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2013-12-30

2013 年に取り上げたクリスマス曲まとめ

10 月 14 日から「安宅の音楽日記」という音楽系ブログを書き始めました。短く音楽を紹介したり、自分の感想を書く目的で始めたブログです。毎日一本を目標に始めて、なんとかやって来れました。

さて、「安宅の音楽日記」では 12 月の 8 日から 25 日まで「クリスマス」に関連する曲を扱いました。本エントリーでは、ブログ記事を振り返りながら感想を付け加えたいと思います (一部、12 月以前に取り上げたクリスマス関連曲も紹介します)。

クラシック曲

クラシック曲では 6 人の作曲家を取り上げました。生年順に並べると次のようになります: コレッリ (1653-1713)、マンフレディーニ (1684-1762)、ヘンデル (1685-1759)、ロカテッリ (1695-1764)、スキアッシ (1698-1754)、チャイコフスキー (1840-1893)。一人ずつ簡単な紹介をしてゆきます。

コレッリのクリスマス協奏曲

コレッリのクリスマス協奏曲 (コンチェルト・グロッソ Op.6-8) はクリスマス協奏曲の代名詞とされる曲です。メロディーの美しさもさることながら、アレグロの爽快感はリピートして聴きたくなるものです。

クラシック畑からベルダー盤と Geise 盤。ポピュラー畑からリチャード・クレイダーマン盤を聴きました。

ベルダー盤は Brilliant Classic レーベルからの一枚ですが、細部にまで血の通った演奏で音楽が生き生きとしています。Geise 盤は Arte Nova レーベルからの一枚。力強さはあるものの、繊細さではベルダー盤に一歩譲ります。

ポピュラー・アレンジしたリチャード・クレイダーマン盤はもっと評価されても良い名盤! 曲順を変え、演奏時間を少なくしていますが、ピアノとオーケストラで最大の効果を上げるように変えられたアレンジはお見事。ともかく楽しいです。

マンフレディーニのクリスマス協奏曲

マンフレディーニのクリスマス協奏曲 (コンチェルト・グロッソ Op.3-12) は 8 分程の曲です。ゆったりとしたメロディーの美しさ、特に第二楽章のラルゴの美しさにひかれます。

お気に入りの演奏はカラヤン指揮ベルリン・フィル。美しく演奏するという分野にかけてカラヤンは他の追随を許さないと思いました。カラヤンの他に Geise 指揮とイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏を聴きました。Geise 盤は比較的落ち付いていますが、チェンバロなどで少しアクセントを付けた演奏です。カラヤンの様に美しい演奏を聴いた後だと、アクセントが強いように思います。イル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏はキビキビッとした演奏で独自の世界に入っています。セカンド・チョイス以降なら面白いかもしれませんが、ファースト・チョイスには厳しいと感じました。

ヘンデルのメサイア

ヘンデルのメサイア。いわずと知れたイエス・キリストの生涯を描いたオラトリオです。メサイア・コーラスは超有名曲。

60 年代録音のクレンペラー盤と 2000 年代録音のバッド盤を取り上げました。

クレンペラー盤は録音も古く前時代的なフル・オーケストラ演奏です。しかし、ソロ陣の豪華さ、全体のまとまりは大指揮者クレンペラーの良さが遺憾無く発揮されています。メサイアが好きな人には是非聴いて欲しい一枚。一方、バッド盤は時代考証や録音にも拘った一枚。1742 年ダブリン初演版の世界初録音。ノン・ヴィヴラートに徹したテノールなど他盤では聴くことの出来ない世界が広がっています。名演!!

ロカテッリのクリスマス協奏曲

ロカテッリはパガニーニ以前の最大のヴァイオリン作曲家。彼のクリスマス協奏曲 (コンチェルト・グロッソ ヘ短調) は弦がとても美しい。レビューを書いた時は早いテンポの楽章に現れるヴァイオリンの技巧にみせられましたが、後で聴きなおしてゆっくりした曲のメロディーの美しさにも打ちのめされました。

聴いたのは Geise 盤のみ。

スキアッシのクリスマス交響曲

作曲家スキアッシ。今回の特集で初めて知った名前です。最初、コレッリのクリスマス協奏曲を聴こうと CD をかけたのですが、一曲目に入っていたスキアッシのクリスマス交響曲があまりにも良かったものでコレッリに代わって取り上げました。

