モンのチェロ協奏曲をジャクリーヌ・デュ・プレの演奏で聴きました。
作曲者のモンは、フルネームをマティアス・ゲオルク・モン (Matthias Georg Monn) といって、1717 年生まれ 1750 年死去のオーストリアの作曲家です。33 歳で亡くなりました。モン生誕 2 年後にウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの父レオポルド・モーツァルトが、15 年後にハイドンが生まれています。時代としては、バロックが終わって宮廷音楽が華やかになる頃合いに活躍した作曲家ということになりましょうか。
今回、この記事を書くに当たって調べて知ったのですが、モンはチェロ協奏曲を書いていません。モンの書いたチェンバロ協奏曲を 20 世紀の作曲家シェーンベルクがチェロ協奏曲へと編曲したのが本作となります。
演奏は、宮廷風の華やかな管弦楽に、デュ・プレの陰を持ったチェロの響きが入ってきます。チェロにだけ耳をすますと牧歌的に聞こえるのに、オーケストラは宮廷風に鳴っているのはミス・マッチ!? いやぁ、そこを味があると思って聴くのがこの演奏の楽しみじゃないでしょうか。知らない作曲家なので、つい敬遠しがちですが聞いてみると意外と心安らぐ良い曲・良い演奏ですよ。
機会があれば、オリジナルのチェンバロ協奏曲も聴いてみたいものです。
多くの人が誤解しています。シェーンベルクはモンのト短調のチェロ協奏曲を校訂し、それとは別にモンのニ長調のチェンバロ協奏曲を素に編曲したチェロ協奏曲があるのです。Jacqueline du Préによる演奏はモンのト短調のチェロ協奏曲(シェーンベルクが校訂)したものです。ニ長調のチェロ協奏曲も、モンのニ長調のチェンバロ協奏曲もYou Tubeで聞くことができます。
返信削除