2012-04-09

Quolia Junction で展示されてるノアール・マンガ「龍子」第二章を見てきました

東京は銀座の QUALIA JUNCTION で開催されている「龍子」展に行ってきました。

作者のエルド吉水さんは、パブリック・アート界では有名な人だそうです。パブリック・アートって、駅や公園なんかの公共の場所に置いてある藝術作品ですね。

エルド吉水さんは、2 年前に作品発表を沈黙。そして、去年 10 月にノアール・マンガ「龍子」の第一章を発表しました。そして、3/30 日から第二章を発表と...

色んな意味で異色です。まず発表形式が異色です。Qualia Junction にお邪魔すると、壁一面に原画サイズの「龍子」のマンガが一枚ずつ貼られているんです。冊子になっていないんですね。なので、読者は絵を見る感じで、マンガを読んでいきます。

気に入った画があったら、注文可能。絵の様にして、その画を買うことができます。基本、一枚一万円。絵画とマンガの中間みたいな発表形式ですよね。

作品は、エルド吉水さんが一人で作成。アシスタントは使っていません。そして (だから?)、作品の発表間隔が不定期。昔、映画に音楽が付くようになった頃、クラシック音楽の作曲家に作品を依頼したことがあったそうで、作曲家はオペラやなんかと同じ気分で一年、二年かけて作曲しようとしたのだけれども、映画会社は一、二か月ほどで作曲して欲しいと思ってた、なんてエピソードがあります。今の週刊マンガ・月刊マンガに慣れていると、こういった藝術家の人達がマンガを描く時の「作る」意識の違いを面白く思います。

作品の感想

第二章だけ読んでも分からないので、Quolia Junction に行くと冊子風になった「第一章」も置いてあります。

龍子

ストーリーを書くと、某王国で軍事クーデターが勃発。国王は赤子の娘を、マフィアの龍子に与けます。それから十数年後。王女とその親友は龍子の手によって、日本へと逃がされる (ここまでが第一章)。第二章では龍子の過去が語られます。日本に行った王女は? 龍子はこれからどうするのか? 第三章に続く...

初期の BANANA FISH の様な独特の異国文化におけるマフィアの暗躍。軍との軋轢。未来への不安。そして、良質の SF マンガ (超人ロックや BLAME!) で見られる読者に媚びを売らない展開。面白いけれども、まだ第二章じゃ本格的にストーリーが動き始めない。これから先がどうなるか、楽しみです。

写真を撮っても良いよ、という話だったので気に入った画を一枚だけ撮らしてもらいました。「刺狙里・黒霧」という作品です。BLAME! のシボに少し人間臭さを加えたというか、二十面相の娘が大人になった姿というか、そんな雰囲気に魅了されました。

龍子 - 刺狙里・黒霧

「龍子」第二章は Quolia Junction で 4/14 日まで公開しています。

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