無名な作曲家だと思うのですが、クリスマス交響曲の出来はコレッリにも劣ることはないと思います。スキアッシの他の楽曲も聴きたいと思いました。

チャイコフスキーのくるみ割り人形

クリスマスに何故「くるみ割り人形」と思ったのですが、バレエの脚本では「くるみ割り人形」がクリスマス・イブのプレゼントとして渡されるのでした。クリスマス・イブからクリスマス当日にかけての冒険が「くるみ割り人形」の舞台になるのですね。

プレヴィン盤とロジェストヴェンスキー盤を取り上げました。音楽が「くるみ割り人形」のストーリーをイメージさせるプレヴィン盤、音楽がバレエ舞台をイメージさせるロジェストヴェンスキー盤。どちらの盤も甲乙付け難い名演です。プレヴィン盤は現役盤ですが、ロジェストヴェンスキー盤はその好演に対して評価が低いように感じるのが残念です。

洋楽

ジングル・ベル

ビング・クロスビーとアンドリュース・シスターズが共演した「ジングル・ベル」です。こちらの CD にはリハーサル・テイクが収録されていて、ビング・クロスビーの珍しい失敗を聞くことができます。いつも完璧なクロスビーの歌唱を聴いていると、ここに聴く人肌なクロスビーの歌も面白いものです。

Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!

映画ダイ・ハード 1・2 のラストを飾るヴォーン・モンローの 1962 年録音盤です。Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! 良いですよね〜。映画のラストで聴くと大人の気分になります。甘いだけじゃない、ビターで温かいクリスマス・ソングです。

キャロル・オブ・ザ・ベルズ

映画「ホーム・アローン」でかかった曲です。サントラ盤とトランス・シベリアン・オーケストラのインストゥルメンタル版を取り上げました。

映画を見た人には言うまでもないですが、泥棒と対決すべくケビン少年が雪道をかけてゆくシーンで流れるこの曲は心に残りますよね。トランス・シベリアン・オーケストラの演奏はメタル・オーケストラにアレンジされています。クリスマス・ソングを楽しむ人より、クラシック・オーケストラを楽しむ人向けかもしれません。正統派なアレンジで聴き応え満点です。

Angels We Heard on High

Facebook で友達に紹介された楽曲。メンデルスゾーンの Angels We Heard on High をベースに色々なクリスマス・ソングがメドレー式に入っています。演奏は The Piano Guys。

まずはビデオをどうぞ。曲を演奏している姿がとても楽しそう。

現在、この CD 盤を取り寄せている途中です。

邦楽

クリスマス・イブ

邦楽からは一曲だけ。山下達郎の「クリスマス・イブ」を取り上げました。曲の紹介というより、思い出話に花を咲かせたエントリーでした。意外に反響があって、ヒットのきっかけになった CM を YouTube で教えてもらったりしました。

あとがき

以上で、2013 年のクリスマス曲特集はお終いです。

一回のエントリーでこれだけの数のクリスマス曲を取り扱おうとすると大変ですが、小分けにエントリーにしていると苦になりません。振り返りエントリーを書くだけで形になるので良いですね。来年もクリスマス曲特集ができればと思います。

2013-01-19

エヴァンゲリオン新劇場版: Q の面白ネタ

「エヴァンゲリオン新劇場版: Q」の面白ネタ、ネタバレ関連を一つの記事にまとめても良い時期になりましたでしょうか? (去年、忘年会でエヴァの話で盛り上がろうとしたら、まだ観てない人からブーイングが上がってしまった ^^;)。データを一つ、ネタを 5 つ紹介します。

興業収入

序の 20 億、破の 40 億。対して Q は 1/12 に 50 億を突破。

更には 1/26 から 100 館近い上映館増館を行なうとのこと。ロングラン、素晴らしいですね!!

US 作戦の軌道力学的考証

首都大学東京システムデザイン学部航空宇宙システム工学コース・宇宙システム研究室が US 作戦における技術用語の説明・軌道力学観点からの描写の正確さを解説しています。「ジェットソン」って何? とか、何であの物体がこう動くの? とか... そんな疑問に答えているので、映画が楽しくなることでしょう。

宇宙工学の立場から見ると幾らかの修正や,その他最適化などの余地があると見えます.

その辺は,見映えを優先した内容もあることかと思われます.

