映画「ウォッチメン」を観て来ました。163 分。R15 指定。
半端なく面白かったです。2009 年、「ウォッチメン」を超える映画が現れることを私は想像が出来ません (エヴァ劇場版「破」を除く)。
ウォッチメンは、アメコミ「ウォッチメン」の映画化です。
『ウォッチメン』(Watchmen)は、アラン・ムーア原作、デイブ・ギボンズ作画による、12巻のアメリカン・コミックである。最初のシリーズは1986年から1987年にわたり、DCコミックから月刊誌として出版され、後にグラフィックノベルとして一冊にまとめられた。
ウォッチメン - Wikipedia より引用
最近のアメコミ映画は、大人の鑑賞に耐える作品が多いですね。ウォッチメンもその流れにあるものです。個人的には、「ダークナイト」と「スーパーマン・リターンズ」と「スパイダーマン 2」を足して 2 で割ったような作品だと思っています (友人は「ダークナイト」と「スーパーマン・リターンズ」と「X メン」を足して 3 で割った作品とも評していました)。まぁ、とにかく完成度が高いです。
最初の一時間は、映画の背景・世界観が小出しに現れます。ストーリーを追うだけで大変です。アメリカはソ連との冷戦の真っ最中。緊張が高まり、何時、核戦争が始まってもおかしくない情況。ヒーロー行為 (コスチームを着た自警行為) は条令により数年前に禁止。ヒーローはみなリタイア。Dr. マンハッタンと呼ばれるヒーロー唯一人が、ソ連に対する抑止力になっている。ウォッチメンが他のアメコミと一線を画しているのは、政治的な背景を持っていることでしょうか。
登場人物の関係も複雑です。作中には主要なヒーローが 6 人登場します: コメディアン、ロールシャッハ、Dr. マンハッタン、ナイト・オウル、シルク・スペクター、オジマンディアス。ある者は人間性を失ないかけ、ある者は犯罪者として追われ、ある者は隠遁し、ある者は億万長者になっている。友情もあるけれど、「ナチス野郎」とか「狂ってる」なんて人物評もある。正直、ヒーロー同士仲が良くない。。。ウォッチメンのチームワークの悪さ (?) を見ると、「X メン」での仲違いが学園モノに思えてしまうほどです。
そんな中、ヒーロー・コメディアンが暗殺されるところから、物語は始まります。
ちなみに、この暗殺シーンでかかっている音楽はナット・キング・コールのアンフォゲッタブル。なんともノスタルジーな音楽ではありませんか。音楽と映像の融合という点でも「ウォッチメン」の質は高いです。ラスト・シーンでかかるのはモーツァルトのレクイエム。私は鳥肌が止まりませんでした。
話を戻して、暗殺の話。誰がコメディアンを殺したのか? ウォッチメンはアメコミで SF ながら、政治的な背景を取り入れつつ、深みのある人間像を構築した上で、ストーリーがしっかりしたサスペンスになっているのですね。これで面白くないはずがないでしょう。一点不満を言えば、上映時間の長さですが、きっと映画を観終わったら分かると思います。160 分は必要な長さだったと。
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