実は残酷に、母から命の灯を奪ってゆきます。

二人はそれでも、「空」に「素敵」を見つけて記憶に残そうとします。それは、母が娘に遺す最も大事なものだったのかもしれません。

本書は、子供の視点から語られる物語です。不条理な現実。母から遺される想い。「物」ではなく「心」を大事にしようとする二人の姿が胸を打ちます。世界の美しさと厳しさが同居したような児童文学です。子供だけでなく、子供を持った親にこそ是非読んで欲しい一冊です。図書館で探せば、見つかると思います。

2012-04-26

アシモフ初期作品集 (アイザック・アシモフ) 感想

アシモフの初期作品集 (全 3 巻) を読み終えました。

カリストの脅威 (ハヤカワ文庫SF―アシモフ初期作品集) ガニメデのクリスマス (ハヤカワ文庫 SF―アシモフ初期作品集 (1142)) 母なる地球―アシモフ初期作品集〈3〉 (ハヤカワ文庫SF)

アシモフが初めて作品を売りに出し始めてから、ボストンに引越するまでの時代の短編を集めた作品集です。アシモフの短編集というと、作品の前後にアシモフ自身のコメントが入っているのが特徴です。本書でもその趣向は受け継がれていて、半分、掛け出し作家のアシモフの自伝になっています。

本書は、アシモフの短編集「われはロボット」や「夜来たる」などから洩れた初期作品を集めているので、アシモフの代名詞であるロボット物やファウンデーションものは登場しません。もちろん、高名な「夜来たる」も収録されていません。アシモフのコメントは、それらの「売れた作品」の合間にこういう作品を書いた... という体で書かれています。

読んでみると、なるほど「アシモフらしいキレ」がないと思う作品もあれば、後の未来史シリーズで見かけるようなアイデアのはしりを見ることが出来たり、何故他の短編集に収録されなかったのか不思議と思う良作もあります。玉石混淆と言ってしまえばそれまでですが、意外な良作と出会えるのも楽しいところです。

それと、アシモフ・ファンにとって重要なのは、名編集者・キャンベルとの出会いが詳しく書かれていることです。アシモフはキャンベルという編集者の許で成長した SF 作家として有名ですが、その出会いについて詳しく知ることはあまりありません。初めての出会い。何度もボツにされたこと。初めてキャンベルが作品を買ってくれたこと。そして、やっぱりボツにされる作品が出たこと (短編集「聖者の行進」を読むと、アシモフは意外とボツにされることが多い作家さんなのが分かります)。その中でロボット物が生まれ、「夜来たる」が有名になり、ファウンデーション・シリーズが始まってゆく。本書は、アシモフとキャンベルの出会いと別れを知ることの出来る意味でも、有意義なものでした。

第三巻の巻末には、キャンベルとの作品 60 タイトルが掲載されています。その最後の作品はファウンデーション・シリーズの最後の中編でした。「しかし、分かっていなくもある」。何とも言えない哀愁を感じました。

2012-04-21

カザマアヤミの「せなかぐらし」が気になる今日この頃

ファースト・コンタクトはヤマカムさんのこちらの記事でした。

レビューを読んで、ホホウ。でも、まあ買うほどでもないかな... なんて思っていました。まだ、この時は。

なるほど始まりましたな!何がってラブがコメるってものですよ。やばいですね。俺の頬が緩んでニヤニヤしっぱなしになるってものです。

「せなかぐらし」ガラス1枚の距離感が絶妙すぎる:ヤマカム より引用

セカンド・コンタクトは、「せなかぐらし」の作者カザマアヤミさんが、「7 時間目の音符」「あまあま」の作者・志摩時緒さんに送ったツイートでした。

祐司彼氏に欲しいですよ!!!!葉平はあれだね、祐司の門下生になるべき。葉平…普通にいい彼氏と思うんだけどいかんせん祐司の彼氏力がスカウターパァンレベルだから…!(笑)

Twitter / @aya_zamalog: @shimaso 祐司彼氏に欲しいですよ!!!!葉平 ... より引用

補足説明すると、「葉平」は「7 時間目の音符」の男側主人公。「祐司」は「あまあま」の男側主人公。

スカウターパァンレベルという表現に爆笑し、身悶えしました。上手いこと言う!! どっちも同じ作者の恋愛マンガですが、祐司君の彼氏力は半端ないのですよ!!!

