2009-01-25

「それでもクラシックは死なない!」の欲しい CD メモ

「それでもクラシックは死なない!」というクラシック CD の紹介本があります。作者は、アリア CD の店長をしている松本大輔氏。アリア CD は、クラシック音楽専門のネット・ショップ (しかも会員制)。大手 (HMVTower Records) が扱っていない海外盤を中心に、コレは! という CD を販売しています。その選盤とコメントの面白さを、書籍にしてしまったのが本書というわけです (正確には、本書は二冊目で「クラシックは死なない!」という前著があります)。

もとがマニアなクラシック音楽愛好家向けのネット・ショップですから、紹介されている CD も、大手での取り扱いがなかったり、既に廃盤になっているものもあります。そして、物欲を刺激される CD も多い。困ったものです。

私のような金欠の人間には、これらの CD が話題を呼んで、大手レーベルから廉価に発売されるのを願うばかりです。

それでもクラシックは死なない!

メモ書き

本書は図書館で借りた本なので、返さないといけません。欲しいと思ったディスクをメモしておきます。

ヘルベルト・ケーゲル 1989 年 10 月 18 日 サントリー・ホール・ライヴ

『田園』。ようやくほっとできる正常で美しい世界。……と思っていたら、最後の最後に衝撃の楽園が待っていた。音楽は突然それまでと表情をまったく変える。止まってしまうかのような、というより止まっているより遅く感じられる超スロー・テンポ。

そして最後の『G 線上のアリア』。……絶句。「この曲が終わったら一緒に死にましょう」と言われたら、つい「はい」と答えてしまいそうな。

  • ベートーヴェン『「エグモント」序曲』『交響曲第 6 番「田園」』 ALTUS ALT 055、2190 円
  • ベートーヴェン『交響曲第 5 番「運命」』、バッハ『G 線上のアリア』 ALTUS ALT 056、2190 円

ともに、ケーゲル指揮、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、1989-10-18、サントリー・ホール

ファソリスのヴィヴァルディの四季

ビオンティ盤を凌ぐとの紹介の『四季』。

  • ヴィヴァルディ『四季』『マンドリン協奏曲 RV.425』『協奏曲 RV.128』『ヴァイオリン協奏曲 RV.363』『協奏曲 RV.151「アラ・ルスティカ」』、ドゥイリオ・ガルフェッティ (Vn, マンドリン)、ディエゴ・ファソリス指揮 イ・バロッキスティ、2001-4-28..30, 6-12、CLAVES 500-2204、2090 円

アチューカロ、夜にまつわるピアノ曲集

よく分からないけど、いいらしい。こういうコンセプト・アルバムも一枚持っておきたいな。

  • 『夜〜夜にまつわるピアノ曲集』、ホアキン・アチューカロ (pf)、1998 年、ENSAYO ENY-CD-9806, 1990 円。

ルケシーニのベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全集

アンドレア・ルケシーニ。吉田秀和が、レコード批評で絶賛し、その後ライブを聴いて評価を覆えした人物。ベートーヴェン全集は、よいとのお話。

  • 『ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ全集』アンドレア・ルケシーニ (pf)、1999-2001、STRADIVARIUS STR 33669、8 CD、6000 円。

ケーゲルの Capriccio ボックス

うかつにも軽く 8 枚目のアルビノーニの『アダージョ』を聴きはじめてしまった。

瞬間、この殺人的抒情の前に事務所中の空気が凍りついた。誰一人としてそれからの 10 分間手を動かすことはできなかった。

怖いもの見たさ。ちょっと聞いてみたい。

  • ケーゲル指揮、ライプツィヒ放送交響楽団、1989-1987、CAPRICCIO 49314、8 CD、3300 円

リヒテルのインスブルック・ライヴ

BMG スタジオ盤の数か月あとのライブ録音。

演奏はいかにもライヴラしく、BMG 盤をさらにロマンティックに激しく、甘くしたもの。すべてが BMG 盤を凌駕しているとはいわないが、スタジオ盤にはない楽しさ、わくわく感がある。前時代的なヴィルトゥオーゾ・スタイルのロマンティック・バッハ、という性格はこの盤でさらに推し進められている。