しかしながら,いずれにしても冒頭6分38秒で描かれたシーンはとてもカッコ良かったですよね.

詳しく見てみると,実際の宇宙で起こり得そうな,でも大変細かいところまできちんと描かれていることが分かります.製作者の知識と技量には大変驚かされると共に,素敵な映画を観させて頂いたことを心より感謝致します.

首都大学東京システムデザイン学部航空宇宙システム工学コース・宇宙システム研究室 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q_冒頭6分38秒_宇宙考証の解説 より引用

観客に感情移入したショート・ショート

シンジ視点で進むエヴァ Q。しかし、その台詞は観客の多くが疑問に思ったであろうことを代弁しています。ミサトさん、リツコさん、アスカ、サクラ、ゲンドウ、冬月、カヲル。登場人物のほぼ全員に対して、シンジ君がキレの鋭いツッコミを入れています。

総統閣下 MAD

ニコニコ動画でおなじみの、総統閣下シリーズ。映画「ヒトラー 〜最期の12日間〜」から、ヒトラー総統が怒るシーンに全く別の字幕を付けて楽しむもの。今回のビデオは、更に前半に映画「アイアン・スカイ」の予告編を挿入。アイアン・スカイはナチスが月面に逃れていて、地球侵攻してくる SF 映画。

ネタバレなしなのに、いかに「エヴァ Q」が衝撃的な映画だったのかが表現されています。そして、映画を観てから見直すと、ネタバレではないけれど上手いこと編集していることに感心します。「アイアン・スカイ」の「笑えばいいと思うよ」から「ヒトラー 〜最後の12日間〜」の「笑いごとではありません」へと繋がる流れはお見事!!

ヒトラー ~最期の12日間~ Blu-ray
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アイアン・スカイ Blu-ray 豪華版(初回数量限定生産)
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バベルの光 新旧アニメ比較

気付いた方も多いでしょうが、エヴァ Q では「ふしぎの海のナディア」の音楽が使われています (エヴァもナディアも庵野秀明の作品、作曲も鷺巣詩郎)。このビデオは、US 作戦で初号機奪還に赴いたアスカがコード 4B と遭遇した時のもの。ナディアでは、新ノーチラス号がレッド・ノアと戦うシーンでかかりました。曲名は「バベルの光」。同じ曲がかかっているシーンを比較させたものです。

エヴァの冬月さんが、ナディアのガーゴイルと同じ声優ということを頭に入れて聞くと、面白さが倍増。

Quatre Mains 一人連弾

エヴァ Q の劇場予告編。びっくりでしたね。まさか、ピアノが演奏されてるシーンだけ「しか」見せないとか。予告編の根底を引っくり返された思いです。

さて、このビデオはその劇場予告編でかかった曲「Quatre Mains」を耳コピで連弾したというもの。メモリー機能のあるピアノを使って、一人目分を先に演奏し、残る二人目分を演奏している姿をビデオに収めたものです。

Quatre Mains の連弾楽譜は、サントラ盤のライナー・ノートに載っていますが、発売日は 11/28。一方、当ビデオのアップロード日は 11/11。なので、この人はライナー・ノートの楽譜を見たわけではなく、完全耳コピですね。凄い人もいるものです。

Shiro SAGISU Music from“EVANGELION 3.0"YOU CAN(NOT)REDO.
Shiro SAGISU Music from“EVANGELION 3.0" YOU CAN(NOT)REDO.

あとがき

エヴァ Q を楽しむネタを 5 つ紹介しました。映画を観て絶望した人にも、「希望はあるよ」と思って頂けたら幸いです。

2012-04-20

Cue Fanfare! 感想 〜 雑多で、多様で、愉しいコンピ・アンバム

新生インディーズ・レーベル Greenwich Records のファースト・コンピレーション・アルバム「Cue Fanfare!」を手に入れました。この CD を買うきっかけ、プロデューサー・津田 真さんのレーベルにかける想いなどは過去エントリーに書いたので、よければ一緒に読んで下さい。

Cue Fanfare!(Greenwich Trailer Vol.1)
オムニバス 163(g) dulce aereo Miyu Miyu 夜の夢 telescope たらりらん 矢野あいみ 恋のパイナップル 小春 halnote
Cue Fanfare!

