2008-06-20

オーケストラ指揮法 〜 すべての人の心をひとつにするために (高木 善之)

クラシック音楽が好きです。オーケストラの指揮者に関する本だと思って、本書を借りました。図書館では、第一章をパラパラめくって、エッセイ風な「音楽」の本だと思いました。しかし、改めて「前奏 (まえがきに当たります)」を読んで、思い違いをしていることが分かりました。

オーケストラ指揮法は究極の人間関係、究極の経営です。

オーケストラ指揮法を通して人間関係について述べます。

「人間関係」の本でした。作者は、NGO「地球村」の代表者ということです。

本書は 4 部構成です。全部で 320 ページ程。そのうち第一部 (約 120 ページ) は、オーケストラの指揮について書いてあります。ここは文句なしに面白かったです。オーケストラの入門、指揮者の役割が、素人にも分かるように書いてあります。

例えば、オーケストラについての説明。

管楽器は音が大きく、弦楽器は音が小さいため、音量のバランスを取るために管楽器 1 人に対し、第 1 ヴァイオリン 4 〜 6 人、第 2 ヴァイオリン 4 〜 6 人、ビオラ 2 〜 4 人、チェロ 2 人、コントラバス 1 〜 2 人 程度必要です。

知りませんでした ^^;

もしくは、指揮者の仕事のまとめ。

  • 曲の解釈
  • テンポを決める
  • 強弱などの表現
  • 気分の高揚、イメージづくり
  • アインザッツ (Einsatz, 休止後の曲の入りの指示)

他の人に、「指揮者って何をしているの?」と聞かれた時、物知り顔で答えるのに役に立ちそうです :p

クラシック音楽 (管弦楽曲) を聴き始めたばかりで、オーケストラについて基礎知識を得ようという場合、難しく書いてないので本書はおすすめです。

第 2 部以降

第 2 部以降は、高木氏の人生経験が書かれています。交通事故に遭ったこと。入院中に今までの人生を振り返ったこと。復帰してからの活動。

内容が音楽から離れてます。二部以降は、管理者に興味がある人向きな内容です。音楽にしか興味がなければ、読まなくてもいいでしょう。そういう意味では、音楽好きが図書館で借りてパラパラっと読むのに適しているように思います。

最後に、第 3 部で、目から鱗な文章があったので備忘録がわりに引用します。

仕事の目的は、仕事の成功ではありません。

コンピュータを作ることは目的ではなく手段です。

利益を上げることも目的ではなく結果です。

仕事の目的は、仕事を通じて幸せになることではないでしょうか。

管理職の仕事の目的は、メンバーの幸せを現実することではないでしょうか。

メンバーの幸せを実現すれば、仕事はおのずとうまくいくものです。

私はここまで達観できません。でも、仕事量に追われる毎日に、思い出したい言葉です。

新版 オーケストラ指揮法 すべての心をひとつにするために

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