  • バッハ『平均律クラヴィーア曲集全曲』リヒテル (pf)、1973-7,8、インスブルック、中国 POLO 86080、4 CD、4800 円

シモノフのチャイコフスキー「1812 年」

ご存じのようにこの曲、最後のところで大砲の音がかぶさり、その轟音で聴く者を驚かせ喜ばせる。シモノフ、ここでやっちゃうのである。

通常数発ぶち込んで終わり、といところをシモノフ、ついに常軌を逸して狂ったように大砲乱射。最後の最後には弾楽庫に火がついたか、連鎖大爆発を起こしてしまう。

そんなオ下劣演奏、聴いてみたい。

  • チャイコフスキー『幻想序曲「ロメオとジュリエット」』『イタリア奇想曲』『エフゲニー・オネーギンからワルツとポロネーズ』『序曲「1812 年」』ユーリ・シモノフ指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、1994、RPO 204415、990 円

シモノフの『幻想交響曲』

最高傑作なんですって。

この鐘の音は何なんだ?

やっぱり、『幻想交響曲』は鐘ですよ。

  • ベルリオーズ『幻想交響曲』ユーリ・シモノフ指揮、スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団、1994、スロヴェニア・フィル自主制作盤、SF 994014、2500 円

トーマス・ファイのニューイヤー・コンサート 2004, 2005

『カルメン序曲』が超快速テンポ。ラデツキー行進曲には手拍子つき。ウィーン・フィルじゃないニューイヤー・コンサートも持ってていいかな。

  • 『2004 年ニューイヤー・コンサート』トーマス・ファイ指揮、ハイデルベルグ交響楽団、2004-01-01、ハイデルベルグ響自主制作盤、CDHS 040101、2500 円
  • 『2005 年ニューイヤー・コンサート』トーマス・ファイ指揮、ハイデルベルグ交響楽団、2004-01-01、ハイデルベルグ響自主制作盤、CDHSL 050101、2500 円

ビーバーの『ロザリオ・ソナタ』

最終曲パッサカリアが美しいらしい。スザナ・ラウテンバッハーのアルバムがいいらしいけど、他にも面白そうなのが揃ってる。

装飾たっぷりで神秘的な色合いの強いピエロー盤 (ALPHA)、ムンと匂ってきそうな体臭を感じるレツボア盤 (ARCANA)、先鋭的な解釈に何度も驚かされるビスミュート盤 (ZIG ZAG)、シンプルなスタイルのなかでストイックにヴァイオリンの技を極めるマンゼ盤 (フランス HM)、きめこまやかなハジェット盤 (ASV)、厳かな雰囲気と抜群のテクニックを誇るレイター盤 (SIGNUM)、才気あふれる感受性豊かなエドゥアール盤 (K617)、堅実でシンプルななかに清楚な味わいも見せるホロウェイ盤 (VIRGIN)、変わった構成のベズノシウク盤 (AVIE)

  • ビーバー『ロザリオ・ソナタ』ズザナ・ラウテンバッハー (vn)、ルドルフ・エウェル領ガ領.(鍵盤楽器)、ヨハネス・ロッホ (ガンバ)、1962、VOX BOX CDX5171、2 CD、1600 円

伊福部昭『SF 交響ファンタジー第 1 番』

ゴジラ

  • ドミトリ・毎ブロンスキー指揮、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、2004、NAXOS 8.557587J、990 円

シルヴェストリのチャイコフスキー『交響曲第 4,5,6 番』

シルヴェストリ・ボックス (DISKY) が出たときに「なぜチャイコフスキーの『第 4、5、6 番』が入ってないんだ」と思った方は多いはず。

  • チャイコフスキー『交響曲第 4,5,6 番』コンスタンツィン・シルヴェストリ指揮、フィルハーモニア管弦楽団、1957、Disky DCL706752、2 CD、900 円

ケンペ 3 大名曲集

『幻想』のコケおどしでないすごみ、『新世界』の朗々とした渋みある歌わせ方、そして最高なのが『シェエラザード』

3 曲とも好き。TESTAMENT の 12 枚組みボックスにも収録されているらしい。

  • ケンペ指揮、ロイヤル・フィル及びベルリン・フィル、1966-11, 1957-09, 1959-03、DCL706742、2 CD、900 円

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