Amazon に収録曲情報がありません。過去エントリーに書いた収録曲情報を再掲載。

  1. 三毛猫は左利き/小春
  2. 白と現/halnote
  3. 恋の直行便/タトラ
  4. ミタイ/中田真由美
  5. みるく/原名蕗子
  6. 陽だまり/樋口 舞
  7. ください/おはようメルシー
  8. かさは あか/今宿えみこ
  9. ねむりひめ/xpocs
  10. 星の国/163(g)
  11. glimps of light/dulce aereo(空気飴)
  12. 悲しみの林檎/MiyuMiyu
  13. 4符/夜の夢
  14. Voyager/telescope
  15. たいむかぷせる/たらりらん
  16. ブルーバード/矢野あいみ
  17. ハニカミヤハニイ/恋のパイナップル

感想

なにぶん、優れた音楽を奏でながら、未だにレーベル契約もなく、無名のままでいるミュージシャンもいます。(中略) そうした音楽とその作り手に、作品的にも金銭的にも正当な評価を与えたい という趣旨のコンピ・アルバムですから、演奏者もメジャーな人はおりません。よほど (東京の) ライブに通いつめてる人でないと知らないアーティストばかりです。なので、ライナーノートに各曲・各アーティストについて津田さんのコメントが入っています。平均 150 文字。CD を聴きながら、ライナーノートを読む。

アルバムの構成について。津田さんはこう書いています。作成途中で それぞれの楽曲に、共通のテーマや繋がっていくストーリーが見え始めた。そこで、架空の映画のサウンドトラックというニュアンスを持たせて構成してみた。だから、CD の一曲目に一番良い曲を持って来るようなことはしていません。むしろ、各アーティストが全く別の方向性を持っているのに、一本の流れに乗せる様に構成しています。

特にお気に入りの曲の感想を書いてみます。

三毛猫は左利き/小春

アコーディオン奏者・小春のソロ曲。フランスのシャンソンの調べをアレンジしているのかな? とてもエスプリに溢れた曲。ベートーヴェンのバガテルの様な気楽さと楽しさを、フレンチ風に仕上げた感じ。アルバムの冒頭を飾るのにこれ以上ないという粋の良さを感じました。

ミタイ/中田真由美

アルバム中、最も好きになった曲の一つ。基本、ギター一本による弾き語り。「よる」ってフレーズが何度も使われて、気がついたら頭の中でリフレインしているような曲。シャンソンの様に、メロディーの少ない台詞めいた詞が入っていて新鮮。メロディーも少し「外し」た様な感じで、歌唱力高く歌い上げています。ちなみに、この曲はひめじ国際短編映画祭で 2010 年度監督賞に輝いた片岡翔監督の作品「くらげくん」の主題歌になっているそうです。

かさは あか/今宿えみこ

ピアニスト・有澤かなとの協同活動。津田さんのライナーノート ちょっと不安定なピッチと、天才的なソングライティング は、この曲を良く現していると思いました。「何だかよく分からないけれど〜」で何度も始まる詞。思わず、引き込まれてしまいます。ピアニストが別に居るのに、ピアノの音がちょっと入り切っていない(?)のが残念。

Voyager/telescope

DJ/ソロ・アーティスト/作曲家の芳川よしのと二十歳のシンガー・カリソ (かりん) の二人組ユニット。打ち込み系で曲作り。ボーカルは抑揚を抑えた歌い方。打ち込み... な曲は苦手な部類に入るんですが、この曲が私を魅了するのは曲の素材。Voyager です。あの太陽系外探査用無人惑星探査機ボイジャー (1977 年打ち上げ) を歌っているのです。SF 好きとしては心に響くものがあります。

ブルーバード/矢野あいみ

ピアノの弾き語り。中田真由美と並んで、本アルバムで最も好きになった曲の一つ。心を癒すスロー・テンポ。息づかいが聞こえる様な臨場感。アップ・テンポでもないのに、胸打つ心臓が鼓動を早める。これは才能だと思いました。

ジャケットについて

ジャケット絵を描いたのは、新進の絵描き・横田沙夜さん。幻想的な絵を描くお人。

絵描きも音楽家も、新進アーティストに光を当てたい、という津田さんの粋が詰まっていますね。

YouTube ダイジェスト

2012-03-12

ストラディヴァリウスを弾いてみた

なお&トラちゃんのお友達つながりで、ストラディヴァリウスのヴァイオリンを聴く機会を得ました。会場はなお&トラちゃん邸。13 時集合。新しい iPad (Wi-Fi + 4G) の予約を朝一で済ませて、お宅に向かいました。