カザマアヤミさんのプロフィールを読み、「せなかぐらし」を連載しているマンガ家さんと知るものの、この時はまだヤマカムさんの記事で紹介されてた「せなかぐらし」とリンクしていませんでした。

そして、サード・インパクト。

思い返すたびに悶えてしまうあのツイート。あのマンガ家は一体どんな作品を書いているのか? 日を追って気になって来ました。そして、ある日、頭に閃光が!

ヤマカムさんの記事とカザマアヤミさんのプロフィールが一致した瞬間でした。

ヤマカムさんのレビューを読み直し... これは買わねばなるまいと。

こんなに、私のツボを突くツイートをする人のマンガが面白くないわけがない、と。

そんなわけで、発注です!! 明日くらいに読めると良いなぁ。

せなかぐらし (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) せなかぐらし (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

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2012-04-20

Cue Fanfare! 感想 〜 雑多で、多様で、愉しいコンピ・アンバム

新生インディーズ・レーベル Greenwich Records のファースト・コンピレーション・アルバム「Cue Fanfare!」を手に入れました。この CD を買うきっかけ、プロデューサー・津田 真さんのレーベルにかける想いなどは過去エントリーに書いたので、よければ一緒に読んで下さい。

Cue Fanfare!(Greenwich Trailer Vol.1)
オムニバス 163(g) dulce aereo Miyu Miyu 夜の夢 telescope たらりらん 矢野あいみ 恋のパイナップル 小春 halnote
Cue Fanfare!

Amazon に収録曲情報がありません。過去エントリーに書いた収録曲情報を再掲載。

  1. 三毛猫は左利き/小春
  2. 白と現/halnote
  3. 恋の直行便/タトラ
  4. ミタイ/中田真由美
  5. みるく/原名蕗子
  6. 陽だまり/樋口 舞
  7. ください/おはようメルシー
  8. かさは あか/今宿えみこ
  9. ねむりひめ/xpocs
  10. 星の国/163(g)
  11. glimps of light/dulce aereo(空気飴)
  12. 悲しみの林檎/MiyuMiyu
  13. 4符/夜の夢
  14. Voyager/telescope
  15. たいむかぷせる/たらりらん
  16. ブルーバード/矢野あいみ
  17. ハニカミヤハニイ/恋のパイナップル

感想

なにぶん、優れた音楽を奏でながら、未だにレーベル契約もなく、無名のままでいるミュージシャンもいます。(中略) そうした音楽とその作り手に、作品的にも金銭的にも正当な評価を与えたい という趣旨のコンピ・アルバムですから、演奏者もメジャーな人はおりません。よほど (東京の) ライブに通いつめてる人でないと知らないアーティストばかりです。なので、ライナーノートに各曲・各アーティストについて津田さんのコメントが入っています。平均 150 文字。CD を聴きながら、ライナーノートを読む。

アルバムの構成について。津田さんはこう書いています。作成途中で それぞれの楽曲に、共通のテーマや繋がっていくストーリーが見え始めた。そこで、架空の映画のサウンドトラックというニュアンスを持たせて構成してみた。だから、CD の一曲目に一番良い曲を持って来るようなことはしていません。むしろ、各アーティストが全く別の方向性を持っているのに、一本の流れに乗せる様に構成しています。

