2008-11-25

パンズ・ラビリンス (El Laberinto del Fauno)

映画「パンズ・ラビリンス」を観ました。スペイン映画。119 分。ジャンルはファンタジー系、それも、正統的な妖精映画でした!

最近のファンタジーで妖精というと、エルフやドワーフを指して、人間とは友好的な存在が多いものです。こういった流れは、おそらく指輪物語に端を発し、最近のライト・ノベルの影響が多きいのではないかと思います。しかし、ヨーロッパの民俗伝承的には、妖精は人間の良き隣人であったわけではありません。代表的な妖精の悪事としては、赤ちゃんと妖精の子供を取り替えられてしまう「取り替え子」があります。また、有名な問答歌「スカーバラ・フェア」で無理難題をふっかけるのも妖精との説があります。ヨーロッパでの妖精は、日本で言うところの「妖怪」に近いものがあるのかもしれません。

パンズ・ラビリンスは、そんな「正統的」な妖精の在り方を前面に出した、出色のファンタジー映画でした。

題名に現れる、「パンズ」を日本語に訳すと「パンの」という意味になります。パンはギリシア神話に出てくる牧羊神です。ちなみにスペイン語原題は「El Laberinto del Fauno」。日本語に訳すと「Fauno の迷宮」。ここの「Fauno」もローマ神話のファウヌス。つまりはギリシア神話の牧羊神に対応する神様です。

パン神は主人公オフィリアを、かつて失われた妖精の姫と認め、妖精の国へ戻るために 3 つの課題を出します。果たしてオフィリアは本当に妖精の姫なのでしょうか? それとも、妖精たちに騙されて妖精の世界へと誘い込まれているのでしょうか? ちょっとダークな妖精映画ですが、最近のアクションばかりに力の入ったファンタジー映画に疲れてしまった方々にはおススメの一本です。

パンズ・ラビリンス 通常版 [DVD]
フェアリー・テール〈上〉 (ハヤカワ文庫FT) フェアリー・テール〈下〉 (ハヤカワ文庫FT)

PS. もしこの映画を気に入るようなら、レイモンド・E・フィーストの「フェアリー・テール」も気に入られることでしょう :)

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