私の到着と前後して、なお&トラちゃんの友人・知人が集まりました。総勢 6 人 (私を含めて)。なお&トラちゃんとヴァイオリニストを含めると、8 人が一般家庭にお邪魔するという事態に。初体面の方ばかりだったので、自己紹介をしながらイベントの開始を待ちました。

ストラディヴァリウス 1725

ストラディヴァリウスを持って来られたのは、黒沢誠登 (くろさわ まこと) さん。東京フィルハーモニー交響楽団の現役ヴァイオリニストです。東京フィルの公演では普通 (?) のヴァイオリンを使用しており、このようなイベントでストラディヴァリウスを弾くとのことです。

最初は貸与品かと思いました。しかし、話を聞くと個人所有。ストラディヴァリウスを持つ人の多くが、「買おうとして買ったんじゃない。自分の許にストラディヴァリウスがやって来たんだ」と言うそうですが、黒沢さんの場合も同じだったそうです。黒沢さんがチェコに旅行に行った時、たまたま出逢ってしまった。それが、黒沢さんの持つストラディヴァリウス。1725 年製作。

イベントの前後で写真会になってしまったのですが、最初に写真をお見せしましょう。

黒沢誠登 plays ストラディバリウス 1725

ストラディヴァリウスを弾く黒沢さん。見た目の通り、とても人懐っこい気さくな方です。

ストラディバリウス 1725

前面から見たストラディヴァリウス。左下が顎を当てる所です。右下に染みの様になっているのは、昔の人の使った痕跡です。昔は、今とは逆にヴァイオリンを構えていたのですね。そのあとが残っているわけです。ヴァイオリンの中央部は黒くなっています。ストラディヴァリウスに有名な「黒いニス」がこれなんだそうです。

ストラディバリウス 1725

背面はとても奇麗な木目が見えます。

ストラディバリウス 1725

ストラディヴァリウスを収納するケース。右手にヴァイオリン。左手に弓が二本入っています。この弓も「弓のストラディヴァリ」と呼ばれるトルテ。見ているだけで、足が震えちゃいます。

ストラディバリウス 1725

ヴァイオリンの中にはラベルが貼ってあって、(おそらく) イタリア語で文章が書かれています。f 字孔から覗き込んで、ようやく見える程度。意味はチンプンカンプンですが、重要なキーワードは分かります。それが上の写真に撮ったフレーズ (見えない方は、写真をクリックして下さい。大きな写真が表示されます)。「Clemona 1725」。クレモナはイタリアの都市で、ストラディヴァリを始めとしてアマティ、ヴァルネリなどの名弦楽器製作者が 18 世紀に集まった町です。つまり、このストラディヴァリウスがクレモナの地で 1725 年に作られた、と書いてあるわけですね。

演奏と黒沢さん

楽器を取り出して、さあ本番。というわけには行きません。ヴァイオリンにも慣らし運転が必要なのです。調弦を行ない、演奏場所を探す黒沢さん。ヴァイオリンを鳴らして、曰く「この壁は鉄が入ってますね」。場所を移動してまたヴァイオリンを弾き、曰く「とても固い壁ですね」。曰く「薄い壁のお家だと反響がねぇ〜」。曰く「楽器も温まらないと音が良く出ないんですよ」。周囲に驚きを振りまきながら、どうやら演奏場所が決まったようです。

軽めに流れるメロディーは、サラサーテのツィゴイネルワイゼン。

ワッ。

この曲はオーケストラがバックに付く曲で、時おりオーケストラの代わりにピアノが伴奏を務めます。しかし、ソロで弾くのを聞くのは初めてです。ええ、もちろんヴァイオリン・ソロ用に適当に曲をはしょってます。演奏部分も曲の前半の穏かな部分です。しかし、いきなりツィゴイネルワイゼンを持って来るとは思いませんでした。

即興風に曲は流れて、エルガーの愛の挨拶、グノーのアヴェ・マリア、etc.

