一昨日のこと。オーディオ好きな友人との会話。(注) 記憶を頼りに書いているので、会話文は忘却フィルターがかかってます。
友: 「最近、名盤に興味があるんだよね」
私: 「ああ、いいことじゃない。例えばどんなの?」
友: 「マイ・フェア・レディなんか聞きたくてさ」
私: 「お、マイ・フェア・レディ。いいよね。でもなんで、マイ・フェア・レディ?」
友人の好きなジャンルはブルーズやビートルズ。最近はクラシック音楽にジャズが加わっています。なので、サントラの「マイ・フェア・レディ」を欲しがるのにはびっくりしました。
友: 「マイ・フェイバリット・シングスでさぁ、どのレコードと (レコード用の) カートリッジが合うか、ってのやってて。そこで取り上げられてたんだよね」
私: 「そこは CD じゃなくて、レコードなんだ」
はい、友人はレコードも嗜むのです。って気軽に相槌打ちましたが、ちょっと待って下さいよ。少し日本語が分からない。「マイ・フェイバリット・シングス」は「サウンド・オブ・ミュージック」の曲です。もしかして、友人、「サウンド・オブ・ミュージック」と「マイ・フェア・レディ」を混乱している?
そこへ畳みかけるように。
友: 「モノラル盤とステレオ盤の聞き比べもしてみたいんだよね」
私: 「うん、うん。ジュリー・アンドリュースいいもんね」
疑問は棚上げにして、話を聞きます。モノラル盤とステレオ盤。「マイ・フェア・レディ」の CD はステレオ盤しかないはず (レコードにモノラル盤があるのかどうかは知りませんが)。モノラル盤とステレオ盤と言えば、ミュージカルの方でしょうか。1956 年録音のオリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤はモノラル盤、1959 年録音のオリジナル・ロンドン・キャスト盤はステレオ盤。どちらもメイン・キャストは同じですが、アレンジが違っていたりして聞き比べるのも楽しいものです。ちなみに映画版のイライザ役はオードリー・ヘップバーンが演じ、マーニ・ニクソンの吹き替えでした。ミュージカルでイライザ役をやっていたのはジュリー・アンドリュースです。ミュージカル盤を狙うとは、友人の今までの方向性からすると大転換です。
そこへ衝撃の一言。
友: 「ジャズのアルバムとして大ヒットしたらしいよ」
私: 「???」
ジャズ?
「マイ・フェア・レディ」はミュージカルでしょ? どこを、どうやったらジャズになる? あ、もしかしたら
私: 「シェリー・マンの『マイ・フェア・レディ』か!」
というオチでした。
蛇足
シェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」は、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の曲をジャズ・トリオにアレンジしたものです。ピアノはアンドレ・プレヴィン、ベースがリロイ・ビネガー、そしてドラムがシェリー・マンでした。ミュージカルをジャズ・アレンジしたアルバムの中でも名盤と呼ばれているものです。
途中で混乱を誘った「マイ・フェイバリット・シングス」とは、雑誌「管球王国」(オーディオ雑誌の一つ) の連載の一つで、シェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」は 2008 年秋号 Vol.50 で取り上げられたようです。
友人はミュージカルにさほど興味を持っていないはずなのに、と最初は訝しんだものです。ですが、ジャズのアルバムということで大いに納得しました。ジャズなら友人の守備範囲内ですからね。
そうそう、このシェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」。私も欲しいんですよ。いつか買いたいと思って、Amazon のウィッシュ・リストには入れてあるんです。もちろん私は CD を買いますがね。
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