モバゲータウン史上最高累計 3600 万閲覧数を記録した超絶ホラー
という言葉にひかれて、「王様ゲーム」とその続編「王様ゲーム 終極」「王様ゲーム 臨場」を読みました (「終極」が 2 巻目、「臨場」が 3 巻目です)。
「アイデアは一流、ストーリーは二流、文章は三流」というのが正直な感想です。「王様ゲーム」という手垢のついたお遊びを、三つの要素「強制参加・実現困難な命令・罰は死刑」で縛ったアイデアが一見非現実でありながら、ホラー小説の凄みを極立たせています。当然、「王様が誰か分からない」というホラーの王道も踏襲。理不尽な「死のゲーム」の枠組は素晴らしいものです。
王様からの簡単な命令を遊び半分で従う冒頭から、命令が常軌を免し始めるストーリー展開はホラー小説のお手本の様です。その命令を知恵をしぼってこなしつつ、王様を見つけようとする前半は王道でした。ただ「王様ゲーム」の中盤から、王様の命令が「読者ウケ」を狙った感じに変わっていったのが残念でした。「王様ゲーム 終極」でもその傾向が強く、ストーリーを紡いでいる感を弱く感じました。
最後に、不満に思ったのが会話中心に進む文章です。「会話」がスムーズにストーリーを展開させるようであるならば良いのですが、「王様ゲーム」の会話は不必要な感情の吐露が多く、洗練されていません。会話に「身」がないので、ページはサクサク進むのですが、主人公に感情移入しづらく読んでいて疲れます。
三作目の「王様ゲーム 臨場」になると、流石にこなれて文章が読み易くなります。ただ、前二作での伏線というかストーリーの破綻の煽りを喰って、なんとかつじつまを合わせようとアップアップしている様に感じました。
マンガ版・映画版
王様ゲームはマンガ化されています。マンガでは、文章の拙さをマンガ家さんがフォローしてくれるので、とても読み易くなっています。1 巻を読みましたが、十分面白いです。2 巻目以降はおそらく王様の命令が「読者ウケ」狙いなものに変わって来るので、そこをどう違和感なくまとめられるかがマンガ家さんの腕の見せ所になるのかな? 上手くいけば、原作より面白いマンガになると思います。期待しています。
王様ゲーム(1) (アクションコミックス)
画・連打 一人:作・金沢 伸明
双葉社 2011-01-28
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また、王様ゲームは映画化が決定し、2011 年夏公開予定となっています。こちらも脚本と配役が上手くいけば... ちょっとだけですが期待です。
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