最近、テン・ホルト (1924- ) のピアノ曲をよく聞いています。
テン・ホルトについては HMV のレビューに詳しいので引用しましょう。
オネゲルとミヨーに師事したオランダの作曲家、シメオン・テン・ホルト[1923- ]は、フィリップ・グラスやスティーヴ・ライヒ(ライク)よりも少し上の世代に属し、若い頃はセリー技法に基づく前衛的な作品なども書いていましたが、後年、ミニマルな作風に移行、ピアノによる心地よい音楽などにより、オランダではかなりの人気を博しています。
今回登場するのはピアノによるミニマル音楽を中心としたセットで、複数のピアノが織り成す連続的で心地よい音の流れが、ときに叙情的に、ときに劇的な表情を見せて実におもしろい仕上がり。
ピアノ作品集 オルデンブルフ、ファン・フェーン、ルッソ(11CD)【CD】-テン・ホルト|クラシック|音楽|HMV ONLINE オンラインショッピング・情報サイト より引用
ここで言うミニマル音楽とは「音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽」のことだそうです。クラシック音楽で「反復」というとカノンやフーガを思い浮かべますが、テン・ホルトのミニマル音楽はもっとシンプルです。複数声部が現れるわけでもなく、同じようなフレーズが繰り返されます。でも、それが少しずつズレて何とも言えない安らぎに至るのです。
今回買ったテン・ホルトのピアノ作品集は、11 枚組で 2,421 円 (お買い得!!)。Brilliant Classics の在庫限り処分品とのことです。収録曲は以下の 6 曲。
- カント・オスティナート
- レムニシャート
- ホリゾン
- インカンタティーIV
- メアンドレス
- シャドウ・ノル・プレイ
「シャドウ・ノル・プレイ」以外はピアノ・アンサンブル (イレーネ・ルッソ、フレド・オルデンブルフ、サンドラ・ファン・フェーン、イェローン・ファン・フェーン) の演奏で各々 2 時間を超える大作。「シャドウ・ノル・プレイ」はピアノ・デュオでフレド・オルデンブルフとイェローン・ファン・フェーンの演奏です。
感想
テン・ホルトのミニマム音楽は、バッハの平均律やベートーヴェンのピアノ・ソナタの様に集中して聞くタイプではありません。ここには、今までのクラシック音楽になかった「浸る癒し」があります。クラシック音楽より BGM や イージー・リスニングに近いと言っても良いかもしれません。だからと言って、テン・ホルトの曲の素晴らしさが失なわれるわけではありません。2 時間に及ぶ大曲。浸って浸って浸りきる。テラスで本を読みながらかけると最高に気持ちの良さそうな音楽です。
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