特にお気に入りの曲の感想を書いてみます。

三毛猫は左利き/小春

アコーディオン奏者・小春のソロ曲。フランスのシャンソンの調べをアレンジしているのかな? とてもエスプリに溢れた曲。ベートーヴェンのバガテルの様な気楽さと楽しさを、フレンチ風に仕上げた感じ。アルバムの冒頭を飾るのにこれ以上ないという粋の良さを感じました。

ミタイ/中田真由美

アルバム中、最も好きになった曲の一つ。基本、ギター一本による弾き語り。「よる」ってフレーズが何度も使われて、気がついたら頭の中でリフレインしているような曲。シャンソンの様に、メロディーの少ない台詞めいた詞が入っていて新鮮。メロディーも少し「外し」た様な感じで、歌唱力高く歌い上げています。ちなみに、この曲はひめじ国際短編映画祭で 2010 年度監督賞に輝いた片岡翔監督の作品「くらげくん」の主題歌になっているそうです。

かさは あか/今宿えみこ

ピアニスト・有澤かなとの協同活動。津田さんのライナーノート ちょっと不安定なピッチと、天才的なソングライティング は、この曲を良く現していると思いました。「何だかよく分からないけれど〜」で何度も始まる詞。思わず、引き込まれてしまいます。ピアニストが別に居るのに、ピアノの音がちょっと入り切っていない(?)のが残念。

Voyager/telescope

DJ/ソロ・アーティスト/作曲家の芳川よしのと二十歳のシンガー・カリソ (かりん) の二人組ユニット。打ち込み系で曲作り。ボーカルは抑揚を抑えた歌い方。打ち込み... な曲は苦手な部類に入るんですが、この曲が私を魅了するのは曲の素材。Voyager です。あの太陽系外探査用無人惑星探査機ボイジャー (1977 年打ち上げ) を歌っているのです。SF 好きとしては心に響くものがあります。

ブルーバード/矢野あいみ

ピアノの弾き語り。中田真由美と並んで、本アルバムで最も好きになった曲の一つ。心を癒すスロー・テンポ。息づかいが聞こえる様な臨場感。アップ・テンポでもないのに、胸打つ心臓が鼓動を早める。これは才能だと思いました。

ジャケットについて

ジャケット絵を描いたのは、新進の絵描き・横田沙夜さん。幻想的な絵を描くお人。

絵描きも音楽家も、新進アーティストに光を当てたい、という津田さんの粋が詰まっていますね。

YouTube ダイジェスト

2012-04-19

サンデー GX で「デストロ 246」(高橋 慶太郎) 連載開始

「ヨルムンガンド」の高橋慶太郎が、サンデー GX (2012 年 5 月号) で戻って来ました。新連載をひっさげて!! タイトルは「デストロ 246」。サンデー GX の表紙を大きく飾っています。

月刊 サンデー GX (ジェネックス) 2012年 05月号 [雑誌]

「弾けよ! 詠えよ! 饗死曲はじまる!!」という文句が踊っています。

どんなストーリーになるのかは不明ですが、作者曰く

描いて思いましたが、ヨルムンとだいぶ雰囲気違います。

変なヤツたくさん描くぞーー!

1CL-M ヨルムンガンド最終11巻 より引用

とのこと。洩れ聞く情報では、3 組 6 人の殺し屋・女子高生のお話しになるとか。

第一話では 1 組目の女子高生タッグしか現れてませんけど、硝煙の香りのする様なちょい悪なストーリーで開幕していました。

ところで、高橋慶太郎と言えば「ヨルムンガンド」の前に「オーディナリィー±」という一冊の短編集を出しています。女子高生殺し屋・伊万里 (いまり) を主人公としたノワール物。

オーディナリィー± (サンデーGXコミックス)
オーディナリィー± (サンデーGXコミックス)

今回の「デストロ 246」に伊万里の姿を見たので、同じ顔のキャラを出すのか〜、と思っていたのですが、どうやら伊万里本人の様です。「オーディナリィー±」のファンにはこたえられない展開ですね。第一話ではラスト数ページに登場。一話目の殺し屋タッグと邂逅し、お互いがその存在に気付いた所で第二話へ...