調子が上がって来たところで、ツィゴイネルワイゼンの後半部分。一番盛り上がる所を、ヴァイオリン・ソロで。真近に見るストラディヴァリウス。ツィゴイネルワイゼン。ピッツィカートは弓を持つ右手だけではなく、左手でも行なっています。「初めて知りました。左手でもピッツィカートするんですね!」。すると、ちょこっと解説した後に件のメロディーをアンコール。黒沢さん、気さく過ぎます。カッコイイ!

そろそろ本番に行きましょうか。声が上がって、譜面台登場。

正直、ちょっとびびってました。といのも、クラシックのヴァイオリン・ソロ曲って少ないからです。有名なのはバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ、G 線上のアリア、パガニーニのカプリースくらいでしょうか? それ以外となると、急にマイナーになります。ビーバーのロザリオ・ソナタ終曲「パッサカリア」とか、テレマンの無伴奏ヴァイオリンのための 12 の幻想曲とか、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとか。ぶっちゃけ知らない... ^^;

でも、そこは手なれた黒沢さん。有名曲を一撫でした後、知らない曲を披露。皆が何の曲だろう、と ? を飛ばしていると、「今のは即興の曲です」。安堵が広がって、緊張もほぐれた所でポピュラーな曲を次から次へと。中には「高橋秀樹が登場したサスペンスで好きな曲が...」と。後で聞いたら、ビデオに撮って何度も聞き直し譜面起こしをしたそうな。ミスター・ロンリーやテネシー・ワルツ。果ては救急車のサイレンまで。

一曲だけビデオを撮れたので、YouTube にアップしてみました。ボビー・ヴィントンのミスター・ロンリーです。ちょっと頭が切れているのは、私の用意が待に合わなかったせい。ごめんなさい。

私はほんの 1〜2 m ほどの近距離で聴いたのですが、この距離で聞くと弓が弦を擦る音が聞こえるのですね。びっくり。古い SP 録音のノイズの様なサーという音でした。少し離れると聞こえなくなります。黒沢さんによると、ヴァイオリンを聞くには近すぎるとのこと。近いと直接音しか聞こえない。本当は、ホールの壁から返って来た間接音も一緒に聞く。すると、より響きが増すんだそうです。小ホール位いで 30 m 位い離れて聞くのが理想。確かに 1〜2 m といったら、下手するとオーケストラでは指揮者よりも近い位置になりますものね。ヴァイオリンの美味しい所を聞けていないのでしょう。でも、弓が弦を擦る音を聞くなんてのは楽器をやってない人間には未知の領域ですからね。とても良い経験ができました。

一通り弾き終えたら、「キラキラ星」を演奏。

で。

「皆さん、弾いてみませんか?」

いいんですか!?

こんなチャンスはまずないので、弾かせてもらいました。ストラディヴァリウスを!

手に持つヴァイオリンはとても軽く。胴を肩に乗せ。左手でネックを軽く支える感じ。右手にトルテの弓を摘む様に柔らかく持ちます。黒沢さんが、右手をコントロールして弓を引くと、あら不思議。私でもヴァイオリンを鳴らすことができました。ヴァイオリニストの視点も初体験。目の前で、弦の上を弓が左から右へ、右から左へと動きます。すると、「キラキラ星」のメロディーになるんですね。少し視線を先に伸ばすと、黒沢さんがネック付近の弦を押さえて音程をコントロールしています。開放弦で弾いてるんじゃないことを知りました。弓が弦にかかる角度、弓を引く力具合、左手の音程調整。ほとんどを黒沢さんにサポートしてもらってではありますが、ストラディヴァリウスを鳴らすことができました。曲を弾くことができました。感動ですねぇ。胸も震えますが、緊張で腕も震えます (^^)。

グリュミオーとミルシテインがお好き

演奏会は途中で一時中断。皆が持ち寄った菓子でティー・タイム。黒沢さんの面白い話を聞かせてもらいました。私が興味を持ったのは、黒沢さんがお好きというヴァイオリニスト。アルトゥール・グリュミオーとナタン・ミルシテイン。理由は二人ともストラディヴァリウスをトルテで弾いているから、だとか。

特にグリュミオーの美音は魅力ですよね。グリュミオーは 2 丁のストラディヴァリウスを所有していたそうです。1727 年製の「エクス=ジェネラル・デュポン」と製作年不詳の「タイタン」。

