2006-09-29

2006 年 10 月の映画の日は日曜日

題名の通りでございます。2006 年 10 月 (つまり来月ですね) の映画の日 (10/1) は日曜日です。

昨日、親からのメールで知りました。

全く忘れていましたね。九月 (今月) の映画の日は、life@aka: スーパーマン・リターンズという大きな話題作 (私にとっての) があったので、チェックしていたし、その翌週には「X-MEN: ファイナル・ディシジョン」も観てしまったのですが、十月分はノーチェックです。今、何か面白い映画やってるんでしょうか?

せっかく時間も余裕を持って取れることですし、お財布にも優しい日ですから、何か大きなスクリーンで観てみたいものです :)

2006-09-15

Georges Cziffra の 63 年ライブ

ジョルジュ・シフラ (Georges Cziffra, 1921-1994) は私の大好きなピアニストの一人です。ハンガリー生まれ。超絶技巧を得意にするも、時代に受け入れられず、不遇に低く評価されたピアニストだったそうです。

彼の録音を聴く人は、絶賛するか拒否するかの大きく二つに分かれます。シフラの演奏は、一言で言えば個性的。極端な加速。突然のテンポの変化。開陳される超絶技巧。時々加わるシフラ編曲。これらの個性を受け入られれない人はシフラの演奏から去って行きます。そして、「これこそシフラの歌なのだ」と言える人がシフラにハマるのです。私は、当然、後者です。

そんなシフラの代表盤と言えば、リストのハンガリー狂詩曲全集とアルバム「ピアニストへのメッセージ」が挙げられるでしょう。シフラは、技巧曲の中でも、特にリストを得意にしており、「シフラが弾くと何でもハンガリー狂詩曲になる」との陰口もあるほどです。そんなシフラの弾くハンガリー狂詩曲なのですから、悪かろうはずがありません。もう一つのアルバム「ピアニストへのメッセージ」にはブラームスのハンガリー舞曲が入っています。本来は四手のこの曲集を、シフラ自身が二手版に編曲・演奏しています。これがまた、半端ない編曲なんですね。とても難しい。そしてエキサイティング。私は、ハンガリー舞曲第 6 番を聴いて、吹き出してしまいました。途中に出てくる低音の打鍵が、下品で予想外なのですよ。

さて、国内盤で手に入るシフラの CD は、全てスタジオ録音です。しかし、シフラの本領はライブにあったと言われています。

スタジオ録音だけでも凄い演奏なのに、ライブではもっと淒かった。

そう聞くと、是が非にでもライブ録音が聞きたくなります (実は、私はシフラのライブ録音を持っていません)。話によると、1963 年のライブがスゴいとのこと。

この 1963 年のライブは、特に入手困難なのだそうですが、ついに国内でも手に入る機会がやってきました。

グレート・ピアニスツという 10 枚組ボックスの一枚として、シフラの 63 年ライブが収録されるというのです。お値段、10 枚一セットで 2309 円。一枚当たり、231 円! 発売日は、2006-09-20 予定が延期されて 2006-10-31 とのこと。早く聴いてみたいと、期待の膨らむ今日この頃です。

リスト:ハンガリア狂詩曲全集
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シフラ(ジョルジュ) リスト


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超絶のブラームス
シフラ(ジョルジュ) ブラームス
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2006-09-13

みな川 夏のそば膳


みな川 夏のそば膳
Originally uploaded by @aka.
Flickr からのブログ投稿テストです。

写真は、京都は左京区にある「みな川」というお蕎麦屋さんのお蕎麦です。こちらのお蕎麦屋さんでは、四季に合わせた蕎麦膳を出しておられます。夏は、ぶっかけそばに一品、それとご飯です。ぶっかけそばには、鱧のてんぷらに、大根おろし、みょうが、きゅうりに海苔が乗っていて、写真まん中の壺に入っているそばつゆを注いで食べます。お値段、1300 円。ごはんを白ごはんから、変わりごはんに変えると、100 円増しです。

私は、四季のそば膳の中で、この「夏」が一番好きです。残念ながら、夏のそば膳は 8 月一杯で終了です。この写真は、夏の終わりの最後の営業日に、みな川を訪ねて撮ったものです。