いや〜、続きが気になる。

ヨルムンガンドと雰囲気違うと書かれ、多少不安ではありましたが、高橋慶太郎は高橋慶太郎でした。ちょい悪な主人公たちが、アイデンティティーを持って自分達の道を進む。さて、この物語。どう展開していくのか。いろいろと楽しみな連載が始まりました。

ヨルムンガンド 最終巻...

本当は、ヨルムンガンドの最終巻・11 巻も同日発売なのですが... 楽天さんからまだ届いていません (;_;)。届いたら、またレビューを書きます。

ヨルムンガンド 11 (サンデーGXコミックス)

ref

2012-04-14

コンピ・アルバム「Cue Fanfare!」 よく売れてるらしくまだ届かない

コンピ・アルバム「Cue Fanfare!」。Greenwich Records という新興インディーズ・レーベルの第一弾アルバムです。詳細は過去エントリーをご覧下さい。

4/11 発売予定。4/12 Amazon 発送予定だったこのアルバム。昨日、Amazon からメールが届きました。曰く、

誠に申し訳ありませんが、以下の注文商品の入荷に時間がかかっており、お届け予定日がまだ確定しておりません。

(注文日:2012-02-23 )

むう。発売日よりも一か月前に予約して、それでも在庫が確保できないとは!! いくらインディーズで初期生産量が少ないとはいえ、この展開は予想できませんでした。このアルバムを高くかっている音楽ファンが多いということでしょうか。

現在、Amazon の在庫表示は「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」今のうちに発注しておけば、在庫が入り次第買えるかもです。

2012-04-13

うそつきパラドクス 最終話 感想 ネタバレあり

ヤング・アニマルで連載されていた「うそつきパラドクス」(きづきあきら + サトウナンキ 著) が、今号 (2012 年 8 号) をもって終了しました。最終回です。最終話のタイトルは、「八日堂俊介と、栖佑日菜子の、うそつきパラドクス」。

私の心は、この「うそつきパラドクス」にグシャグシャにされておりました。

思えば、立ち読みで済ませていたヤング・アニマルを毎号買うようになったのは、「うそつきパラドクス」を読みたいがためでした。そして、ヤング・アニマルを買うのを止めてしまったのも、「うそつきパラドクス」の連載を読むのがツラくなったためでした。そう、ツラい。自分が八日堂さんの立場だったら、耐えられない。八日堂さんに自分を重ねて、ツラくなって、買うのを止めました (マンガ喫茶で連載は一応読んでいましたが...)。単行本も 6 巻まで買って、ストップに入りました。

もう、バッド・エンドしか見えない。

最終話、二話手前で八日堂さんは自分から身をひきます。

最終話、一話手前で八日堂さんは後輩と良い雰囲気になって... 自分は恋が出来ないのだと知ります。

最終話。

ウソをつき合っていた八日堂さんと栖佑さんの会話。「二人で話すのは、二年ぶり…くらいですね」

ああ、もう、そんなに時が経ってしまったんだ。

「思い出します。あの、残業の日…」

「…ずいぶん昔の事なんで、あまり覚えてないですね」

「…もう、終わった話ですよね…」

途切れ途切れに会話は続き、八日堂さんは素っ気なく言葉を絞り出します。

「…さよなら」

でも、心は「さよなら」と言ってなかった。追いかける八日堂さん。戻って来る栖佑さん。

「二度と、すれ違わないために」

三年半待ったハッピー・エンディングでした。ずっと待っていました。八日堂さん・栖佑さん、おめでとう。これで私は 7 巻以降を買うことができます。9 巻・10 巻の発売予定日は 6/29 (金) とのこと。

うそつきパラドクス 1 (ジェッツコミックス)

