2010-12-23

オネゲルの交響曲第 2 番 (ミュンシュ、プラッソン)

今日の初め、なお&トラさん邸に訪問して色々音楽を聞かせてもらいました。色々な曲を聞くので、アルバムの中からお勧めを一曲、という聞き方をしたわけですが、一つだけ全曲通して聞かせてもらった曲がありました。それが、オネゲルの交響曲第二番です。

アルテュール・オネゲル (Arthur Honegger) はフランスの作曲家。1892 年生まれ、1955 年没。フランス 6 人組の一人です。ところで、フランス 6 人組って誰がいるんでしょうね? 名称は有名ですが、作曲家に誰が名を連らねているのか知りません。Wikipedia によると、次の 6 人だそうです:

  1. ルイ・デュレ (Louis Durey, 1888年-1979年)
  2. アルテュール・オネゲル (Arthur Honegger, 1892年-1955年)
  3. ダリウス・ミヨー (Darius Milhaud, 1892年-1974年)
  4. ジェルメーヌ・タイユフェール (Germaine Tilleferre, 1892年-1983年)
  5. フランシス・プーランク (Francis Poulenc, 1899年-1963年)
  6. ジョルジュ・オーリック (George Auric, 1899年-1983年)

うわぁ、マイナーな名前が並んでいますね。私はプーランク以外知りません。オネゲルも今回、なお&トラさんに初めて教えて頂いたようなものです。

閑話休題。

オネゲルの交響曲第二番です。この曲は、ベートーヴェンやモーツァルト、もしくはメンデルスゾーンやブラームスの様な交響曲とは随分と曲の感じが違います。同じ「交響曲」と言っても、時代の差を感じます。フランスというお国柄もあるのでしょうか、エスプリを感じる交響曲ですね。そういう意味では、ドビュッシーの管弦楽曲などに雰囲気が似ているかもしれません。

なお&トラさんのお宅で聞かせてもらったのは、シャルル・ミュンシュがパリ管を指揮した LP でした。ミュンシュらしく非常に華やかな演奏でした。そして面白く思ったのは、この交響曲、モーツァルトの協奏交響曲よろしく色々な管楽器がソロで活躍するシーンがあるのです。ミュンシュの指揮は、そのソロを見事に盛り上げていて、非常に面白いものでした。

オネゲル: 交響曲第 2 番 (1968)
オネゲル:交響曲第2番、他

と、ここまで物知り顔で書いてきましたが、実は曲を聞いた時、私は作曲家の名前も曲名も知りませんでした。帰宅後、改めてなお&トラさんに尋ねて教えてもらったのでした。

それで自分の CD 棚を漁ってみたところ、オネゲルの交響曲第二番を 2 枚持っていることを知りました:

  • ミュンシュ指揮パリ音楽院管弦楽団 (1942)
  • プラッソン指揮トゥールーズ市管 (1979)

せっかくなので、こちらの感想も書いておきます。

ミュンシュ指揮パリ音楽院管弦楽団 (1942)

20th Century Maestros

The 20th Century Maestros (40 枚組ボックス) からの一枚。分売はおそらくされていないと思われます。

オネゲルの交響曲第 2 番は 1941 年完成、1942 年 5 月 18 日初演だそうです。ライナー・ノートによると、このミュンシュの録音は 1942 年録音とのみ記されています。初演が 1942 年の 5 月ですから、初演後間もなく録音されたのでしょう (もしかしたら初録音だったのかもしれません)。

1968 年盤がステレオなのに対して、1942 年盤は当然モノラル録音です。でも、曲の色彩感がちゃんと出ているのは、流石ミュンシュです。管楽器がソロ演奏する部分は、他の音に埋もれてしまって、ちと分からないです (なお&トラさんのオーディオ・システムが凄いのでソロ演奏がちゃんと聞こえたのでは? という疑いもあり)。でも、勢いがあって良い演奏です。

プラッソン指揮トゥールーズ市管 (1979)

Musique Francaise

ミシェル・プラッソンのフランス音楽ボックス (37 枚組ボックス; 6 千円位) の CD31 に収録されているものです。分別ではオネゲルの交響曲全集 (2 枚組; 1200 円程) としているものとおそらく同一です。

Symphonies No 1-5

この演奏を聞いて、まず最初に驚くのは「管」がないことです。どうやら、オネゲルの交響曲第二番には、「弦楽のため」のバージョンと「弦楽とトランペットのため」のバージョンの 2 つがあるらしいのですね。そして、プラッソンが選んだのは「弦楽のための交響曲第二番」だったようです。

「管」がないだけで、曲の雰囲気が随分変わります。まるで別の曲の様です。

またミュンシュの演奏が勢いがあるのに対して、プラッソンの演奏は少し落ち着いている感じがあります。これは指揮者の違いもあるでしょうし、管楽器がないことの差でもあるのでしょう。ミュンシュの演奏を聞いた後だと、盛り上がりというか、パッションが足りないように感じます。でも、単体で聞いてみると静かで穏かな感じになります。

あとがき

最近は、「弦楽とトランペット」版と「弦楽」版とでは、別の曲と意識して聞く方が良いのではないかと思っています。つまり、「弦楽」版は比較的落ち着いて聞くもの。弦楽器の美しさを味わうもの。一方、「弦楽とトランペット」版は弦楽器と管楽器のコラボレーションを楽しむもの。曲風の鮮かさを味わうもの。という感じです。

というわけで、聞き比べというより 2 種類の「交響曲第二番」の違いを楽しむだけになってしまいました。

2 件のコメント:

  1. いつもながら、とても参考になる曲評有難うございます。「弦楽」盤を手に入れたいと思います。
    おそらくかなり違う印象になるのでしょうね。
    また年明けにでも聴きに来てください。印象がまた変わっていると思います。

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  2. nao さん、こんにちは。
    誉めて下さると、なんかこそばゆいです ^^;

    日取りが合えば、年明けに伺いたいものです。そのとき、弦楽盤も持参いたしましょう。

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