みな川では、もう、秋のそば膳が出ている頃でしょう。

2006-09-03

「謎の彼女 X」(植芝理一)

今、マンガ雑誌の「月刊アフタヌーン」で、楽しみにしているマンガが三つあります。

一つは、「おおきく振りかぶって」(ひぐちアサ)。もう一つは、「ヒストリエ」(岩明均)。そして最後の一つが、「謎の彼女 X」(植芝理一) です。この内、「おおきく振りかぶって」と「ヒストリエ」は単行本が複数冊出ているので、知っている方も多いかと思います。

一方、「謎の彼女 X」は、2006/05 月号から連載が始まったばかりのニューフェース。単行本も、第一巻が 2006-08-23 に出たばかりです。ご存じない方もいらっしゃると思うので、ここで紹介します。

なぞ...

この作品のキーワードは「謎」です。そして、小道具に「よだれ」と「ハサミ」が登場します。

物語は、「謎」な女の子卜部と普通の少年椿の恋愛模様です。卜部さんは、こんな所で謎です。

  • 授業中に椅子を倒す程の大爆笑をする
  • 誰かは分からない声を聞いてしまう
  • パンツにハサミを挟んでいる
  • 彼女になっても、彼氏と「手を繋ぐ必要はない」と考えている

しかし、何といっても一番謎なのは、彼女と絆がある男の子は、彼女の「よだれ」に影響を受けることでしょう。ここで、彼女にとって絆がある男の子とは、彼氏になる男性を指すようです。つまり、主人公の椿君がその対象ですね。

椿君は、彼女に恋をして、よだれをなめてしまいます。その結果、5 日間も学校を休むハメに... 見舞いに来た卜部さんが言うには、原因は禁断症状とのこと。つまり好きな女の子のよだれを再び舐めたいと... 要点をまとめると、「恋の病」!! 椿君は、彼女のよだれを舐めて全快します。先程、椿君を普通の少年と書きましたが、この時点で彼も「普通」から足を踏み外していますね。主人公の名前が「つばき (唾)」な時点で、出会いは運命だったのかもしれません。

結局、二人は付き合うことになりますが、そこまでの話が読み切り掲載された分です。つまり、「謎の彼女 X」の連載は、二人が付き合い始めた所から始まります。従って、付き合うまでの読み切りエピソードは、第 0 話として収録されています。

面白いことに、大低の恋愛マンガが、主人公とヒロインの告白をクライマックスに持って来るのに、「謎の彼女 X」はそこがスタート地点なのですね。そして、この手のマンガでは、主人公が (何故か) 続々と女の子に言い寄られて優柔不断に陥るものですが、椿君は (今のところ) ヒロイン一筋です。そんな彼の言葉を引用してみましょう。

たしかに…… さっき会ったあの子は―― おれが以前片想いしてた女の子で…… 今日久しぶりに会ってやっぱり美人だなって思ったし…… 誘いをことわった時は 正直 ちょっと惜しかったな――って思ったけど…… でも 今一番好きな女の子は―― やっぱり卜部だから…… それは―― 絶対本当だから……

男の子らしい台詞にも感心することながら、マンガのセオリー的流れを無視した展開に、クラクラです。先が読めません。いくつもの、恋愛マンガの王道を破っているにもかかわらず、気付けば「謎の彼女」の不思議な魅力に引き寄せられているんですね。

ん? どれ位い魅力的かって?

少くとも、こんなエントリーを書いてしまう位いに面白いです。

もっと詳しいエントリーを、マンガがあればいーのださんがスクリーン・ショット付で書いておられます。併せて読んで頂ければ、参考になるかと。

謎の彼女X 1 (1)
4063144240
植芝 理一


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2006-09-01

スーパーマン・リターンズ

今日は映画の日です。そういったわけで、「スーパーマン・リターンズ」を観てきました。

監督は、「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガー (スーパーマンのために、「X-MEN」シリーズ最終章「X-MEN ファイナル・ディシジョン」の監督を降りたとか...)。主役のスーパーマンには、ニューフェイスのブランドン・ラウス。敵役レックス・ルーサーには、ケヴィン・スペイシー。ストーリーは、前作「スーパーマン 4 最強の敵」(1987 年製作) から 5 年後という設定です。