おまけ

最終話の載った第 8 号に、「うそパラ恋愛パーティー」の告知があります。参加条件は 20歳以上・独身・「うそパラ」が好き、とのこと。参加条件に合てはまってますが、応募すら私には無理です。行ってみたい人は、ヤング・アニマルを買って、応募してみて下さい。

2012-04-12

ラジオ ムンムンガンド 4/13 より「響 Radio Station」にてオン・エアー

TV アニメが始まった「ヨルムンガンド」。そのラジオ・スピンオフ「ラジオ ムンムンガンド」が 4/13 (金) より響 Radio Station より配信開始です。響 Radio Station は、株式会社 響 が運営するインターネット・ラジオのポータル・サイトだそうです。

パーソナリティーは、ココ役に伊藤静さん、ヨナ役に田村睦心さん。

コミックスをお持ちの方はご存じと思いますが、「ムンムンガンド」は「ヨルムンガンド」本編に付いてくるおまけマンガです。卵料理を食べたり、麻雀やったり。とりとめのなさが面白く。果たして、ラジオ版「ムンムンガンド」どんな方向に突っこんで行くのか楽しみです。

ref

2012-04-11

12年 4月号のレコード芸術はベートーヴェン交響曲全集特集

レコード芸術 2012年 04月号 [雑誌]

B007BDT58M
音楽之友社 2012-03-19
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by G-Tools

レコード芸術は、大きな本屋に行かないと置いていないので困ります。先日、たまたま大きな本屋に寄ったらレコード芸術の 4 月号があったので立ち読みしました。4 月号の特集は、「ベートーヴェンの交響曲はいま」。最近の指揮者が振った「ベートーヴェンの交響曲全集」を取り上げています。

リッカルド・シャイーの全集は賛否両論だった。アーノンクールの全集も忘れてはいけないだろう。スクロジェフスキの全集は職人技。等々... 読んでると全集をポーンと買ってしまいそうになります。だから、私はレコード芸術を買わないんです。

でも、ベートーヴェンの交響曲全集に絞った特集なんて珍しいですよね。買ってしまおうかなぁ〜。そして、お金が CD に消えて行くという罠。ウーン、怖い。

ベートーヴェン好きなら、立ち読みする価値あると思いますよ。そして、きっと、レジに持って行っちゃうね。

2012-04-10

#ヨルムンガンド TV アニメ、今日から放送

武器商人ココ、少年兵ヨナ、そしてココを守る私兵たちの活躍を描くノワール・マンガ「ヨルムンガンド」。遂に今日から、TV アニメ放送開始です。全話を 2 期に分けて放映する予定で、第 2 期は 10 月放映が決定しています。

放送局によって、日時・放送時間が違うのでお気を付け下さい。

  • TOKYO MX: 4/10 深夜 0:30-
  • tvk: 4/10 深夜 1:30-
  • テレビ愛知: 4/10 深夜 1:30-
  • KBS 京都: 4/10 深夜 1:00-
  • サンテレビ: 4/11 深夜 0:35-
  • BS11: 4/11 深夜 0:00-
  • ATX: 4/13 11:00/23:00

マンガ原作は既に連載が円満終了しているので、とても安心してテレビを見ることができます。まあ、うちにはテレビがないんですけどね! 皆さんのツイートなりブログの感想を見て、ニヤニヤすることにします。

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2012-04-09

あだしもの 第 2 話 感想

ジャンプ SQ. (スクエア) 2012年 05月号 [雑誌]

第 1 話で自分の居場所を見つけた灰塚くん。怪現部、化野 (あだしの) 、怪現部・部長、そしてヒロイン・小町の紹介とまとまった第 1 話でした。

第 2 話では、さっそくヒロイン・小町さんにスポットライトがあたりました。表の顔は何でも出来る良い子の委員長。でも灰塚くんに見せる顔は「強気で乱暴で、押しが強くて脅すのが好きで、人使い荒くて...」。おや? 何か人に見せない姿を灰塚くんにだけ見せているような気がするんですけど?? 気のせいかしらん。

