山本久美子作品が好きな安宅です。かなり遅くなりましたが、「あだしもの」第 3 話「人形は希う」の感想です。
第 3 話はセンターカラーの 50 P。しかも第 1 巻が 6/4 発売。と、ハイペースで動き周っている「あだしもの」。作者の山本さんは新人さんなんで、こんなハイペース大丈夫かしらん? と読者ながらに心配になってしまいます。
それはそうと、第 3 話の感想です。今回もハートフルな一編。お守り「卯ノ花」の願いを叶えようとする怪現部。
「小さな世界しか知らないままだったら」「元気になって色んな景色を見せたいのか」
「こんなにも変わったんだ」「案外小さなことがキッカケになるんだよ」
相も変わらず、心に響く言葉が流れます。
しかし現実は残酷なもの。卯ノ花は「流し雛」であり、自らが滅ぶことで人の願いを叶える存在だったのです。卯ノ花と出会い、卯ノ花の願いを知り、卯ノ花と別れ、思わぬ形で卯ノ花と再会する。見事な起承転結です。最後に救いのあるところが、山本作品の良い所。心がホックリときます。
そうそう、「あだしもの」自身にも 3 つの変化です。一つは新人物の登場です。絡繰細工屋兼妖怪万屋の「キッカイ屋」店主こと九鬼。二つ目は名前だけしか出てきませんが、三人目の怪現部員の存在。「ミズホ」「先輩」「お休み中」しか分かっていませんが、今後のストーリーに絡んで来ることでしょう。そして三つ目は九鬼が主人公・孝の祖父と知り合いであった事実。灰塚厳流、お前の孫の孝は、家族の望む道の真逆を選んで歩き出したようやで?
。この台詞の意味するところは一体?
はい。第 4 話が楽しみです。
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