映画を観て嬉しかったのは、旧スーパーマン・シリーズと雰囲気が変わっていないことでした。新顔ブランドン・ラウスは、クリストファー・リーブと顔が似ていて、もしかしたら、リーブより男前かもしれません。クラーク・ケントの時のサラリーマンっぷりと、スーパーマンの時のヒーローぶりをちゃんと演じ分けていて、好印象でした。スーパーマンの活躍っぷりも、常識的に考えればそれはないでしょうって展開 (第一作でやった地球の自転を戻しちゃうみたいなやつね) が、「スーパーマンなら、それ位いやるんです」って言わんばかりに繰り広げられる様は気分がよかったです。理屈云々言う SF 映画もいいですけど、何も考えずスーパー・ヒーローの活躍する映画も見てみたいんですよね。音楽も、お馴染みのスーパーマンのテーマが使われていて、胸のすく思いがしました。特に、前奏部分がいいですね。スーパーマンがこれから何かやってくれるぞ、と観てる人に教えてくれて。見てて血が騒ぎます :)

悪役レックス・ルーサー

少し話をズラして、悪役について。

最近、アメコミの映画化では、有名俳優を悪役に据えることが多くなりました。X-MEN シリーズのイアン・マッケラン。バットマン・シリーズからは、ジャック・ニコルソン、アーノルド・シュワルツネッガー、ジム・キャリー等々。いい悪役を置くことで、作品の質が高くなっています。その先駆けになったのが、1978 年の「スーパーマン」で悪役レックス・ルーサーを演じたジーン・ハックマンだったのではないかと思います。ハックマンは、1971 年の「フレンチ・コネクション」でアカデミー主演男優賞を受賞しており、当時としては、アメコミの映画化で悪役を演じるなど考えられなかったのではないかと想像します。

けれど、この配役が当たるんですね。人間なのに、天性の知能を発揮してスーパーマンと渡り合う、天才犯罪者。他のアメコミ映画では、悪役が主人公同様、特殊能力を持っているものですが、レックス・ルーサーは生身の人間で腕っぷしが強いわけでもありません。ただ、ただ、頭が良いだけの犯罪者です。それなのに、空を飛び、弾丸を弾き返す、スーパーマンを苦しめるのです! 考えてみると、これは、とても難しい役ですよね。しかし、ジーン・ハックマンはレックス・ルーサーを見事に演じ切りました。

さて、スーパーマン・リターンズでは、レックス・ルーサー役をケヴィン・スペイシーが演じています。スペイシーは、1995 年の「ユージュアル・サスペクツ」でアカデミー助演男優賞を、1999 年の「アメリカン・ビューティー」でアカデミー主演男優賞を受賞した男優ですね。レックス・ルーサーのトレード・マークである、禿頭もちゃんと再現してて嬉しかったです。とにかく、彼はコミカル。スーパーマン・リターンズの中で一番笑せてもらいました。少し、天才犯罪者にしては小粒と思うような部分もあったんですけど、彼の「○○を作って金儲け」という計画の中に、ちゃんとスーパーマン打倒の策も折り込まれてるあたり、感動してしまいました :)。インテリな犯罪者らしく、モーツァルトの音楽をかけてる (2006 年はモーツァルト生誕 250 周年) のも好印象。欲を言えば、モーツァルトのかつらを着けて欲しかったです :p

良質なエンターテイメント映画

スーパーマン・リターンズですごいのは、人が殺されるシーンがないことです。それどころか、暴力シーンもほとんどありません (一か所だけ)。スーパーマンは、あれほど強いのに、悪人を叩きのめすことすらしません。彼は常に紳士であり、人を助ける為に戦います! スーパーマン・リターンズは、決して、SFX だけの映画ではないのです。

※「命を大切にしない奴なんか、大嫌いだ!」と言いながら、敵を焼き殺してる映画は、見ならって欲しいものです!

それでは、子供に対象を絞っているのでしょうか?

いえいえ。スーパーマン・リターンズには、ちょっとした恋のスパイスも入っていて、大人でも楽しめるように作られています。

こういうのを、極上のエンターテイメントっていうんでしょう。オススメの一本です。