で、今回はクラスメイトに振りかかった怪異を解決するわけですが、何気にストーリーを消化しながら小町さんの性格を描くあたり、作者の腕の良さが光ってます。こういう細やかなプロット作りの妙が山本さんの良さですよ。

第 1 話にも増して、「完璧」感を漂わす小町さん。第 1 話でも思いましたが、何でこの子怪現部に居るんだろ? そんな疑問に、第 2 話でいきなり斬り込んできましたよ。

「——助けたい人が居るの」

意味深な言葉。

一つの疑問が解けて、一つの謎が残りました。

第 3 話が楽しみです。

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Quolia Junction で展示されてるノアール・マンガ「龍子」第二章を見てきました

東京は銀座の QUALIA JUNCTION で開催されている「龍子」展に行ってきました。

作者のエルド吉水さんは、パブリック・アート界では有名な人だそうです。パブリック・アートって、駅や公園なんかの公共の場所に置いてある藝術作品ですね。

エルド吉水さんは、2 年前に作品発表を沈黙。そして、去年 10 月にノアール・マンガ「龍子」の第一章を発表しました。そして、3/30 日から第二章を発表と...

色んな意味で異色です。まず発表形式が異色です。Qualia Junction にお邪魔すると、壁一面に原画サイズの「龍子」のマンガが一枚ずつ貼られているんです。冊子になっていないんですね。なので、読者は絵を見る感じで、マンガを読んでいきます。

気に入った画があったら、注文可能。絵の様にして、その画を買うことができます。基本、一枚一万円。絵画とマンガの中間みたいな発表形式ですよね。

作品は、エルド吉水さんが一人で作成。アシスタントは使っていません。そして (だから?)、作品の発表間隔が不定期。昔、映画に音楽が付くようになった頃、クラシック音楽の作曲家に作品を依頼したことがあったそうで、作曲家はオペラやなんかと同じ気分で一年、二年かけて作曲しようとしたのだけれども、映画会社は一、二か月ほどで作曲して欲しいと思ってた、なんてエピソードがあります。今の週刊マンガ・月刊マンガに慣れていると、こういった藝術家の人達がマンガを描く時の「作る」意識の違いを面白く思います。

作品の感想

第二章だけ読んでも分からないので、Quolia Junction に行くと冊子風になった「第一章」も置いてあります。

龍子

ストーリーを書くと、某王国で軍事クーデターが勃発。国王は赤子の娘を、マフィアの龍子に与けます。それから十数年後。王女とその親友は龍子の手によって、日本へと逃がされる (ここまでが第一章)。第二章では龍子の過去が語られます。日本に行った王女は? 龍子はこれからどうするのか? 第三章に続く...

初期の BANANA FISH の様な独特の異国文化におけるマフィアの暗躍。軍との軋轢。未来への不安。そして、良質の SF マンガ (超人ロックや BLAME!) で見られる読者に媚びを売らない展開。面白いけれども、まだ第二章じゃ本格的にストーリーが動き始めない。これから先がどうなるか、楽しみです。

写真を撮っても良いよ、という話だったので気に入った画を一枚だけ撮らしてもらいました。「刺狙里・黒霧」という作品です。BLAME! のシボに少し人間臭さを加えたというか、二十面相の娘が大人になった姿というか、そんな雰囲気に魅了されました。