で、なお&トラちゃんは素晴らしいオーディオを持っているので... グリュミオーの演奏は聞けませんか? 黒沢さんから逆リクエスト。不幸にもグリュミオーの CD/LP はなかったんですけどね。残念。

グリュミオーじゃありませんけど、と前置きを置いて、オーディオ・ルームへ移動。オーディオで音楽を聴くの会。最初にかかったのはヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲。一聴。黒沢さんは「グァルネリの音ですね」。わ、分かる人には分かるんでねぇ。

ティー・タイム中にハイフェッツがストラディヴァリウスを持っていた話が出ていたので、合い間を見つけて質問。「何故、ハイフェッツはストラディヴァリウスを使わずにグァルネリを弾いたんですか?」。まあ、理由はハイフェッツ自身に聞かないと分からないわけですが... 黒沢さんの答えは、「楽器が人を選ぶ。ストラディヴァリウスは昔のイタリア人の身長 (今の日本人の平均と同じ位い?) 向け。グァルネリは大きな人向け。ハイフェッツは体が大きかったから、グァルネリが合ったんでしょう」。フムフム。勉強になります。付け加える様に、「ストラディヴァリウスもグァルネルも両方弾ける人もいる。アッカルドなんかがそう」。

気がつくとアッカルドの LP がかかっていました。

オーディオを聞いた後、黒沢さんのアンコールとストラディヴァリウスの写真会でイベントはお開きとなりました。

蛇足 1

蛇足 2

写真会の目玉はストラディヴァリウスの中にあるラベル。「Clemona 1725」の文字でした。細い隙間から一行だけピンポイントで撮影しようというのですから大変です。なお&トラちゃんは、本格的なデジカメを持ち出して来ました。でも、上手くピントが合わない。明かりが足りない。別の文字を撮ってしまう。しぶしぶ敗北。。。

私も iPhone4 を持って撮影にチャレンジ。1 回? 2 回? で成功。それが上の写真です。皆さんからも、上手く撮れたねぇ、とお言葉を頂きました。

これがなお&トラちゃんの心に火を点けた。フラッシュでは埒が明かないと小型の電灯を持って来て、ヴァイオリンを持っていてはブレると椅子にそっとストラディヴァリウスを横たえ、ライトの位置とヴァイオリンの角度を何度も変えて、ピントがずれて別の場所を撮ってもめげずにリピート、リピート、リピート。さながら、初孫を親族が見守る様相を呈して、ついに撮影に成功。カメラの実力は iPhone なんかに負けないぞ。高画質な「Clemona 1725」の文字はなお&トラちゃんのブログで見ることができます。

撮影成功後、黒沢さんがサラリ。「私は動画を撮って、いい画を切り出しちゃいます」。

あ〜〜〜

ええと。黒沢誠登さん。素晴らしい演奏をありがとうございます!!

2011-07-23

2CELLOS (2CELLOS) を聞く

今年の頭に、2 本のチェロでマイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」を演奏している動画を紹介しました (当時の YouTube ビデオは現在削除されています)。演奏していたのは Luka Sulic (ルカ・スリック) と Stjepan Hauser (ステファン・ハウザー)。

(再アップされたものはこちら)


彼らの YouTube ビデオは大くの人気を集め、レーベル会社と契約に到ったとのこと。ユニット名を「2CELLOS」として、初アルバム「2CELLOS」をリリースしました。

収録曲は次の 12 曲

  1. 約束の地 (U2)
  2. ミザルー (ディック・デイル)
  3. ユーズ・サムバディ (キングス・オブ・レオン)
  4. スムーズ・クリミナル (マイケル・ジャクソン)
  5. フラジャイル (スティング)
  6. ザ・レジスタンス (ミューズ)
  7. ハート (トレント・レズナー / ジョニー・キャッシュ)
  8. ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル (ガンズ・アンド・ローゼズ)
  9. ヒューマン・ネイチャー (マイケル・ジャクソン)
  10. 美しき生命 (コールドプレイ)
  11. スメルズ・ライク・ティーン・スピリット (ニルヴィーナ)
  12. ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー (U2)

選曲はロック系が中心で、私の知らない曲も多いです。知ってるのは、ミザルーやマイケル・ジャクソンの楽曲、スティングあたりかな。全体的には、比較的早弾きの栄える曲が選ばれています。「スムーズ・クリミナル」を聴けば分かると思いますが、アレンジのセンスが良くて、ガンガン来る曲は聴いていて楽しいです。

