新生インディーズ・レーベル Greenwich Records のファースト・コンピレーション・アルバム「Cue Fanfare!」を手に入れました。この CD を買うきっかけ、プロデューサー・津田 真さんのレーベルにかける想いなどは過去エントリーに書いたので、よければ一緒に読んで下さい。
Cue Fanfare!(Greenwich Trailer Vol.1)
オムニバス 163(g) dulce aereo Miyu Miyu 夜の夢 telescope たらりらん 矢野あいみ 恋のパイナップル 小春 halnote
Amazon に収録曲情報がありません。過去エントリーに書いた収録曲情報を再掲載。
- 三毛猫は左利き/小春
- 白と現/halnote
- 恋の直行便/タトラ
- ミタイ/中田真由美
- みるく/原名蕗子
- 陽だまり/樋口 舞
- ください/おはようメルシー
- かさは あか/今宿えみこ
- ねむりひめ/xpocs
- 星の国/163(g)
- glimps of light/dulce aereo(空気飴)
- 悲しみの林檎/MiyuMiyu
- 4符/夜の夢
- Voyager/telescope
- たいむかぷせる/たらりらん
- ブルーバード/矢野あいみ
- ハニカミヤハニイ/恋のパイナップル
感想
なにぶん、優れた音楽を奏でながら、未だにレーベル契約もなく、無名のままでいるミュージシャンもいます。(中略) そうした音楽とその作り手に、作品的にも金銭的にも正当な評価を与えたい
という趣旨のコンピ・アルバムですから、演奏者もメジャーな人はおりません。よほど (東京の) ライブに通いつめてる人でないと知らないアーティストばかりです。なので、ライナーノートに各曲・各アーティストについて津田さんのコメントが入っています。平均 150 文字。CD を聴きながら、ライナーノートを読む。
アルバムの構成について。津田さんはこう書いています。作成途中で それぞれの楽曲に、共通のテーマや繋がっていくストーリーが見え始めた。そこで、架空の映画のサウンドトラックというニュアンスを持たせて構成してみた
。だから、CD の一曲目に一番良い曲を持って来るようなことはしていません。むしろ、各アーティストが全く別の方向性を持っているのに、一本の流れに乗せる様に構成しています。
特にお気に入りの曲の感想を書いてみます。
三毛猫は左利き/小春
アコーディオン奏者・小春のソロ曲。フランスのシャンソンの調べをアレンジしているのかな? とてもエスプリに溢れた曲。ベートーヴェンのバガテルの様な気楽さと楽しさを、フレンチ風に仕上げた感じ。アルバムの冒頭を飾るのにこれ以上ないという粋の良さを感じました。
ミタイ/中田真由美
アルバム中、最も好きになった曲の一つ。基本、ギター一本による弾き語り。「よる」ってフレーズが何度も使われて、気がついたら頭の中でリフレインしているような曲。シャンソンの様に、メロディーの少ない台詞めいた詞が入っていて新鮮。メロディーも少し「外し」た様な感じで、歌唱力高く歌い上げています。ちなみに、この曲はひめじ国際短編映画祭で 2010 年度監督賞に輝いた片岡翔監督の作品「くらげくん」の主題歌になっているそうです。
かさは あか/今宿えみこ
ピアニスト・有澤かなとの協同活動。津田さんのライナーノート ちょっと不安定なピッチと、天才的なソングライティング
は、この曲を良く現していると思いました。「何だかよく分からないけれど〜」で何度も始まる詞。思わず、引き込まれてしまいます。ピアニストが別に居るのに、ピアノの音がちょっと入り切っていない(?)のが残念。
Voyager/telescope
DJ/ソロ・アーティスト/作曲家の芳川よしのと二十歳のシンガー・カリソの二人組ユニット。打ち込み系で曲作り。ボーカルは抑揚を抑えた歌い方。打ち込み... な曲は苦手な部類に入るんですが、この曲が私を魅了するのは曲の素材。Voyager です。あの太陽系外探査用無人惑星探査機ボイジャー (1977 年打ち上げ) を歌っているのです。SF 好きとしては心に響くものがあります。
ブルーバード/矢野あいみ
ピアノの弾き語り。中田真由美と並んで、本アルバムで最も好きになった曲の一つ。心を癒すスロー・テンポ。息づかいが聞こえる様な臨場感。アップ・テンポでもないのに、胸打つ心臓が鼓動を早める。これは才能だと思いました。
ジャケットについて
ジャケット絵を描いたのは、新進の絵描き・横田沙夜さん。幻想的な絵を描くお人。
絵描きも音楽家も、新進アーティストに光を当てたい、という津田さんの粋が詰まっていますね。
0 件のコメント:
コメントを投稿