龍子 - 刺狙里・黒霧

「龍子」第二章は Quolia Junction で 4/14 日まで公開しています。

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2012-04-08

5/7 (月) に黒沢誠登ヴァイオリン・ミニコンサート

先日、知り合った東京フィルのヴァイオリニスト、黒沢誠登 (くろさわ まこと) さんから、ミニ・コンサートのお誘いを受けました。

が、開催日はあいにくの帰省中。残念ですが、行くことができません。それでは申し訳ないし、せっかくなので、ミニ・コンサートの宣伝をしておきます。

黒沢誠登ヴァイオリン・ミニコンサート

  • 日時: 2012 年 5 月 7 日 (月) 18:00〜
  • 場所: グゥ (最寄駅: 本郷三丁目)
  • 入場料: 1,000 円

演目はフリーで、クラシック音楽のツィゴイネルワイゼン、アヴェ・マリア、愛の喜びから始まってポピュラーな曲目も演奏するとのこと。使用するヴァイオリンは、1725 年製のストラディヴァリウス。life@aka: ストラディヴァリウスを弾いてみた で見せて頂いた、あのストラディヴァリウスですね。

もし、時間と興味があったら、是非どうぞ。

2012-04-05

あまあま (志摩 時緒) を読む

あまあま (書籍扱い楽園コミックス)
志摩 時緒

4592710398
白泉社 2012-03-30
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

過去エントリー「7 時間目の音符 (ノート) 1巻目 (志摩 時緒) を読む」でも少し触れていた作品、「あまあま」が遂に単行本になりました。

恋愛ニヤニヤ系のマンガでございます。帯には「一読、床をローリング。」の煽り文句と、「2012 年度悶死セレクション ゴールドメダル確定」などという文字が躍っています。

主人公は高校一年生のカップル。特に際立ったものはないもののグッと来る言葉を放つ宮本祐司と、メガネクール美人・成積優秀・スポーツ万能な原美咲の二人。まあ、この原さんのクールっぷりと祐司くんへの惚れっぷりにまずガツンとくるんですよ。

原さんと言うと、押し倒し。彼氏を押し倒して... はい。彼氏が彼女を押し倒すんじゃなくて、彼女が彼氏を押し倒す。クール美人の意外な一面。

でも、宮本くんのメガネは外す。

原さん「別によく見えなくてもいいでしょ。私だって恥ずかしいんだから」

宮本君「自分で押し倒しといて、今更恥ずいってこの娘はほんとにもうかわいい」

なに、この床をグルグル転がり回りたい感じは!!

これが第一話の二人の会話ですよ。甘い。甘すぎる。

一巻目には八話までを収録。八回転がれるってもんです。

二人は隠れカップルなので、いつかはバレるんでしょうねぇ。その時の宮本君の反応が楽しみです。原さんの反応が楽しみです。他にも、修学旅行。大学受験。二巻目以降で、予想されるイベントは盛り沢山。たまりません。

すきな人ができました

「すきな人ができました」は、宮本くんの友達・高梨くんと、原さんの友達・神崎さんのカップルを描いたスピン・オフ作品。「楽園」web 増刊にて連載。「あまあま」一巻には「すきな人ができました」の第 1 話から第 3 話までが収録されています。

コンピューターを得意にしていながら言うのも何なんですけど、私はウェブ連載が苦手。マンガは手に取って読みたい派。なので、この「すきな人ができました」を読むのは、この単行本が初めてです。ウェブ連載でスピン・オフやって、本編単行本に挟むのは良いですね。

高梨くんと神崎さんのカップルはオープンな彼氏・彼女路線に入っていきそうな感じです。主人公カップルが隠れカップルで、友人達が恋人同士なのは知ってるけど、その友人は主人公達が付き合っているのを知らない。なんか覚えが... ああ、「謎の彼女 X」の主人公・椿/卜部カップルと友達の上野・丘カップルですね。作者の志摩さんは「謎の彼女 X」がお好きのようで。

あまあま prequel

単行本用の描き下ろし。宮本くんと原さんの出会いを描いています。

宮本くんの下心ない言葉が原さんの琴線を揺り動かすわけですが、、、いいなぁ。ほんの数ページで、心が揺れ動く感じがたまらない。もう、この時点で原さん陥落なんじゃないか? ってなもんですが、「本編」によると「宮本くんが告白をした」ということになっているので... 続きがめっちゃ読みたいです!!!