関連サイト

2CELLOS のサイトは以下の通り:

関連曲の過去エントリー:

2008-11-23

激しく自己嫌悪

kira-ism さんが、YouTube のイベント「livetokyo」に当選したそうで、一緒に行きませんか? というメールを送って下さった。それが昨日のこと。イベントの開催は今日の 16:30。ものすごーく行きたかった。

でも、メールを見たのはついさっき。

今日 (25 日) は、一日中寝ておりました。

今日の生活。

11:30 頃、起きてマックへ。お昼を食べたら、おやすみモード。

16:30 頃、友達から合コン行かない? と電話。お金がないので断わって、また、おやすみ。

20:30 頃、もぞもぞと起きてメール・チェック。

おや、kira さんからメールが届いているよ……と。

泣きたい。もう少しちゃんとした生活をしていれば。後悔先に立たず。早起きは三文の得ですねぇ。

2007-02-16

映画「ロード・オブ・ザ・リング」のエッセンス

はてなブックマークで

という記事が人気エントリーに上がっていたました。その中に、映画「ロード・オブ・ザ・リング」があったのでご紹介します。

まずは、「ロード・オブ・ザ・リング (旅の仲間)」のビデオです。実質 2 秒に、ロード・オブ・ザ・リング 180 分のエッセンスが凝縮されています!

どうです。楽しめましたか?

続いて、「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」のビデオです。同じく 180 分の内容が 3 秒に圧縮されています。

最後に、「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」のビデオです。210 分の内容が、たった 5 秒で分かるというお優れものです (ネタバレありです)。

いやー。まとめるのが上手い人って、居るものですね。もちろん、ネタですから、まじめに取りあわないで下さいね :)

2007-02-13

I Will Follow Him / Chariot (Petula Clark)

「I Will Follow Him」という曲をご存じでしょうか? リトル・ペギー・マーチ (Little Peggy March) が 1962 年に歌ってヒットを飛ばした曲です。最近では、映画「天使にラブソングを…」のラストで、主人公率いる聖歌隊が歌っていたバージョンが記憶に新しいでしょうか。

さて、この曲、もともとはフランスの曲だったりします。フレンチ・ポップスというのでしょうかね。オリジナルの曲名は「恋のシャリオ (Chariot)」。ペトゥラ・クラーク (Petula Clark) が歌っていました。

ペトゥラ・クラークは、ちょっと変わった経歴の持ち主です。彼女は最初のキャリアを英国でスタートさせます (1942 年〜)。その後 1958 年にフランスに招かれ、そこで (特にヨーロッパでの) 国際的な評価を得ます。当時は、英仏の両方を活動の拠点にしていたようですね。「恋のシャリオ」もフランス時代のヒットの一つです。その後、1964 年に「恋のダウンタウン (Downtown)」で全米進出。イギリス人女性として初めてのビルボード No.1 を獲得します。

今、手に入るペトゥラ・クラークの CD は、「恋のダウンタウン」以降のものが大半です。私は、Petula Clark が好きなのですが、フランス時代の彼女の CD を見つけることができません。ちょっと悲しく思っていましたが、先日、clmemo@aka: Last.tv 経由でペトゥラ・クラークの歌う「恋のシャリオ」を見つけました。何年も探していたので、少し感動。良い時代になりましたね。

それにしても、このビデオでの Petula の声に張りは素晴らしいですね。全米デビュー後よりいいかも ^^;

ref

「天使にラブ・ソングを1&2」オリジナル・サウンドトラック(CCCD)Downtown: Best of Petula Clark

2006-06-19

HATENA-TUBE 2.0

動画配信サイト YouTube の面白動画を、はてなブックマークのブックマーク数を参考にリストアップするサービス、Hatena-Tube のバージョン 2 が公開されました。

早速覗いてみた所、とっても幻想的な動画を見つけました。NHK の「みんなのうた」で放送された「月のワルツ」です。

アニメーションのバックグラウンドを抑えて clmemo@aka に投稿したい所ですが、時間もないのでビデオだけこちらで紹介します。

「月の宮殿 (チャンドラ・マハル)」って響きがいいですね。逆回りする時計の針の上で、老人が若返る演出が上手いです。うさぎの持ってる女の子の形をしたワイン・グラスが欲しいなぁ。